大人も遊べる動くアート!スイス・バーゼル「ティンゲリー美術館」

大人も遊べる動くアート!スイス・バーゼル「ティンゲリー美術館」

更新日:2015/07/19 17:23

平川 郁世のプロフィール写真 平川 郁世 現地密着型ライター
現代アートの巨匠ジャン・ティンゲリー(フランス語読みで「タンゲリー」)は、スイスのフリブールで出生後、ほどなくバーゼルに移住。将来、世界の舞台で活躍する才能を育くんだ街がバーゼルだったといえます。

現代アートは難解でちょっと……という人でも楽しめるのが、スイス・バーゼルの「ティンゲリー・ミュージアム」。子連れで、美術館なんか行けないとあきらめているファミリーにも、ぜひ1度訪れてほしいところです。

マリオ・ボッタ氏による建築物にまずご注目

マリオ・ボッタ氏による建築物にまずご注目

写真:平川 郁世

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バーゼルには、有名な建築物が多数存在します。ライン川沿いの公園(Solitudepark)の一画にそびえ立つこの建物は、ティチーノ州出身の建築家、マリオ・ボッタ氏の作品。

庭の池では、中央に置かれたティンゲリーのオブジェから 水が吹き出しています。大型チェスで遊ぶ家族連れの姿も。

特徴あるシェイプの外観もさることながら、館内も、広々とした空間にこのミュージアムの自由な雰囲気がしっくり合っていることに気づくでしょう。

現代アートでも難しくない!

現代アートでも難しくない!

写真:平川 郁世

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50〜60年代のキネティック・アート(動く芸術作品)を代表するアーティスト、ジャン・ティンゲリー(1925-1991)。消費主義に溺れる社会に反発するかのように、さまざまな「廃材」を再利用することによって作品を作り上げていきました。鉄材、ボロ布、古着、古靴、工具、木炭、車輪、骨、獣の毛皮………。ゴミ捨て場を訪れたティンゲリーが材料を探す動画では、むやみやたらと拾うのではなく、彼なりの基準で吟味し選別しているのが興味深いところ。

こうしてそろったガラクタ廃材が、彼の手によりアートとなってよみがえり、展示されています。

遊び心いっぱいのミュージアム

遊び心いっぱいのミュージアム

写真:平川 郁世

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そのほとんどが機械じかけで、ボタンを押すとバタンバタン、ガチャンガチャンと動く仕組み。回る、上がる、下がる、落ちる、滑る、音を立てる………先端についた羽がまわりだしたり、カナヅチがぬいぐるみの頭に落ちてきたり、ペンが動いて絵を描いたり。摩擦音以外にも、ラジオのような音が鳴り出したり。ボタンを押した、その先は予測できないところがまた楽しいのです。

子どもたちは吸い寄せられるようにボタンに向かい、大人も夢中になって動きを見守っています。特に「Méta-Harmonie II」という作品は動と音のパフォーマンスで圧巻ですが、こちらは残念ながら写真撮影禁止。是非、ご自分の目でお確かめください!

ちなみに、作品は動くと消耗するので、無制限に動かせるわけではありません。10分に1回などと決まっているものもあります。押しても反応がない場合は、むやみやたらと押さずに、すこし待ってみましょう。

見逃さないで!特別展

見逃さないで!特別展

写真:平川 郁世

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期間限定の特別展では、現代アートの個展あり、様々なアーティストあり。
彼らはいずれもティンゲリーの影響を受けており、「斬新」「奇想天外」が共通のキーワードといえるでしょう。
見ていると突然、点灯したり、揺れだしたり、区切られた空間ひとつひとつに匂いが充満していたり。アーティストたちの自由な発想にハッとさせられます。日々の常識から、ちょっと抜け出して遊べるひとときです。

特別展の入場券は常設展と共通です。開催期間については、ホームページでご確認ください。バーゼルの街を歩けば、ポスターがあちこちで目につくことでしょう。

シアター・バーゼル前にも ティンゲリーの噴水が!

シアター・バーゼル前にも ティンゲリーの噴水が!

写真:平川 郁世

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ティンゲリーのゆかりの地バーゼルでは、ミュージアム以外の場所でも彼の作品を目にすることができます。有名なのがこれ、シアター・バーゼル(Theater Basel)にある「カーニバルの噴水(Fasnachts-Brunnen)」。得意の機械じかけの動きと、絶え間ない水のしぶきがあいまって、ティンゲリー・ワールドが太陽の下で展開されています。冬、氷点下になると噴水も凍りますが、これはこれで面白い光景。観光客が必ずここで休み、カメラを向ける場所です。

バーゼルのカーニバル(Fasnacht)はたいへん有名で、ティンゲリー自身の中にも「バーゼルといえば、カーニバル」というイメージがあったのでしょう。バーゼルの街で2月下旬に行われているカーニバル。詳細は、下記リンクの記事をご覧ください。

特設会場で、ジャズのライブも!

毎月最終金曜日午後4時からは、来場者向けに「ロッシュンジャズ(Roche’n’Jazz)」が行われています。
ティンゲリーの作品が持つ躍動感に合う音楽は、やっぱりジャズでしょう。キネティック・アートのすぐ隣りで本格ジャズの生演奏が堪能できるという、特別イベントなのです。
コンサートの予定は、ホームページにてご確認ください。

ショップも、かなり充実。ティンゲリーの作品集以外に、パズル・ゲーム類が多数取り揃えてあり、子どもたちはそこに留まったまま、飽きずに遊んでいます。

監視員たちも人々が驚く様子を楽しんでいるかのような、リラックスした雰囲気。バーゼルを訪れたなら、ぜひティンゲリー・ワールドをのぞいてみてくださいね!

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/09/27−2015/02/20 訪問

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