パロは地名で、国際空港もあるブータンの玄関口。ツェチュは「祭り」の意味です。
ヒマラヤ圏にチベット仏教が広まったのは、紀元800年と言われています。
開祖とされる「グル・リンポチェ(パドマサンババ)」が、ツェチュで現代へ戻ってくるという言い伝えのもと、法要が行われます。
この祭りは、ほとんど毎月、全国各地で開催されます。
中でも毎年春に開催されるパロ・ツェチュは、ブータン最大の祭りで、3月から4月の間、5日間続きます。(2015年は3月31日から4月4日)
最終日には巨大な仏画「トンドル」が開帳されます。
これは、見るだけで罪を洗い流し、功徳が詰めると言われており、その恩恵を受けるため、人々は行列を作ります。
この巨大仏画は、最終日の深夜から日の出後の法要までしか見ることはできません。法要が終わると、丁寧にしまわれて、次のお披露目の機会まで、厳重に保管されます。
祭りで開帳されるのは、仏画だけではありません。
普段は目にすることができない、大事な仏具や仏像に出会う機会もあるのです。
小さな仏具や仏像は、位の高い僧侶によって、うやうやしく建物の外へ運ばれます。タイミングがよければ、お参りすることも可能です。
信心深いブータンの人々は、少しでも近づこうと、その後ろにも長い列ができます。
祭りでは、チベット仏教の伝統や教えにそったダンスや、法要などが定番です。
こういった定番のイベントも人気があるのですが、それよりさらに人気なのが「アツァラ」と」呼ばれる道化です。
みんなに人気のアツァラには、色々な役割があります。ダンスに紛れ込んで面白おかしく踊ったり、アツァラ同士でふざけあったり、お布施を集めたり。
もちろん、ただふざけているわけではありません。
彼らは進行役であり、複雑化した仏教を分かりやすく人々に伝えるという役割があるのです。
数日間行われる祭りでは、様々なダンスが行われます。
いずれもチベット仏教に関連したダンスです。
仮面をつけたダンスが多く、虎や鹿など動物の仮面をつけたダンスもあれば、骸骨の仮面をつけたダンスもあります。それぞれ個別の物語や教えを持っているのですが、これも前述のアツァラ同様、仏教の教えを分かりやすく人々に伝えるためにダンスという形で表現しているのです。
踊り手は村の人であったり、僧侶であったり。
彼らはみな、人々の悲しみや苦しみがなくなりますようにと祈りながら踊ります。
ブータンの人々はおしゃれです。
祭りには、特に着飾って出かけます。会場は「ゾン」と呼ばれる政府の建物で、普段から正装して入る必要がありますが、祭りの日は特別です。
子どもから老人まで、男女関係なく、自慢の衣装で出かけます。
民族衣装を借りて参加する外国人も多いので、着るのも見るのも楽しいイベントです。
ブータンの人々にとって、この祭りは見るだけで徳を積むことができるという、ありがたい祭りです。
とは言え、小難しい理屈なしに見たり参加したりできる、楽しいイベントです。近くには出店もあって、ちょっとしたお土産などの買い物もできるので、会場の周囲を散策するのも楽しいです。
きっと忘れられない旅になりますよ!
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(2024/9/18更新)
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