心をまるくするパワスポ。岩手県盛岡市「報恩寺」の『五百羅漢』に癒される

心をまるくするパワスポ。岩手県盛岡市「報恩寺」の『五百羅漢』に癒される

更新日:2017/04/24 17:12

ろぼたんのプロフィール写真 ろぼたん 週末の旅人、北国グルメ推進委員会
『五百羅漢』ってご存知ですか?仏教で供養尊敬を受けるに相応しい聖人のことで、お釈迦さまの弟子でもある羅漢さんはもとは生身の人間。その像はユーモラスで表情豊か!

岩手県・盛岡の報恩寺の『五百羅漢』はお堂の中にズラリと並ぶ様は迫力の一言!一体一体を見ていると茶目っ気たっぷりの表情に笑みがこぼれ、知合いを見つけ懐かしくなり、いつの間にか雑念が払われ優しい気持ちになっていく…そんなパワースポットですよ!

岩手県盛岡市の「報恩寺」・『五百羅漢』とは

岩手県盛岡市の「報恩寺」・『五百羅漢』とは

写真:ろぼたん

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仏教では『阿羅漢』という称号で修行をして悟りに達した人を称え、そのうち仏法を護持することを誓った16人を『十六羅漢』、初回の仏典編集に集まった500人(多くの人)を『五百羅漢』というようになったといわれています。

今回ご紹介する岩手県盛岡市の報恩寺(ほうおんじ)の『五百羅漢』は、享保16(1731)年から4年を費やしてつくられたと言われています。短いように感じるかもしれませんが、これは京都の9人もの仏師の手によって作られたから。

写真の山門には『山号』の「瑞鳩峰山(ずいきゅうほうざん)」と書かれてあります。
『山号』のはじまりは諸説ありますが、比叡山延暦寺、高野山金剛峰寺、東京の浅草寺は金龍山などが有名でしょうか。山を霊峰とも呼ぶ古くからの庶民信仰が仏教が結びついたというのも一つの説です。

境内から始まる異空間!静かなパワースポット

境内から始まる異空間!静かなパワースポット

写真:ろぼたん

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さほど大きくはない報恩寺ですが、山門より中に入っていくと俗世間から隔絶されたかのような静かな雰囲気に変わります。

本堂に向かって左手側に羅漢堂があり、そこに納められているのが『五百羅漢』です。

境内から始まる異空間!静かなパワースポット

写真:ろぼたん

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手入れの行き届いた境内、細工の見事な山門、華美ではないけれど、背筋を正して参拝したくなる日本の美しさを感じるお寺です。

お堂の中はひしめく羅漢さんでいっぱい!!

お堂の中はひしめく羅漢さんでいっぱい!!

写真:ろぼたん

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本堂で入館料(300円)を納め、羅漢堂に足を踏み入れるとたくさんの羅漢さんが迎えてくれます。5段の高さの台にズラリと並ぶ羅漢さんの迫力に一瞬たじろぐかもしれません。

この報恩寺にある『五百羅漢』は全て寄せ木造り、漆塗り。お顔は金色に輝き、目は潤み、開いたお口からは今にも話しかけられそうな雰囲気です。羅漢さんをじっと見つめていると、逆に見つめられているような気分になってきますよ。

お堂の中はひしめく羅漢さんでいっぱい!!

写真:ろぼたん

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よーく見てみると、コックリコックリと居眠りしていたり、「お酒持ってこーい!!」と徳利を振り回していたり、膝を叩いて笑っていたり…どれもこれもがユーモラスでどこか親近感のわく羅漢さんたち。

お堂の中はひしめく羅漢さんでいっぱい!!

提供元:岩手観光ポータルサイト いわての旅

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心を落ち着かせてくれる優しい表情のもの、恐ろしい形相のもの、おどけてのけぞるもの、この中にはきっと心に響く羅漢さんとの出会いがあるはずです。

お気に入りの羅漢さんの心の声を聴いてみよう。

お気に入りの羅漢さんの心の声を聴いてみよう。

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「最近、シャンプー変えたんだよね。」
「わしゃ、髪ないから石鹸で十分!」

耳を澄ませば、羅漢さんたちから様々な声が聴こえてきそう!あまりにも身近にいそうな表情の羅漢さんたちは、江戸時代に作られたもの。当時はどのような想いで制作されたのだろう…と想いを馳せずにはいられません。

お気に入りの羅漢さんの心の声を聴いてみよう。

写真:ろぼたん

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恐ろしい形相で怒りをあらわにしている羅漢さん、「全部オッケー!」と何事も笑って許せる羅漢さん、様々な表情の羅漢さんに会う中で、自分の心を見つめる時間を過ごすことになるでしょう。

おだやかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接すること…「和顔愛語」の心を思い出させてくれる“気持ちをまあるくする”パワースポットですよ。

お気に入りの羅漢さんの心の声を聴いてみよう。

写真:ろぼたん

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服装からは印度・西域・支那の僧が連想され、マルコ・ポーロやフビライ・ハンの像と言われるものもあります。報恩寺の『五百羅漢』は国際色豊かなことも特徴の一つ。この時代にこの服装とは!?とオシャレ度にもビックリの像もあるほどです。

お堂の中にあるので雨や風にさらされることはないのですが、ヒンヤリと底冷えがするため、特に足元は温かい格好で訪れることをオススメします。

石川啄木・宮澤賢治ゆかりの地、報恩寺

石川啄木・宮澤賢治ゆかりの地、報恩寺

提供元:岩手観光ポータルサイト いわての旅

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『五百羅漢』が鎮座する羅漢堂は中央に礼壇上があり、その周りの壁にぐるりと羅漢たちが配置されています。お堂の天井には狩野林泉筆といわれる見事な竜図も。羅漢さんに目が奪われがちですが、梁・柱・桁木など、巨材を惜しみなく使用した羅漢堂も必見です。

石川啄木・宮澤賢治ゆかりの地、報恩寺

写真:ろぼたん

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報恩寺のある盛岡市は石川啄木や宮澤賢治といった文豪たちともゆかりのある土地です。啄木は学生の頃、この北山一帯を級友たちとよく散策したともいわれています。詩集の中の「落瓦の賦」はこの報恩寺をテーマにしたものです。宮沢賢治は 盛岡高等農林学校時代に報恩寺で参禅もしていました。文豪たちはこの五百羅漢を見て何を感じ取ったのでしょうか。

訪れる度に違った印象を受ける『五百羅漢』に会いに行こう!

日本で有名な五百羅漢といえば、三大羅漢にも挙げられることのある栃木の徳蔵寺や、大分の羅漢寺、鎌倉の建長寺、埼玉の喜多院といったところでしょうか。全国では五百羅漢は50ほど現存しているといわれています。都道府県数をもしのぐ数があることから、皆さんの身近にも『五百羅漢』はいらっしゃるかもしれません。

死んだ肉親に生き写しの顔が見つかるという言い伝えができるほど『五百羅漢』は、古くから懐かしい人の面影を偲ぶ場所として人々に愛されてきました。報恩寺に現存する羅漢像は499体ですが、木彫りでそれだけの数が残っているのは全国的にも珍しいと言われています。

「時をかえて訪れると違った印象を受けるのでまたいらっしゃい」
拝観者に対してよく和尚さんがかけられる言葉です。これこそが、報恩寺の『五百羅漢』の魅力なのかもしれません。自分の姿や心を受け止めて羅漢さんが我々に語りだしてくれる…そんな不思議な感覚がするパワースポット、報恩寺の『五百羅漢』に会いに行ってみませんか?

○報恩寺・五百羅漢へのアクセス
住所 → 岩手県盛岡市名須川町31-15
盛岡駅 → 【バス12分】 北山バス停 → 【徒歩5分】
拝観時間 → 9:00〜16:00まで
拝観料 → 300円

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/04 訪問

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