まさに桃源郷!桜の時期だけ一般公開される京都「原谷苑」

まさに桃源郷!桜の時期だけ一般公開される京都「原谷苑」

更新日:2016/03/07 10:50

毎年2週間ほど一般公開される京都の洛西にある「原谷苑」は、個人の庭なので、ガイドブックなどにはあまり掲載されていません。でも、4千坪の庭には桜の木がぎっしり・・・。自然に植えられているので、野生の桜の森に迷い込んだような気分が味わえます。知る人ぞ知る穴場の桜の苑。しだれ桜ファンには特におすすめです。

枝垂れ桜が満開になる4月中旬が見頃!

枝垂れ桜が満開になる4月中旬が見頃!
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原谷苑内に一歩足を踏み入れると・・・。そこは桜のシャワーです! 数百本あるしだれ桜が小道の両側から降り注ぎ、桜の鋭気に包まれます。その合間を白い雪柳や黄色のレンギョウ、ツツジやシャクナゲが埋め尽くし、それはもう、圧倒されるような美しさです。歩きながら、ベンチに座りながら、束の間現実を忘れ、桃源郷に居るような気分に。

たくさんあるしだれ桜の中でも「紅しだれ桜」が満開になる4月中旬がピーク。吉野桜から始まり、彼岸しだれ桜、薄墨桜、そして紅しだれ桜へと見頃が移り変わり、背丈の低い御室桜へと出番が移り変わります。何度も通いたくなるのが「原谷苑」の魅力。リピーターも多いのです。

桜への愛情を感じる、個人が開いた自然の苑

桜への愛情を感じる、個人が開いた自然の苑
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「原谷苑」は、京都中にある日本庭園のような、庭作りのルールに従って作られた庭ではありません。京都の洛北、鷹峯で山林業を営んでいた高畑家の二代目、花好きの常太郎氏が、原谷を開拓した人から土地を譲り受けた農園が始まりです。満州から引き揚げて来た人々が荒地を開墾して農業を営んでいたそうですが、思うようにならなかったそうです。

その地に好きな花を植えて常太郎氏が楽しむようになった昭和の終わりに桜の美しさが評判になり、見頃の時期だけ一般公開されるようになりました。好きな桜を少しずつ植えて庭を育てていった。贅沢な趣味が現在の「原谷苑」の伸び伸びと枝を伸ばし、イキイキと咲く桜の基礎になったのです。苑内では、奔放に育ったダイナミックな桜を感じることできます。

原谷苑へは送迎バスがおすすめ! 仁和寺の御室桜と合わせて楽しんで

原谷苑へは送迎バスがおすすめ! 仁和寺の御室桜と合わせて楽しんで
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原谷苑に駐車場がありません。京都市内から市バスあるいはタクシーを使います。金閣寺付近と原谷苑を結ぶ送迎バスもおすすめです。鷹峯からハイキングがてら歩いて行く人もいます。入苑料金は、大人1200円(2014年)。苑内には食事処もあります。お弁当などの持ち込みは禁止です。

たくさんの種類の桜を楽しめるので、できればゆっくり時間をかけて過ごしてみたいもの。ピーク時の日中は混みますので、比較的人の少ない開苑直後が狙い目です。仁和寺の御室桜や金閣寺と合わせて楽しまれるといいですね。

可愛いボケの花もあり。苗木も購入できます

可愛いボケの花もあり。苗木も購入できます
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むせぶような桜たちに包まれながら歩く苑内の小道では、ボケの花やツツジ、シャクヤク、レンギョウ、雪柳が隙間を惜しむような植えられています。本当の庭好き、桜好きが作った庭、そんな思いが伝わってきます。木々の1本1本に愛着を持って植え、育て上げられた原谷苑。始めから人を呼ぶことを目的に造られた庭にはない自然な美しさと、自然のあふれるエネルギーがあります。桜のパワースポット、といってもいいかもしれません。

ちなみに桜には、恐れ、悩み、怒り、憎しみといったネガティブな感情を取り除く効果があるそうです。ホルモンのバランスを整える働きも。女性を美しくしてくれる花でもあります。春の一日、たっぷり桜のシャワーを浴びてリラックス、そしてリフレッシュするのに「原谷苑」は絶好の場所。穴場です!

桜が人を呼ぶ、開拓の地へ

満蒙開拓団の人々が土地を耕して開墾した原谷の里。人の住めなかった山間の原野を切り拓いた地の一部が現在は桜の名所として、春の一時期たくさんの人が通う地に。樹齢60年の桜は、そんな歴史を刻んでもいます。でも、とにかく原谷苑の自然な姿はすごい!整然とした庭にはない荒々しさが格別です。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/10 訪問

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