写真:藤田 聡
地図を見る奥湯河原温泉「加満田」は戦前の創業で、昭和22年に編集者でもあった小説家の宇野千代が、文芸評論家の小林秀雄を日本で初めて缶詰にした事で知られます。他にも多くの文人墨客や政財界の大物に愛され、小説家・水上勉は一年の半分を加満田で執筆しました。
由緒正しい老舗旅館である上に、外観は石垣の風格が圧倒的で、近寄り難く感じるかもしれません。しかし、勇気を出して泊まってみれば、文人墨客や財界人に愛され続ける理由が痛い程分かり、気に入ってしまうのです。
写真:藤田 聡
地図を見る奥湯河原温泉「加満田」の客室に一歩足を踏み入れれば、何故この宿が石垣の上にあるのか瞬時に理解出来ます。宿に隣接する道路の向こう側に宿の庭が続いており、石垣で高台になっている事で客室からの視界が道路を飛び越えて、庭全体の眺望が縁側から一体化して見え素晴らしいのです。県道から分岐した道なので車の通行も殆どなく、周辺環境は静寂そのもの。初夏にはホタルも乱舞する、素晴らしい自然環境です。
写真は小説家・水上勉が愛用した客室で、落ち着いた内装も魅力的。内装と眺望の質感の高さに、思わず歓声を上げてしまう程です。ちなみに隣の客室は、缶詰以来常連になった小林秀雄愛用の客室で、一層グレードが高くなっています。
写真:藤田 聡
地図を見る「加満田」は湯河原温泉の老舗高級旅館としては破格値の宿泊料なので、食事は期待出来ないと思ったら大間違い。味が確かなのはもちろん、繊細な盛り付けが猛烈に素晴らしいのです。あまりの素晴らしさに感動し、箸を付けるのが勿体無くて、料理の佇まいをしばらく拝見してしまう程です。
写真:藤田 聡
地図を見る奥湯河原温泉「加満田」には自家源泉が二本あり、全ての浴場が加熱かけ流しで客室の風呂まで温泉です。時間で男女交代する内湯二つの他に、貸切露天風呂が二つあり、空いていれば自由に使えるシステム。チェックイン直後は人気が集中しますが、その後は比較的自由に使えて、温泉三昧出来ます。
貸切露天風呂の片方は、付属の庭を一晩中ライトアップして、夜中でも景色を楽しめるように配慮されています。貸切ですから夫婦やカップル水入らずで、混浴の温泉を思う存分楽しめます。宿名に「四季を彩る源泉の宿」とのサブタイトルが付いている通り、「加満田」の最大の魅力は温泉に他なりません。よって、温泉好きに特におすすめです!
奥湯河原温泉「加満田」に一度泊まれば、宇野千代が小林秀雄を缶詰にした理由が痛い程分かります。実に静かで落ち着いて滞在出来るので、文筆業に集中出来るからです。多くの財界人に愛される理由も同じです。静かで落ち着いて滞在出来るので、心から安らげるのです。誰でも作家や財界人になった気分で、心の底から安らぎを得られる、断然おすすめの老舗旅館が加満田です。
湯河原温泉の周辺観光としては、湯河原梅林とさつきの郷、ほたるの宴もあります。別記事で詳細に紹介しましたので、是非ご覧下さい。(記事最後の「関連MEMO」内にリンクあり)
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(2024/12/14更新)
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