国宝・重文がズラリ。近江大津京ゆかりの名刹・三井寺

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国宝・重文がズラリ。近江大津京ゆかりの名刹・三井寺

国宝・重文がズラリ。近江大津京ゆかりの名刹・三井寺

更新日:2013/02/26 13:57

佐久田 隆司のプロフィール写真 佐久田 隆司 孤高のアウトドアライター、ネイチャーカメラマン

比叡山延暦寺とともに、天台宗大本山の名刹として「三井寺(みいでら)」があります。琵琶湖界隈で名を馳せる1100年もの歴史は、幾たび重なる焼失を乗り越えた苦労が偲ばれる不死鳥のような寺院でしょう。数々の国宝や重要文化財を今に残す、一度は訪れたい仏閣です。

三井寺には京阪電車が便利。車なら大津ICからすぐ

三井寺には京阪電車が便利。車なら大津ICからすぐ

写真:佐久田 隆司

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三井寺に行くには、京阪電車三条駅から京津線で浜大津駅まで行き、京阪電車石山坂本線に乗り換え、三井寺駅までのアクセスがいいでしょう。またJR大津駅からも徒歩圏内です。
京阪電車石山坂本線は一部路面電車で、記念として乗車するのも楽しいかもしれません。路面を走る車窓の眺めはゆっくりですし、大津界隈の風情を感じるにも最適です。
車で来られる方は大津ICからも近いので、アクセスに不便はありません。ただし路面電車の線路がそこかしこありますので、運転には細心の注意が必要ですね。思いがけず路面電車と遭遇することがありますので。

三井寺アクセス
京阪電車三条駅より浜大津駅乗換、石山坂本線経由 三井寺駅より徒歩8分 ¥460
またはJR大津駅から徒歩20分
大津ICより湖岸道路経由約10分

大門は三井寺の東面に堂々と構える

大門は三井寺の東面に堂々と構える

写真:佐久田 隆司

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琵琶湖を抱える滋賀県は、実は日本で寺院の数が最も多い都道府県なのです。その数は3200以上で、約3000寺院の京都を上回ります。
滋賀県の代表的な寺院でもある比叡山延暦寺は、琵琶湖を膝元に抱える山自体が「伽藍」という壮大なもの。伝教大師・最澄が開き、ここから多くの宗祖を輩出しています。

同じく天台宗総本山でもあるこの三井寺。延暦寺とこれだけ近接して総本山が二つある理由は、歴史が物語っています。
最澄の弟子である円仁と円珍が、延暦寺座主を巡り決裂し、山を降りた円珍が衰退しつつあった三井寺を再建したことが始まりです。

その後それぞれ「山門派」「寺門派」として宗内抗争に発展、山門派の宗徒に焼き討ちされるほど。更に当時の情勢悪化も加担して、その数大小50回ほどの火災に見舞われた悲運のお寺なのです。その都度再建して今に残るのが、室町時代の大伽藍です。

写真の大門も、三井寺中院の表門で東を向き構える重要文化財で、両脇の仁王像が山内を守護しています。天台宗常楽寺のものを秀吉が伏見に移した後、家康によって現在地に建てられたそうです。三間一戸楼門の入母屋造り桧皮葺で、今にその姿をとどめています。

金堂(国宝)は入母屋造の桧皮葺が美しい

金堂は、豊臣秀吉の正室北政所によって再建され、ひときわ典雅な風情を見せます。
入母屋造り桧皮葺の屋根の反りが美しいラインを描きだし、桃山時代に建てられ正面七間、側面七間の大きな造り。内部は外陣、中陣、後陣に分かれ、内側の両側に脇陣を設ける伝統的な天台系本堂となっています。本尊弥勒菩薩も安置される国宝となっています。

弥勒菩薩は三井寺が創建された時に天武天皇から賜ったと伝えられ、現在は秘仏となっていて、この仏様を拝した人はだれもおりません。
三国伝来の霊仏とされ、中国天台宗の高祖彗思禅師が、修行時に降臨された弥勒仏様が分身として残されたとされていて、常に光を放ち全身が温かく、生きているような霊仏であったと伝えられています。

逸話として残されているのが、藤原秀郷が琵琶湖の竜神よりムカデ退治のお礼として鐘を賜り、三井寺に寄進されたのち、比叡山との争いの際に弁慶が奪って比叡山に引き摺り上げると、鐘が「帰りたい」と響いたので、弁慶が怒って谷底に投げ入れたというもの。
その痕跡が今でも残されていて、現在は撞かれることなく金堂西方の霊鐘堂に奉安されています。

金堂(国宝)は入母屋造の桧皮葺が美しい

写真:佐久田 隆司

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様々な焼失を経て現代にその姿を

様々な焼失を経て現代にその姿を

写真:佐久田 隆司

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三井寺はたびたび伽藍を焼失しましたが、再建された堂塔伽藍には、奇跡的に寺宝や秘仏が残っています。それは焼失を恐れた僧が背負って疎開させたものと言われています。
国宝が10件(64点)重要文化財が42件(720点)。大津市全体の国宝、重要文化財の総数からして、これだけ保有しているのは必見です。そのどれも見ごたえある堂々とした風格を感じさせる立派なものです。

釈迦堂は重要文化財に指定され、室町時代に建立された簡素な造りの堂ですが、一説によれば豊臣秀吉によって破却の後に、清涼殿を移築したとも伝えられるもので、正面七間、側面四間の造りとなっています。

また三重塔も重要文化財。
室町時代に建立された本瓦葺の三間三重塔婆。豊臣秀吉によって伏見城に移築された大和の比蘇寺の塔を、慶長五年に徳川家康が三井寺に寄進したと縁起に記されています。
美しく均整のとれた軒が深く、相輪の水煙などは中世仏塔の風格も醸しています。

今年は智証大師生誕1200年記念の年です

今年は智証大師生誕1200年記念の年です

写真:佐久田 隆司

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日本の山岳信仰の修行の一種として現代にも引き継がれる「山伏」ですが、これを体験できる機会が三井寺にあります。歴史ある三井寺で、実際の山伏を思い描きながら、古の精神をじかに味わえる貴重なひと時となるでしょう。

山伏体験:約6時間 募集人数5〜15名 ¥10,000(衣装、昼食、保険代含む)

また三井寺では各月に様々な催しが行われており、2013年3月に行われる智証大師生誕1200年記念を題材に、4月の桜の頃には春のライトアップも予定されています。催しや体験コース、春のライトアップについての詳細は、関連メモの「三井寺」のページでご確認ください。

数々の焼失を乗り越えて今にその姿を残す三井寺。
大伽藍を構えながら、比叡山と今も対極にある天台寺門宗として、大本山の威厳を湛えています。大津界隈にお越しの際はぜひとも訪れたい古刹でしょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/01 訪問

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