まずは観光拠点ギョレメから約30km北東にあるバイラムハジュ(Bayramhacı)村を目指しましょう。タクシーで直接アクセスしても良いのですが、道中に広がる果てしなく壮大な景色は、日本ではなかなか体験できませんから、レンタルバイクを借りてツーリングするのも旅の良い想い出になるかと思います。
バイラムハジュ村は静かな湖畔に佇む鄙びた集落です。観光ルートから外れているため、ギョレメやウルギャップといった観光拠点のように外国人擦れしておらず、トルコの田舎らしい長閑で牧歌的な情景を目にすることができます。
バイラムハジュ温泉は集落を抜けた先の小高い丘の上に位置する一軒宿です。宿泊施設ですが入浴のみの利用も可能で、日帰り入浴料金は一人10リラです。敷地内にある入浴施設は、露天の大きな温泉プールと内湯の二つ。いずれも入浴の際には水着の着用が必須ですから、プールサイドにある更衣用個室を利用しましょう。
露天のプールには、本物の天然温泉が掛け流されています。プールは槽内で大小に分割されており、大きな槽はかなりぬるくて遊泳向き。一方、小さな槽には湯口があり、しっかり温かいので、露天風呂のような感覚で湯浴みすることができます。
このバイラムハジュ温泉で特筆すべきは、目下で静かに水を湛える湖と、果てしなく広がるトルコの大地を一望する大パノラマでしょう。世界屈指の温泉大国であるトルコには、各地に温泉浴場がたくさんあるのですが、宗教上の事情などで、たとえ露天風呂であっても周囲を高い塀で囲まれている場合が多く、こちらのように外部に対して視界が遮るものが無い開放的な露天風呂は、極めて珍しい存在です。
湖岸の高台という絶好のロケーションで、掛け流しの温泉に入れるのですから、温泉をこよなく愛する日本人なら、誰しもその魅力に感動するはず。お湯はぬるめですから、じっくり長湯できます。静かな環境と絶景に抱かれながら、のんびりと旅の疲れを癒してください。
建物の下には内湯も設けられていますので、天候が芳しくない時にはこちらで湯浴みすることも可能です。内湯も露天に負けず劣らずの大きさがあり、温泉がふんだんに掛け流されています。浴槽の縁には、温泉に含まれる石灰がベージュ色を帯びながらデコボコにこびりついており、温泉の濃さがビジュアル的に伝わってきます。
鄙びた田舎の温泉だからと言って侮るなかれ、浴室内はトルコの伝統的な公衆浴場であるハマムのスタイルを採り入れており、別料金で垢すりやマッサージなどのサービスを受けることも可能です。なお、浴槽の深さは日本のお風呂よりはるかに深く、1.5mほどありますので、入浴時には手摺につかまりながら慎重に入りましょう。
カッパドキア周辺には他にも、ウフララ渓谷付近のズィガ温泉などいくつかの温泉宿がありますが、いずれも観光拠点となる街からかなり離れているため、旅程に余裕が無いと立ち寄って入浴するのは難しいかと思われます。
しかし、今回紹介したバイラムハジュ温泉は、タクシーを使ってもギョレメから片道30分程でアクセスできますから、現地催行ツアーとして主流なレッドツアーやグリーンツアーなどの解散後などに、時間的な余裕があれば、ガイドブックには載っていないこの温泉で疲れを癒やし、ひと味違ったトルコの旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。なお水着着用が必須ですので、水着やタオルは忘れずに持参してくださいね。
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(2024/9/18更新)
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