写真:高橋 しゅう
地図を見る飯田線では、上下線で各3本、全線200km弱を直通する各駅停車の列車が走っています。さらに一部の電車は中央本線の上諏訪駅まで延長して運転しています。
写真は長野県上諏訪駅9時22分発の豊橋行。終点の愛知県豊橋駅には16時16分着となる鈍行列車。終点の豊橋駅まで停車駅数95駅、乗車時間7時間弱の長大な旅になります。
※このダイヤは令和2年3月現在有効なもので、今後ダイヤ改正により変更となる場合があります。
長い乗車時間ですが、旅好きな方にはお勧めの飯田線。車窓には南信州の風景、天竜川、秘境ムード満点の風景が楽しめるのです。途中駅では、数分程度の停車時間もあり、ホームで気分転換もできます。
今回は、この長距離鈍行列車を、秘境ムードが楽しめる区間を中心に紹介します。
写真:高橋 しゅう
地図を見る車内の座席は、クロスシート(進行方向を向いて座れる座席)が多く並んでいますので、長距離乗車にも比較的快適です。
お弁当やお酒を持ち込んで、車窓を見ながらの一杯も列車の旅ならば楽しめますし、車内にはトイレもありますので安心です。
写真:高橋 しゅう
地図を見る上諏訪駅を出発した電車は諏訪湖を左手に見ながら進み、途中の辰野駅から飯田線区間に入り、各駅に停車しながらゆっくりと伊那路を進みます。
車窓から南アルプスの山々や、田園風景、南信州の伊那市や飯田市の街並等を見ながらの列車の旅です。
写真:高橋 しゅう
地図を見る出発から約3時間30分、乗車時間の約半分となる天竜峡駅に到着。ここから先が飯田線の旅のハイライトとも言える区間になります。
列車はそれまでの田園地帯から、次第に山深くなる中を天竜川に沿って進みます。車窓には、迫る山々や谷間に点在する家々の風景が流れ秘境ムードが次第に高まります。
写真:高橋 しゅう
地図を見る秘境駅とは、鉄道ファンの牛山隆信氏が広めた呼称で、乗り降りする人もほとんど無く、周りに人家も少ない山奥や原野にひっそりとある駅のことを指しています。
最近はテレビ番組、旅雑誌、飯田線「秘境駅号」の運転と、少しずつ一般の方にも知られるようになり、その秘境駅が飯田線沿線には多く点在しています。
写真はその一つ金野駅。駅前に渓谷が流れ、人家も無い場所にポツンと建っている駅で、この駅の前後から飯田線の秘境駅が続きます。
秘境駅の詳細は、関連MEMOの「秘境駅へ行こう」を参照ください。
写真:高橋 しゅう
地図を見るこちらは、崖にへばりつく様なホームが印象的な田本駅。車でのアクセスは不可能で、登山道の様な歩道だけが駅に通じている秘境駅です。
写真:高橋 しゅう
地図を見る写真は為栗(してぐり)駅。駅の横には天竜川が流れ景色の良い場所ですが、周りに人家も殆ど無い秘境駅。
アクセスは、徒歩で渡る吊り橋のみとなる秘境ムード漂う駅です。
写真:高橋 しゅう
地図を見る写真は、長野県側最後の駅となる中井侍(なかいさむらい)駅周辺の集落から撮影。飯田線の線路は天竜川の左側に沿って細い線のように通っています。
中井侍地区は静岡県に近いお茶の産地とも知られ、急斜面に建てられた家々と茶畑の風景が印象的。列車の車窓からこの景色を見ることはできませんが、時間のある方は途中下車をしての散策も良いと思います。
※写真は別の機会に撮影
写真:高橋 しゅう
地図を見る中井侍駅のホーム。周辺は木々に囲まれて秘境の雰囲気です。
前段の写真にある急斜面の風景は、急な車道を登ることになります。
写真:高橋 しゅう
地図を見る飯田線の静岡県側最初の駅は小和田(こわだ)駅。ここは先に紹介した秘境駅の指標による、秘境駅ランキングで全国2位の駅です。
周囲に人家も無く、駅に通じる車道も無い場所に建っていますが、何も無いことに魅かれて、この駅を目的に下車される観光客が訪れます。更に山奥の小和田駅の所在地は、静岡県浜松市であることにも驚きです。
写真:高橋 しゅう
地図を見る以前は、駅名が成婚前の雅子妃殿下の苗字であることから注目を集めた駅でもあります。ホームには恋愛成就駅の標記、駅舎にも当時のお祝いムードを感じるプレートが掲示されています。
車窓から眺めることができますが、ゆっくり見たい方は、途中下車されることをお勧めします。※但し、上諏訪9時22分発の列車の場合、次の列車は約2時間20分後です。
写真:高橋 しゅう
地図を見る秘境駅が連続する区間を抜けて、写真の中部天竜までは約5時間。数分停車時間がありますので、車外に出て気分転換も。豊橋まではあと約2時間の旅。
写真:高橋 しゅう
地図を見る飯田線は、小和田駅より静岡県の山間を走った後、途中の東栄(とうえい)駅より今度は愛知県三河地方に入ります。
東栄駅は、鬼の面をモチーフにした面白い駅舎。こちらも見逃せない車窓ポイントです。
写真:高橋 しゅう
地図を見るさらに山間や渓谷に沿ってしばらく進むと長篠駅へ到着。出発してから約6時間。長野県を出発して、静岡県を抜けて愛知県の標示を見ると、かなり遠くまで乗って来た印象を受けます。
豊橋まであとラストスパート1時間。停車時間にホームへ出て小休止して、再び豊橋を目指します。
写真:高橋 しゅう
地図を見る本長篠から先は山間を徐々に抜けて再び田園地帯となり、やがて次第に住宅が多くなり、景色が徐々に、街の風景へと変わっていきます。豊川稲荷で有名な豊川駅を過ぎると終着の豊橋駅はもうすぐです。
16時16分。約7時間の旅は豊橋駅に到着して終了。豊橋からはそれぞれの目的地へ、もしくは豊橋で名物カレーうどんの夕食もお勧めです。
全線乗車には時間を要しますが、車窓は変化に富んでいて魅力的。今回、上諏訪から豊橋間を紹介しましたが、逆ルートも同様な旅が可能です。また豊橋〜飯田間には特急が1日2往復運行し、他区間と合わせると時間短縮になります。
春・夏・冬は飯田線の旅に最適な、JR普通列車5日間(5回)乗り放題の青春18きっぷも発売されます。
令和2年3月現在有効な時刻です。乗車の際はJR東海のホームページなどで確認下さい。
この記事の関連MEMO
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(2024/10/9更新)
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