写真:もんT
地図を見る今回の旅は、新疆ウイグル自治区の首府ウルムチ(乌鲁木齐)を基点とする日帰りバス旅行。前日までにウルムチ入りしておく必要があります。ウルムチへは北京から飛行機で4時間ほど。またウルムチ空港から市内へは、タクシーでおよそ1時間です。
さて今回の目的地、天山・天池は、ウルムチの東方50kmほどの、天山山脈の山の中…。公共の交通機関はないため、現地のバスツアーに参加するしかありません。日本にて予約できる日帰りツアーは、なかなかの高額…。1000元(2015年2月のレートで約19000円)は下りません。リーズナブルに!というのであれば、現地にてバスツアーにもぐりこみましょう!
現地での旅行社手配なら、例えば、天池への往復+帰りに宝石店に立ち寄るというコースで約185元。(もちろん宝石は買う必要はありません。)これに入境料100元(11月から3月の冬季は80元)を含めても、300元ほどで収まります。当日の天気予報を前日あたりに確認して、天気が良ければ飛び入り参加!というのが理想的です。
この現地ツアー、外国人が宿泊できるウルムチ市内のホテルでは、前日までならばフロントで斡旋や取次ぎを行ってくれます。当日の朝、指定された時刻にホテルにツアーバスがやってきて、帰りもホテルまで送迎。少しだけ手数料が加算されて料金は高くなるかもしれませんが、安心です。
あるいは、当日の朝8時半頃までに、散策も兼ねて市内の旅行社まで出向くのも良いでしょう。市の中心、人民公園近くには、天山・天池へのツアーを扱っている旅行社が数軒あり。(写真は、新疆信達旅行社。)中国語やウイグル語がうまく話せなくても「ティエンチ(天池)!」と言えば、こちらの意思を汲み取り、親身になって世話してくれます。ツアーバスは20人乗りくらいのマイクロバス。ガイドさんが必ず添乗し、迷子にならないよう気を配ってくれます。
天池は標高2000mの世界。標高約900mのウルムチ市よりもさらに高い場所なので、防寒対策を万全に!冬は雪道や凍結路を歩くことも考慮して、すべりにくく、歩きやすい靴で、さあ出発!
写真:もんT
地図を見るツアーバスはウルムチ中心部を少しぐるぐると走った後、高速道路に入り北東へと進路をとります。まずは麓の入境ゲートまで2時間ほどのバスの旅…。直線距離にすると目指す天池はウルムチ市の東方約50kmの場所にありますが、迂回して山中へと分け入っていくので約90kmの行程となります。
途中のサービスエリアで小休止。ここではトイレ休憩だけでなく、ちょっとした食料や飲料も購入しておきましょう。天池にはまだお店やお食事処がそれほどありませんので、備えあれば憂いなしです。
このサービスエリアを出発すると、バスは高速道路を下りて南へと向かいます。前方には天山山脈の山々が…。ほどなく麓の入境ゲートに到着。ここからが今や世界遺産となった「天山天池風景区」です。入境料として100元(11月から3月の冬季は80元)が求められますが、ガイドさんがお金を集めて、ツアー参加者全員分のチケットをまとめて買ってきてくれます。
この先は一般車の乗り入れ規制区間。旅行者は全員、マイクロバス程度の大きさのシャトルバスに乗り換えです。バスは天山天池に向かって山道をくねくねと上っていきます。
写真:もんT
地図を見る入境ゲートから天池そばの駐車場までは、およそ20分。つづら折の坂を上っていくにつれて、右に左にと、大パノラマが車窓に展開…。シルクロードの“黄色”や“茶色”の世界とは打って変わって、ここは緑豊かな山岳地帯の風景が続きます。
坂道の途中では、山の谷間に「小天池」と呼ばれる池も望めます。バスは小休止することなく、ひたすら上っていくので、シャッターチャンスは一瞬!すばらしい絶景をどれもお見逃しなく!
シャトルバスは閑散期には天池すぐそばの駐車場まで乗り入れますが、観光シーズンで込み合っているときは少し離れた駐車場に停まり、ここから歩くか電動カートで移動することになります。歩いても10分はかかりません。天池はもうすぐそこです!
写真:もんT
地図を見る視界が開けると、眼前にはエメラルドグリーンの天池が…。“池”と称されていても、湖と言えるほどかなり広く、奥行きがあります。湖面の標高は1980m。そしてかなたには、標高5813mのボゴダ峰を中心に、天山山脈の山々が…。この息を呑む大絶景、中国の人たちは、“中国のスイス”と称します。
シンプルなバスツアーで来た場合は、ここで帰りの集合場所と時刻が知らされて自由時間となります。2時間半から3時間くらいは滞在できるはず♪思い思いに時を過ごせます。
初夏から秋の観光シーズン中は、遊覧船(料金は80元)での観光がおススメ。しかし冬の間4月頃までは、湖が全面結氷するため、遊覧船はお休み…。でもその代わり、湖を歩いて!観光できます。3月までは氷の厚さが十分あるので、大丈夫。ただ4月になると、氷が薄くなってくるので気をつけて!周囲の状況や、同じく観光で来ている人たちの動きをよく観察しながら、慎重に行動しましょう。
湖岸には、湖に向かって左側、西王母廟の入り口に向かって遊歩道も伸びています。ここを散策するだけでも、天池の絶景を違った角度から楽しめるでしょう。
また湖の背後をちょっと登っていくと、カザフ族の伝統的な移動式住居「キーグズイ」が…。ここは新疆ウイグル自治区の中でも、カザフスタンに近いエリア。観光用ではありますが、カザフ族の生活の様子にも触れることができます。ちょっとした食事やお土産も手に入るかもしれません。
写真:もんT
地図を見る連なる雪山を前に、登山好きな方はきっと、あの山に登りたい!という気持ちになるでしょう。また、山登りは無理だとしても、もう少しこの秘境をトレッキングしたいなあ…と思うでしょう。しかし残念ながら、歩き回れる範囲は限られています…。
そんな中で、唯一登れる場所は、湖に向かって左側にある西王母廟。ここは中国の神話『穆天子伝(ぼくてんしでん)』中の「西王母」の伝説にちなむ場所。周朝の第5代穆王(西暦前10世紀の半ば頃に在位)、征西の途上この地を訪れたときに、仙女である「西王母(せいおうぼ)」に出会ったのだと言う…。山の中腹にその「西王母」の廟があります。
廟の麓まで歩いて15分ほど。そして麓にて入場料10元を支払って階段を登っていくと、建物としてはずいぶんと新しい寺院が…。大半の観光客がここで息を切らして、この道教寺院と眼下に広がる天池を見て帰ってしまうのですが、元気があればぜひお寺の左裏手に回って!石段がさらに上へと伸びています。目指すはさらに上です!
山の頂上までは行かれませんが、階段の終点までは麓から15分ほどで登れるでしょう。ここからの天池はまた格別…。現時点では、天池を見下ろせる最高の場所なので、おススメの展望スポットです。景色に見とれて、帰りの集合時刻に遅れないように気をつけて…。
新疆天山・天池の他にも、シルクロードに沿ったエリア、特にこの天山山脈には美しい山岳風景が展開しています。かつては一般の外国人が訪れるのが難しかった場所も、次第に開放されてきました。そしてアクセスも便利になりつつあります。
特に2014年12月には、シルクロードを横断する全長1776kmの高速鉄道(蘭新線第二複線)が開通。甘粛省蘭州からウルムチまで、わずか12時間で行けるようになりました。シルクロードを新幹線で走破して天山天池を訪れる…というのも、これからの旅の新プランとしてはおススメですね。
今や世界遺産となった新疆天山・天池。このシルクロードの秘境の大自然を、皆さんぜひ見に行ってください。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/13更新)
- 広告 -