インド最古の仏教寺院「アジャンター石窟群」で悠久の時を感じる

インド最古の仏教寺院「アジャンター石窟群」で悠久の時を感じる

更新日:2015/03/10 14:29

アジャンター石窟群はなんと紀元前2世紀ころから開掘された、まさに古代遺跡。インドが誇る世界文化遺産です。しかし古いというだけではありません。石窟の中に入れば西洋の大聖堂のような巨大な空間と精緻な石の彫刻、美しい仏教絵画に圧倒されます。今回はこのインド最古の仏教寺院群「アジャンター石窟群」をご紹介いたします。

まずは外から渓谷を眺めよう

まずは外から渓谷を眺めよう
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紀元前1〜紀元前2世紀(前期)及び5〜7世紀(後期)に主に掘られた石窟群ですが、写真のような川沿いの断崖を掘って造られたためか外部からの視認性が良いとは言えません。そのため19世紀初頭にイギリス人によって偶然発見されるまで、この遺跡はなんと1000年以上もの間、忘れ去られていたことになります。

しかし石窟に守られていたたためか、内部が朽ち果てている様子はなく、壁画や装飾の保存状態が抜群に良いのが特徴です。「紀元前」とか「1000年以上放置」とかそういったキーワードを払拭してくれることでしょう。

仏教美術の宝庫。見事な彫刻に注目

仏教美術の宝庫。見事な彫刻に注目
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石窟は多数ありますが、その中には採光を考えられて造られた聖堂もあり、中に入るとその空間の広さとほぼ完璧に保存された精緻な彫刻に驚かれると思います。古いから貴重というだけでなく、その美術的価値の高さからも、評価の高い遺跡なのです。これらは「建てた」のではなく断崖を横に「掘って」いったので、崩れることなくそのまま残っているのです。ナイスアイデアですよね。

多数残る色彩豊かな絵画

多数残る色彩豊かな絵画
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彫刻だけでなく、壁画も素晴らしいのがこの遺跡の特徴です。5〜6世紀の仏教壁画が薄暗い石窟の中に次々と表れるのは、ドラゴンクエストのダンジョンの中を冒険しているようでワクワクしますね。驚くべきはその色彩。近くでみると壁画には当時の鮮やかな塗料がそのまま残っており、その保存状態の良さに驚かれると思います。

壁画だけじゃない。天井画も忘れずに。

壁画だけじゃない。天井画も忘れずに。
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石窟の中は薄暗い場所が多いので忘れがちですが、仏教画は天井にもびっしりと描かれています。ひとつひとつを見ていたら首が痛くなりますが(笑)、これらは仏教説話を絵にして残したものですので、我々にも馴染み深い東アジアの仏教の源流ともいえ、仏教の悠久の歴史を感じさせてくれる貴重な芸術ですね。

アクセスと注意点

インドの玄関口のひとつ、商業都市「ムンバイ」の北東350kmに位置する「アウランガーバード」が「アジャンター石窟群」及び別記事で紹介しています「エローラ石窟群(こちらも世界遺産です)」への基点です。この町からこれらの二大石窟群へは現地発着ツアーが多数催行されていますので、参加するのが最も便利です。

今回紹介したアジャンター石窟群はアウランガーバードからバスで片道3時間(往復すると6時間)ですので、丸一日はその観光に必要です。

なお、インドの旅に必ず必要な観光ビザですが、玄関口のムンバイの空港で取得できるものの、英語でのインタビュー(どこに行くのか、どのホテルに泊まるのかなど)の順番待ちにかなり時間がかかり、職員が手続きに慣れていない場合などはさらに時間を要します(最終的に筆者の場合3時間近くもビザ発給のため空港内で待たされました)。事前に日本でビザを取得しておいたほうが無難といえるでしょう。

ではお気をつけていってらっしゃいませ〜

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/04/24 訪問

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