写真:乾口 達司
地図を見る国営平城宮跡歴史公園としての整備が続けられている「平城宮跡(へいじょうきゅうせき)」は、奈良時代、天皇の住まいである内裏や役人の働く官庁などから構成されていた、いわば、平城京の心臓部。「古都奈良の文化財」を構成する一つとして、現在は世界遺産にも登録されています。
その敷地は東西1.3キロメートル、南北1キロメートル、面積120ヘクタールにおよび、現在、園内にはたくさんの桜が植えられています。
写真:乾口 達司
地図を見るしたがって、春になると、大勢のお花見客で賑わいますが、園内が広大であるため、決して混雑するようなことはありません。
特定の施設をのぞけば、どこにシートを敷いても構いませんし、もちろん、飲食も可能。あたたかな春の日差しを浴びながら、満開の桜の木の下でお弁当を広げてみませんか?
もちろん、飲食で出たゴミは各自でお持ち帰りください。
写真:乾口 達司
地図を見る園内には散策路も設けられています。桜の多くは散策路に沿って植えられているため、園内をのんびり散策するのもよいでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る平城宮跡を散策すると、地面に規則的に埋め込まれた、大きな石の並びを各所で目にします。点々と続くこの石、いったい何だと思いますか?実はこれ、平城宮の建物を下から支えていた礎石を復原したものなのです。
その向こうには桜並木が続いていますが、礎石と桜という組み合わせもなかなかお目にかかれないはず。平城宮の歴史をしのぶきっかけともなるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る東望楼跡でも、お花見を楽しんでいる人たちが見られます。桜の後方には築地塀も見えますが、築地塀の内部にはかつて宮内省が置かれていたと推定されています。
復原された建物が立ち並ぶ一画は一般にも開放されているため、お花見ついでに敷地内をのぞいてみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るとりわけ、奈良時代の王宮を復原した施設と桜とが共存する光景は、平城宮跡ならではのものといえるでしょう。
桜の向こうに見える巨大な建造物は、第一次大極殿を復原したもの。大極殿では、天皇の即位式などの国家行事がとりおこなわれました。
写真:乾口 達司
地図を見る第一次大極殿の手前に見える基壇は、第二次大極殿の遺構。
740年の藤原広嗣の乱の勃発以降、都は恭仁京などを点々としましたが、第二次大極殿は、745年、都がふたたび平城京へと戻ってから使われるようになりました。
写真:乾口 達司
地図を見る平城宮跡の南端には、1998年(平成10)に復原された「朱雀門(すざくもん)」が立っています。朱雀門は平城宮の正面玄関というべき重要な門であり、ここから南へと長大な朱雀大路がのびていました。
写真:乾口 達司
地図を見る朱雀門の付近には、平城宮跡についてのガイダンス棟としての役割をになう「平城宮いざない館」などの施設が点在しています。
写真は平城宮いざない館の東側の池に沿って植えられた桜並木です。
写真:乾口 達司
地図を見る広大な敷地を有する平城宮跡からは、奈良ならではの風景が望めます。
写真は第二次大極殿から東に目を向けた一枚。遠くに見える大きな屋根は、平城宮跡と同じく世界遺産に登録されている東大寺大仏殿の屋根。大仏殿の背後に控えているのは、毎年1月に「山焼き」のおこなわれる若草山です。
桜と奈良ならではの風景をあわせてお楽しみください。
写真:乾口 達司
地図を見る平城宮跡の中央を南北に走る「みやと通り」では、車窓からも桜並木を眺めることができます。ただし、運転をなさる方は絶対によそ見をしないようにご注意ください。
平城宮跡の桜がいかに美しく、歴史を感じさせるか、おわかりになったでしょうか。広大な敷地を持つ春の平城宮跡を訪れ、桜を愛でながら、のんびりした一日をお過ごしください。
※例年の見頃は3月末頃から4月上旬にかけてです。
住所:奈良県奈良市佐紀町
アクセス:近鉄「大和西大寺駅」より徒歩約10分
2025年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
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