天空のお花畑でハイキングを楽しもう〜乗鞍山頂・畳平

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天空のお花畑でハイキングを楽しもう〜乗鞍山頂・畳平

天空のお花畑でハイキングを楽しもう〜乗鞍山頂・畳平

更新日:2013/03/13 15:28

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家

北アルプス(飛騨山脈)の南部にそびえる乗鞍岳。
山頂付近には、畳平(ただみだいら)と呼ばれる平坦な窪地があり、夏には白い小さな花をつけるハクサンイチゲを見ることができます。
植生の限界線を越える標高2702メートルで、短い夏を精一杯に生きようとする可憐な花をお届けしたいと思います。

不思議で可憐なハクサンイチゲ

不思議で可憐なハクサンイチゲ

写真:沢木 慎太郎

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ハクサンイチゲは、スイセンの花を小さくしたような白い花で、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。高山植物といえば、ハクサンイチゲといわれるくらいに代表的な花として知られています。

ちなみに日本の各地に変種や近縁種があり、東北や北海道にはエゾハクサンイチゲ、四国の高い山にはシコクイチゲもあり、花びらの数が地域によって違うらしく、それぞれの土地によって愛らしい中にも違う表情を見せる不思議な花です。

そのハクサンイチゲの群生が見られるのは、乗鞍岳の山頂付近にある畳平。
畳平のバスターミナルから階段を降りると、周囲の山に囲まれた窪みがあり、高山植物のお花畑が広がっています。

お花畑を取り囲んで伸びてゆく木道

お花畑を取り囲んで伸びてゆく木道

写真:沢木 慎太郎

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畳平がある乗鞍岳は、剣ヶ峰を主峰とする山々の総称で、朝日岳や摩利支天岳、富士見岳、屏風岳など23の山々からなります。標高2700m付近の畳平駐車場まで自動車道が通じているため、“日本で最も登りやすい3000m超級の山”とも称されています。
本格的な山登りをしなくても気軽に訪れることができるので、畳平では小さな子どもを連れた家族連れや、ご年配のご夫婦の方たちがハイキングを楽しんでいる姿をたくさん見かけます。

畳平では、お花畑をぐるりと囲むように木道の歩道が整備されています。木道は平坦で、30分もあれば十分に一周することができます。
私は7月中旬に畳平を訪れましたが、盆地の飛騨高山では気温が30度を越えていたのに、畳平では8度という涼しさ。とても快適に過ごすことができます。木道に沿って大きな岩が転がっているのですが、岩の上に座って、お弁当を食べている人たちもいました。こんな広々とした高原でお弁当を食べるのは、とても心地よいですね。

はかなく、けなげな高山植物

はかなく、けなげな高山植物

写真:沢木 慎太郎

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畳平の木道を歩いていると、ハクサンイチゲの可憐な花に混じって、クロユリが咲いているのを見つけました。クロユリはユリ科バイモ属の高山植物で、多年草です。
千島列島やサハリン、北アメリカなどにも分布しているそうです。
暗い紫色で釣鐘の形をした花が、うつむきがちに咲いている姿が印象に残ります。

高山植物は花を咲かせるのに、早いもので5年、遅いものだと20年近くもかかるそうです。厳しい気候に耐えて、わずかに生き残ったものだけが、花を咲かせることができるのです。
しかし、ようやく咲いても、花を咲かせる期間はごく限られています。もし、踏まれたり折られたりすると、ほとんどが枯れてしまいます。ですので木道以外の歩行は禁止されています。

ハクサンイチゲが、ふわふわと風に揺れている姿を見ていると、なぜ、わざわざ、環境の厳しい高山に咲いているのだろうかと思います。
植物たちの生存競争から逃れるために、高いところを目指していったのかもしれません。
雪で凍り着いた地面の下に眠り続け、ひっそりと息をして、今ようやくこうして花を咲かせることができたのです。

北アルプス連峰を臨むスカイライン

北アルプス連峰を臨むスカイライン

写真:沢木 慎太郎

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お花畑がある畳平へは、自然環境を保護するため、マイカー規制が行われています。岐阜県側には、『ほおのき木平』と『平湯』の2カ所のバスターミナルがあり、ここからシャトルバスに乗り換えて乗鞍岳に向かうことができます。
長野県側からだと、乗鞍高原の乗鞍観光センター付近で乗り換えることが可能です。

終点の乗鞍山頂の畳平は、富士山の五合目よりも高く、日本国内の自動車道で最高地となっています。鮮やかなグリーンの山並に沿って、白いスカイラインが右へ左へとゆるやかにカーブしながら延びてゆきます。

森林の限界線を越えるため高い木がなくなり、ハイマツなどの低木をシャトルバスの窓から眺めることができます。
また、槍ヶ岳や穂高岳を中心に広がる北アルプス連峰の雄大な姿が車窓に広がり、ゆったりとした気持ちになれます。

【シャトルバスの料金情報】
■乗鞍高原観光センター前〜畳平:2400円(往復料金)
■平湯バスターミナル〜畳平:2200円(往復料金)
■ほうのき平駐車場〜畳平:2200円(往復料金)

空の青さを映し出す畳平の鶴ケ池

空の青さを映し出す畳平の鶴ケ池

写真:沢木 慎太郎

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畳平バスターミナルの近くには鶴ケ池があります。池は空の青さを映し、澄んだ水をたたえています。畳平には乗鞍神社本宮や宿泊施設のほか、郵便局やレストランなどがあります。
宿泊施設の裏には、8月なのに雪が溶けずに残っています。畳平の平均気温は12度前後で、夏でも20度を越えるような日は、めったにないということです。

3026mの剣ヶ峰へは畳平から約1時間30分の登り坂となっています。坂道はゆるやかですが、空気が薄いため、すぐに息切れがするのでご注意を。ゆっくり呼吸をして、急に走ったりしないようにしましょう。
また、天気が変わりやすく、気温が低いため、雨具や長そでのシャツなどがあると便利だと思います。

畳平でのハクサンイチゲの見ごろは7月中旬から8月上旬です。
この夏、可憐な高山植物に会いに行きませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/07/16 訪問

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