大覚寺は、平安のはじめ、嵯峨天皇の離宮として建立されて以来1200年の歴史があり、京都嵯峨野の北端に位置する広大な敷地を持つお寺です。訪れる観光客は渡月橋の混雑に比べるとそう多くありません。そのぶん、のんびりと嵯峨野の雰囲気を満喫できます。でも、この華道祭の日は、大勢の方が訪れます。
大覚寺は「いけばな嵯峨御流」の総司所で、この日の華道祭は嵯峨御流最大の祭典です。重要文化財の宸殿(しんでん)、正寝殿(しょうしんでん)などに大きないけばなが飾られて、重要文化財の襖絵などと一緒に見学者を楽しませてくれます。大きな会場なので、飾られるいけばなも大きく、見る人を驚かせるほどの大作ぞろいです。
建物の中だけではなく、年によっては広い境内至る所にいけばなが飾られ、回廊を巡りながら襖絵や仏像、境内の広い砂庭、龍頭鷁首舟の浮かぶ大沢の池などを見ると、さながら美術館を訪れている気分になります。
毎年この時期、御影堂(みえどう)前庭に作られた勅使門(ちょくしもん)横のしだれ桜が見事に満開を迎えます。この日は普段は入れない白砂の敷き詰められた庭に下りることができて、勅使門の近くまで行ってしだれ桜を目の前で見ることができます。
時期的には華道祭の期間より少し(一・二週間ほど)早い時期に満開を迎えますが、境内の東に位置する周囲約1Kmの日本最古の人工の林泉である大沢の池の周囲に乱れ咲く桜がまた見事です。
林泉とは林や泉水を配して造られた庭園のことで、大沢の池は中国の洞庭湖を模して造られました。運が良いと、華道祭の日でもまだ見ることができる年もあります。
大覚寺へは、京都市内や嵐山渡月橋からバスで行くことができますが、嵐山からなら約2Kmほどの距離なので歩いて行っても30分程度です。途中少し寄り道をして、落柿舎、常寂光寺、嵯峨釈迦堂(清凉寺)などの見学、拝観ができます。
ここ大覚寺は、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色が楽しめます。また年間を通じて、この華道祭をはじめ、嵯峨の送り火と呼ばれる宵弘法、満月を愛でる観月の夕べ、境内が菊で飾られる嵯峨菊展、節分の日の節分会(星まつり)などいろいろな行事が行われています。嵯峨野に来られた際には是非一度足をのばして訪問してください。
平成27年の華道祭は、4月10日(金)〜4月12日(日) 午前10時〜午後4時(最終日午後3時終了)に行われます。
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(2023/12/6更新)
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