写真:鮎川 キオラ
地図を見る日本を代表する花木のひとつでもある「桜」。桜の品種と言えば、「ソメイヨシノ」が有名ですね。野生種や園芸用に改良された品種などを合わせると約600種近い品種があると言われています。その色や形は様々で、開花時期も品種によって異なります。
桜の全品種の半数以上の350種が植えられている桜見本園が、茨城県結城市にあります。桜の品種保存、普及を目的に公益財団法人日本花の会によって1969年に設立されました。8haに及ぶ敷地内に植えられて桜の数は、実に1,000本。見たことも聞いたこともない品種の桜が並ぶ園内は、まるで桜の花図鑑のようです。こちらの写真の桜の木は、すべて品種が異なります。じっくりと桜鑑賞をした方、珍しい桜の写真を撮影したい方には、とっておきの花園です。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る見本園では色とりどりの桜が楽しめるのも魅力のひとつです。こちらは、珍しい緑色の花弁をもつ「御衣黄(ギョイコウ)」です。江戸時代に京都の仁和寺で栽培されたのが始まりとされる品種です。
開花時期は、4月中下旬頃。開花直後は緑色ですが、徐々に中心から赤みがかってくるのが特徴です。他にも同じく緑色の花を咲かせる「鬱金(ウコン)」などもあります。
日本には約9種類の桜が自生しており、そこへ隣国の中国から導入された2種の桜が中心になって数々の品種が生まれたそうです。見本園内は、品種の系統ごとに植樹しています。各系統の説明版も整備されているので、その案内板を読みながら散策すると桜のマメ知識が増えますよ。アメリカや英国で改良された品種など珍しい海外品種もありますので、お見逃しなく。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るこちらの見本園には、桜の樹医や研究者も在籍し、桜の品種を組み合わせたモデルガーデンの提案や桜の名所づくりの提案もしています。
10種類の桜が一斉に開花する「十色桜の並木」は、足を止めて桜の品種を一本一本確認しながら通過したくなる桜のトンネルです。大輪の八重咲きの品種で彩られた並木道は、とっても華やか。見頃は、ソメイヨシノが咲き終わる、4月中旬以降となります。
こちらの見本園は、入場無料で平日の10時から15時のみ見学することが可能です。毎年4月中旬に予定される一般公開時では、土日も見学が可能となります。園内の桜の多くは、4月中旬以降に見頃を迎える品種も多いのでこの時期に設定されています。
【見学について】
平日のみ10:00-15:00、入場無料
※見学の際は、事務所に一声かけてください。
※作業の関係で入場が制限される場合があります。
※宴会、飲食禁止。
一般公開
2016年4月9日(土)から17日(日)、10:00-15:30
写真:鮎川 キオラ
地図を見る桜といえば春ですね。こちらの見本園では、春と秋に花を咲かせる2季咲き品種から早咲き品種まで揃っています。その為、3月上旬から5月、8月下旬から12月と約8ヶ月に渡り桜を楽しむことができるのです。
一般公開を迎える頃の園内には、咲き終わった桜によるピンクの絨毯がお出迎えしてくれます。花の楽園とも言える光景です。
こちらは観光地ではありません。桜の品種保存、研究が主な目的となります。その為、一般公開以外は平日しか見学できない、最寄駅となる「JR結城駅」から遠いなどの制約があります。
でも、その分広大な敷地の花園をほぼ貸切状態で鑑賞できる素晴らしい環境なのです。今まで紹介してきた写真をもう一度ご覧下さい。あまり人影が写っていないことに気が付くと思います。一般公開以外の平日に訪れると、この素晴らしい花園をほぼ貸切状態で堪能できるほど見学者が少ないのです。地元の人にもあまり知られていない穴場中の穴場です。もちろん、宴会をしている人もいません。
静寂の花園で桜を追いかける散策をぜひお楽しみください。
■公益財団法人日本花の会 結城農場
茨城県結城市田間2217
アクセス:JR水戸線結城駅からタクシー約20分
東北自動車道 佐野・藤岡ICから国道50 号 約60 分
※駅から農園までの公共交通機関はありません。
※電話番号は、本文下MEMO内『公益財団法人 日本花の会』より、「日本花の会 結城農場」のページでご確認下さい。
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この記事を書いたナビゲーター
鮎川 キオラ
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