写真:Mayumi T
地図を見る鶴仙渓(かくせんけい)は、石川県金沢市から約40km程離れた場所に位置する北陸有数の温泉地、加賀温泉郷(粟津(あわづ)温泉、片山津(かたやまづ)温泉、山代温泉、山中温泉)の一つ、加賀市山中温泉(旧江沼郡山中町)に位置する渓谷(けいこく)です。
この地には豊かな自然、また大切に守り続けて来た伝統文化があります。そして有名な「おくのほそ道」という紀行文でも知られている俳人松尾芭蕉も訪れており、この土地の景観を気に入って、八泊九日もの滞在をしたといわれています。
※「おくのほそ道」・・・松尾芭蕉が弟子を伴い、元禄2年3月27日(1689年5月16日)に、江戸から東北、北陸を渡って、岐阜の大垣までを巡った内容が記された紀行文です。
※(画像は春の季節のものです)
写真:Mayumi T
地図を見るこの渓谷付近には三つの橋があることでも知られています。
こおろぎ橋・・・鶴仙渓の一番上流の方に架かっている橋で、総檜造り。山中温泉の象徴的な存在で、よく旅行のガイドブックにも掲載される橋。
あやとりはし・・・こおろぎ橋より約800m程、下流に位置する橋。華道草月流家元の勅使河原宏氏がデザインした橋として知られており、うねったような形と鮮やかな赤紫の色が特徴の橋。
黒谷橋(くろたにばし)・・・あやとりはしから更に約500m程下流の橋。大正時代を思わせるようなレトロな感じが特徴。欄干と現柱には、御影石が使われています。松尾芭蕉が景色を楽しむために、渡ったことでも知られています。
鶴仙渓は、この三つの橋の「こおろぎ橋」から「黒谷橋」にかけての約1.3km程に渡る区間のことを指します。砂岩の侵食による多くの奇岩もみられます。
※(画像は夏の季節のもので、「あやとりはし」付近の風景です)
写真:Mayumi T
地図を見る鶴仙渓は、どの季節に訪れても美しい風景を眺めることができます。
付近には遊歩道もあって、四季折々の自然を満喫しながらのんびりと歩いて景観を楽しむことができます。松尾芭蕉の句碑も点在していて、付近には木々が多く、見どころもたっぷりあります。特に紅葉の季節は美しい景色がみられるとあって、観光を目的とする人々が非常に多くなります。
温泉が目的で来られた人が、ぶらりとこの遊歩道を散策している姿もみられますよ。
遊歩道付近には、古民家を改装した「東山ボヌール」という佇まいの良いカフェもありますので、散策の折に風景を眺めながら、ゆったりとくつろぐこともできます。
写真:Mayumi T
地図を見る鶴仙渓に架かる「黒谷橋」から遊歩道に入ると、ひっそりと佇む「芭蕉堂」があります。ここには、俳聖芭蕉が祀られています。
明治43年10月に、芭蕉をしたう俳人たちによって創建されました。この芭蕉堂の前面付近には九谷焼の陶板があり、「旅の疲れをとった芭蕉は、この地を散策し、この川の黒谷橋は絶景の地なり 行脚の楽しみここにあり、と絶賛しました」などと記されています。また黒谷橋の欄干にも同じように記された陶板がはめ込まれています。
芭蕉が本当にこの地を愛した、ということがこの場所からも感じとることができます。
写真:Mayumi T
地図を見るあやとりはしから近い不動滝そばの遊歩道沿いに、期間限定で「川床」が設営されます。毎年、春にOPENし、季節の移り変わりや澄んだ川の流れ、鳥のさえずりなど自然を思う存分楽しむことができます。
またメディアでも知られる「和の鉄人」道場六三郎氏は、この山中温泉の出身で、「川床」では道場氏が考案したレシピ「川床ロール」や「冷製抹茶しるこ」を味わうことができます。
「川床セット」
大人600円、小学生500円
※スイーツと席料(加賀棒茶付き)
スイーツは「川床ロール」か「冷製抹茶しるこ」のどちらかが選べます。席料のみの場合は大人300円、小学生200円(加賀棒茶付き)です。
山中温泉の旅館組合加盟旅館に宿泊される方は、席料100円引。席の予約や時間制限はなし。食べ物、飲み物の持ち込み可。アルコール不可。雨天、河川増水時は中止になります。
また宿泊される旅館や町の飲食店などにお弁当を予約、テイクアウトをして、川床やお好きな場所で食べることもできます。予約しなければいけない日程やメニューが、各旅館や飲食店によってバラバラなので、下記「MEMO」からあらかじめご確認を。
期間:例年4/1〜10/31
時間:9:30〜16:00
場所:あやとりはし、不動滝前
鶴仙渓を含め山中温泉界隈は、他に「ゆげ街道」、山中漆器や九谷焼などのギャラリー、食事処、カフェ、また「総湯 菊の湯」「芭蕉の館」などもありますので、のんびりと散策しながら色々と楽しめるスポットが数多くあります。
山中温泉街を回遊している「お散歩号」という、温泉街を一周約40分程、一日10周する周遊バスもありますので、お手軽な足代わりになってくれますよ。
首都圏からも近くなった石川。是非、訪れてみてはいかがでしょうか。
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(2024/12/14更新)
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