写真:吉川 なお
地図を見る釜山北部の金井山麓に位置する東莱温泉は、新羅時代の王も訪れたという由緒ある温泉地です。白い鶴が足の怪我を温泉水で治して飛び立ったという「白鶴伝説」の伝承や「三国遺事」という古い史書にもその名が記されていることから、古来より湯治を行う温泉地として栄えていたことがうかがえます。
温泉村として発展を遂げたのは18世紀後半のことで、日本統治時代に鉄道が開通してさらに近代的に整備され、今日では韓国でも指折りの温泉街となっています。
地下鉄1号線の温泉場駅周辺には、ホテルや旅館、公衆浴場などが点在し、その中心に『ホテル農心』があります。1960年に「東莱観光ホテル」としてオープンし、2002年8月に『ホテル農心』にリニューアルされた老舗ホテルで、歴代大統領も宿泊する東莱エリア唯一の特級ホテルです。
写真:吉川 なお
地図を見る客室は全部で240室、2013年にさらにモダンに改装され、あたたかみを感じる内装が居心地のよさを演出しています。
そしてこれぞ温泉地の恩恵!客室には温泉水が供給されているんです。好きなときに好きなだけ、お部屋でも天然温泉が楽しめる。これは宿泊者には嬉しい特権です。
フロントは日本語も通じるので、言葉の心配もなく快適に滞在できます。
写真:吉川 なお
地図を見る『ホテル農心』のチェックインタイムは午後2時。その前に趣きある韓国式家屋での昼食はいかがでしょう。
ホテルの近代的な建物の前にそっとたたずむ瓦葺きの建物は、ホテルが経営する韓国料理店「内堂」。まずその風情ある建物に目を奪われます。中庭に池がある重厚な木造りの建物からは高級感が漂い、伝統模様が刻まれた格子や板葺きの縁側などから韓屋の普遍の美と趣きが感じられます。
木床にテーブルが置かれた室内では、地産地消の食材を使った韓国の伝統料理の数々が味わえます。その上品な味と美しい盛り付けは目と口を潤し、至福の時間を与えてくれます。
「内堂」の営業時間はランチが午後12時〜3時、ディナーは午後5時30分〜10時まで。あらかじめ予約をして行かれたほうがいいでしょう。テーブル席の他にオンドル部屋もあります。
静かで落ち着いた雰囲気の中で味わう本格韓国定食、本場ならではの体験です。
写真:吉川 なお
地図を見るお腹がいっぱいになったら、次のお楽しみは温泉です。『ホテル農心』には観光客のみならず地元の人たちにも人気の「虚心庁」という温泉施設があります。5階建のドーム状の建物で、受付は4階。ホテル直営なので、宿泊者は2階の連絡通路から何も持たずに移動できます。
その広さは約1,300坪(4,300平方m)、男女合わせて3,000人が同時に入場できるというスケールの大きさで、ガラス張りの天井から太陽の光が差し込んで、とても開放的な雰囲気です。
そして驚くのはその浴槽の多さ。長寿の湯、ヒノキ風呂、洞窟の湯、打たせ湯、半身浴湯、寝湯、塩湯、露天風呂など温度が異なるさまざまな効能の浴槽があり、季節によって緑茶、 ジャスミン、ペパーミントなどの天然入浴制と漢方薬剤を調合したイベント浴槽も運営されています。遠赤外線サウナやよもぎ蒸しコーナーなどもあります。
東莱の湯は無色無臭のアルカリ性弱食塩泉。国内最大のマグネシウムを含有し、45℃〜61℃の高い水温が特徴です。数百年経っても枯渇しないという豊富な水量と良質の温泉水を保有し、疲労回復、リューマチ、神経痛、創傷、腰痛、筋肉痛、けがの後遺症、冷え症、胃腸病、婦人病などに効能があります。虚心庁では100%自社開発の気孔から汲み上げた天然温泉水だけを供給しているそうです。
温泉でゆったりした後は、館内着を借りて男女一緒に滞在が可能な5階のチムチルバンスペースへ。京畿道利川の黄土で作られた黄土ルームやラベンダーの香り漂うアロマテラピールーム、珍しい宝石で装飾された宝石ルームや炭化した白炭を使用する堅炭サウナルームなどがあり、気分と体調で選択することができます。ほてった身体はアイスルームで回復。広がった毛穴とたるんだ肌をひきしめ、疲れた肌の弾力を保ちます。
同じ階には広い休憩スペースやフードコーナーもあり、1日中飽きずに滞在できます。
いかがでしたか。日本に一番近い国でありながら、さまざまな異なった文化風習を持つ韓国。『ホテル農心』に滞在すると、手軽にそして身軽に、韓国の伝統料理と温泉文化に触れることができます。
東莱は韓国風お好み焼き、東莱パジョン発祥の地でもあるので、それをご賞味いただくのもいいでしょう。
あなたも『ホテル農心』に滞在して、まったりほっこりしてみませんか。
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(2024/9/16更新)
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