写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る第六十代醍醐天皇の勅願で菅原道真公の神霊を祀ったと伝えられている「水火天満宮」。境内にひっそりと安置されている登天石(とうてんせき)は、道真公の霊がここに立ち、その際、都が水難から守られたとの言い伝えがあり、水難、火難除けの神としても知られている神社です。
京都の市街地の小さな公園の向こうにひっそりとある水火天満宮は京都の知られざる桜の名所となっています。60年前に植えられた枝垂れ桜は、当時から地元の人たちに愛され、桜をゆっくり見ることができるようにと座る場所も設置されています。
境内に一歩入ると、境内を覆い尽くす枝垂れ桜が降ってくるような迫力。桜の向こうに見える赤い鳥居に桜のピンク色が自然に溶け込むような写真も撮ることができます。
4月上旬から中旬ころにかけてはライトアップも行われますが、毎年ライトアップ時期は違いますのでHPでご確認ください。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る水火天満宮から堀川通を渡り西側に進むと妙蓮寺があります。
日蓮の弟子、日像が1294年に建立した妙蓮寺は、江戸時代に作られた全国でも数少ない袴腰型の様式の鐘楼が有名。桂離宮の造園も手掛けたといわれている妙蓮寺の僧による石庭も魅力の一つとなっています。
妙蓮寺で有名な桜は、日蓮が入滅した10月13日前後から咲きはじめ、翌4月8日の釈迦が生まれたころに満開になる「御会式桜(おえしきさくら)」。散った桜を持ち帰ると恋が成就するとも言われています。
4月8日ころ満開になると昔は言われていましたが、全国的に年々桜の開花が早くなっているため、8日ころにいくと葉桜になりかけていることがあるのでご注意を。ただ、境内にはソメイヨシノもあるため、御会式桜が散っていたとしても境内に降り注ぐ満開の桜を見ることができます。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る空海が安置したと伝えられる歓喜天(聖天)を祀っている「雨宝院」は、本堂前にある歓喜天にちなんでつけられた歓喜桜(枝垂れ桜)が有名なお寺。一番多く植えられている観音桜は仁和寺の御室桜と同じ種類の八重桜ですが、仁和寺と違い背の高い木になっています。
境内には12本の桜の木があり、まず歓喜桜が咲き、次に観音桜、最後に御衣黄が見ごろを迎えます。
御衣黄は、花びらが黄緑色のため、遠目でみると葉桜と間違えてしまう人が多いですが、近くでみると花びらになっているので注意深くみてみてください。
水火天満宮と同じように境内が狭いため、境内を覆う桜は圧巻の一言!
1488年、日真大和尚(にちしんだいかしょう)により創建された本隆寺は法華宗の総本山。今回紹介する西陣エリアの他のお寺より境内は広く、開放感たっぷりでゆっくり桜を鑑賞できます。
松葉を枕元に置くと子どもが夜泣きをやめるという言い伝えから「夜泣き止めの松」といわれる松の木があることでも有名です。この松の木と本堂、そしてソメイヨシノとのコントラストが絶妙!
このほか、境内には、早咲きの桜から八重紅しだれまで多くの桜が植樹され、長く桜を楽しめるのも本隆寺の魅力の一つです。
1227年建立で、京都市内最古の木造建築の本堂を有する千本釈迦堂。国宝にも指定されている本堂前にあるのが「桜のカーテン」ともいわれている「おかめ桜」という呼び名の枝垂れ桜です。この桜は、棟梁の夫を妻のおかめの知恵で助けたというおかめ伝説にちなんで名づけられた桜。
西陣エリアの中でも少し早めの3月下旬ころに咲き始めるため、今回紹介したほかの桜と同じ時期にいくと散り始めになっていますのでご注意ください。
西陣エリアで有名な桜スポットは、約50種類400本の桜が咲き誇る平野神社。そこから歩いてわずか10分ほどのところに千本釈迦堂があるにも関わらず、観光客はほとんどいません。千本釈迦堂から水火天満宮までは、写真を撮りながら歩いても1時間ほど。京都の桜散策にはぴったりの場所です。
古き良き西陣の街並みを歩きながら都の桜に酔いしれてみませんか。
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(2024/12/12更新)
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