一大製糸業地であった岡谷に蚕糸の博物館が開館したのは1964年の事。収蔵品は文化財指定をされていたり、近代化産業遺産に認定されていたりとても凄い博物館です。そんな博物館が2014年に旧蚕糸試験場岡谷製糸試験所のあった場所に(株)宮坂製糸所を併設する形でリニューアルオープンしたのが今回紹介する「岡谷蚕糸博物館」になります。
主な構成は
・エントランス
・ミュージアムエリア(糸都岡谷ものがたり)
・ミュージアムエリア((株)宮坂製糸所実稼動)
・コミュニティ・ワークショップエリア
と、4つです。エントランスもただのエントランスじゃなく、情報がたっぷりなので必見ですよ!
・どんな物で糸を取っていたのだろうか?
・どんな人たちが働いていたのだろうか?
・そもそもどんな歴史が紡がれていたのだろうか?
そんな疑問は全て解決できるエリアが最初に訪れるミュージアムエリア(糸都岡谷ものがたり)です。岡谷での製糸業の話だけでなく、日本の製糸業のあゆみを知る事ができる総合的な内容になっています。ここで注目したいのは沢山の製糸機械類をはじめとする資料たち。こうした貴重な実物が残っているところにこの博物館の凄さを感じる事ができるでしょう。また写真資料も多いので機械を見てもピンとこないという方も雰囲気を感じる事ができるでしょう。じっくり資料を読み込む派の方も、雰囲気だけで良い派な方も楽しめます。
落ち着いた雰囲気の資料を中心にしたミュージアムエリアから一転、日本でここだけの展示がこのミュージアムエリア((株)宮坂製糸所実稼動)です!
諏訪式繰糸と上州式繰糸という2つの方式で蚕の繭玉から極細の糸を取り出して紡いでいく作業を目の前で見る事ができるのです!ポイントは仕事として現役で稼働している状態で見られる事。熟練の技をまざまざと見る事ができるのです。職人の仕事を目の前で見るというのはどんな分野でもなかなか出来ないので圧巻の一言!
そしてこれもここならではで、繭玉はお湯で煮た状態で糸を取っていくので、この茹でられた時に出る独特の甘い匂いも。このエリアではどういう環境で生糸が作られるのかを目や耳や鼻で体感できるのです!。
さらに機械で様々な種類の糸を作る工程や、様々な種類の繭玉も展示されています。糸と簡単に一括りにしてしまいがちですが、品質を追求する姿勢を感じる事ができます。
なお1年を通して見学できますが、本当の工場なので休日よりも平日、またお蚕さんの生育とも密接に関わってくるので、冬よりも夏前後の方が実際に稼働している所を見る上では良いです!
そして忘れちゃいけないのが売店でも販売されていてるミヤサカ・トリートメントシルクソープの体験コーナーです。体験すればわかる驚きの石鹸の実力を体感できるのでこれはお土産としても絶対にオススメです!
ミュージアムエリアを出るとファクトリーショップがあります。ここでは先ほどオススメしたミヤサカ・トリートメントシルクソープを購入する事ができます。シルクソープは色々な場所で見かける事の多い商品でもあると思うのですが、ここのシルクソープはこの工場のシルクを使っていると出処がわかっているのが大きなポイントです。さっと1回擦るだけでの魔法のような泡立ちと、使った後のしっとり感は体験の価値があります。逆さまにしても落ちてこないような弾力性のあるモッチリとした泡は病みつきになりますよ!
また繭の中には当然、蚕のさなぎが入っているわけですが、さなぎの佃煮も販売されています。このさなぎも勿論この工場で使った物。昔は貴重なタンパク源として重宝されたんですね。昆虫を食べる事に抵抗がある方もいると思うのですが、あっさりとした食感と食べやすい味になっています。とても体に良い食べ物ですし、試食もあるので是非挑戦を!
コミュニティーワークショップエリアでは養蚕スペース「カイコふれあいルーム」もあります。本物の蚕を観察できるので忘れずに!(蚕は虫なので暖かい季節にならないと見る事はできません)
岡谷蚕糸博物館 9:00 - 17:00
動態展示とワークショップまゆちゃん工房は
9:00 - 12:00 と 13:00 - 17:00 (時間変更の可能性あり)
休館日:毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は開館し翌日が休館)
12/29-1/3 他に臨時休館日もあり。
入場料:大人 500円
中高生 300円
小学生 150円
蚕糸博物館のほかイルフ童画館、美術考古館、旧林家住宅及び旧渡辺家住宅に入れる2館、3館、5館共通入館券もあります。
今回紹介した岡谷蚕糸博物館の周辺には「『上州から信州そして全国へ』近代製糸業発展の歩みを物語る富岡製糸場などの近代化産業遺産群」として指定された遺産の中から15の遺産があります。
世界遺産の富岡製糸場に行った方も、行く予定の方も是非訪れて欲しい博物館です。日本の近代化に大きな貢献をしてきた産業の1つである製糸業を深く知る上で資料による展示、実際の仕事の見学、本物の蚕の育成、未来の話、こだわりのお土産・・・と、バラエティに富んだ内容で総合的にシルクを学べる世界一の博物館です!
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(2024/10/12更新)
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