大阪の桜の定番!造幣局の桜の通り抜けは珍しい品種いっぱい

大阪の桜の定番!造幣局の桜の通り抜けは珍しい品種いっぱい

更新日:2017/04/16 16:52

けいたろうのプロフィール写真 けいたろう 旅するグルメライター
大阪で桜の名所と言えば、万博公園、桜ノ宮の川沿いの桜、大阪城公園などですが、何と言っても有名なのは『造幣局の桜の通り抜け』です。しかし、不思議なことに、大阪の人でも造幣局がドコにあって、桜の通り抜けはいつ開催かという情報を、正確に知らない人もかなりいます。そこで今回は、大阪の春の名物である造幣局の桜の通り抜けの、魅力と楽しみ方を紹介したいと思います。

桜の通り抜けの開催時期と造幣局へのアクセス

桜の通り抜けの開催時期と造幣局へのアクセス

写真:けいたろう

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毎年、春ごろに気が付くとニュースで放送されていて、油断すると開催期間があっと言う間に終わっている。そんなイメージの強い造幣局の桜の通り抜けは、桜の見頃が終わり始める4月上旬に開催。2017年(平成29年)の造幣局の桜の通り抜けの開催日は、4月11日(火)〜4月17日(月)までの7日間。開催時刻は、平日は午前10時〜午後9時、土日は午前9時〜午後9時。

桜の通り抜けの開催時期と造幣局へのアクセス

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次にアクセスです。基本的に電車で向かいますが、注意点がいくつかあります。大阪の造幣局は北区の天満にあり、通常時の最寄り駅は造幣局北側の『南森町駅』や『大阪天満宮駅』となっています。しかし、桜の通り抜け期間中は、混雑緩和のため、南門から入って北門へと抜ける一方通行となっていて、北側の駅で降りると、南側まで歩く必要があり遠回りになってしまいます。

そのため、桜の通り抜けの時期はちょっと遠いですが、造幣局南側の『天満橋駅』と『大阪城北詰駅』が実質的な最寄り駅となります。

そもそもなぜ造幣局で桜の通り抜け?

そもそもなぜ造幣局で桜の通り抜け?

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関西で春を告げるニュースといえば、奈良の東大寺二月堂のお水取りで始まり、各地の桜便りを経て、造幣局の桜の通り抜けで終了という一連の流れがあります。桜の通り抜けが終わると、次はゴールデンウィークや初夏の知らせで、春のニュースのシメといった雰囲気。

無料、お金の工場、桜と3つの縁起の良い物が揃っていて、関西で好まれそうな要素が満載の造幣局の桜の通り抜けには、誕生の背景となった次のようなエピソードが残されています。

造幣局が現存する場所は、江戸時代に旧藤堂藩の蔵屋敷が建っていて、藩主の好みで珍しい品種の桜を育てていました。時代は明治になり、今の場所に大蔵省造幣寮が建設される際に、土地と一緒に多くの桜も、大蔵省に引き継がれ、しばらく造幣局役人の目だけに触れられてきました。

そもそもなぜ造幣局で桜の通り抜け?

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しかし、1883年(明治16年)に当時の造幣局長の遠藤謹助氏が、「せっかくの桜、役人だけで花見をしていてはいけない」と一般公開。

そもそもなぜ造幣局で桜の通り抜け?

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結果として多くの人が訪れるスポットとなり、現在まで続く、なにわの春の風物詩となり、日本さくら名所100選にも選ばれました。桜と造幣局の関係性は深く、大阪から桜が植樹された広島支局でも、1991年以降は「花のまわりみち」として一般開放されています。

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その1 御衣黄

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その1 御衣黄

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遠藤謹助局長の太っ腹な発言で始まった造幣局の桜の通り抜けですが、大きな特徴があります。4月中旬という開催時期からも分かるように、造幣局の通り抜けの桜は、一般的なソメイヨシノではありません。旧藤堂藩主の意向に沿ってか、今でも造幣局には珍しい品種の桜が植えられています。

2017年現在、造幣局全体では、350本の桜が植えられていますが、品種の数はなんと134種類。しかも毎年のように新しい品種が追加されているのには驚き。その多くが八重桜ですので、見頃が4月の中旬頃となっています。

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その1 御衣黄

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134種類もある変わり種の品種を少し紹介しましょう。中でも特に珍しいのは、御衣黄(ぎょいこう)と呼ばれている写真の桜。

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その1 御衣黄

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なんと花の色が緑色という、かなりの変わり種です。

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その2 手毬

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その2 手毬

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珍しい品種が集まる大阪造幣局の桜の通り抜けですが、手毬(てまり)と呼ばれる一連のひときわ可愛い品種が特徴的。

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その2 手毬

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手毬は花が球体状に密集し、その名の通り枝に毬がくっ付いているような姿で咲き、まるで花束のよう。

桜の通り抜けの多彩な桜の品種 その2 手毬

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『手毬(てまり)』に加え、『紅手毬(べにてまり)』、『小手毬(こでまり)』、『大手毬(おおてまり)』などが、愛くるしく花を咲かせています。

通な楽しみ方は“今年の花”探し

通な楽しみ方は“今年の花”探し

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造幣局の桜の通り抜けは、珍しい品種が一堂に会していることでも人気がありますが、さらに通の楽しみ方があります。それは、造幣局側が決める“今年の花”を探すという楽しみ方です。

2017年の今年の花は『鬱金(うこん)』。花の色がウコンのように黄色い品種で、7本だけ植えられている品種。7/350ですので、探すのにはかなり骨が折れるはずです。

通な楽しみ方は“今年の花”探し

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毎年のように新しい品種が追加されているとも書きましたが、2017年のニューカマーは、『玖島桜(くしまざくら)』という長崎県玖島城跡発祥の品種で、1本だけ植えられています。

全ての桜の木には、品種の札がルビ付きで付いていますので、根気よく探すときっと見付かります。このように造幣局の桜の品種は、毎年増え続け『養老桜(ようろうざくら)』など、ほかでは滅多に見られない珍しい品種も栽培されています。

ちなみに日本の桜の代表であるソメイヨシノは、敷地内に同じく1本だけ植えられているので、逆に希少価値が上がっています。探してみてはいかがでしょうか。

通な楽しみ方は“今年の花”探し

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また、桜の通り抜けでは、ぼんぼりなどでライトアップしているので、平日の夜に出掛けることも可能です。

桜の通り抜けは平日午前がベター

造幣局の桜の通り抜けは、春になると関西では『造幣局』や『通り抜け』だけで通じるほどお馴染みの行事で、猛烈な人出。もし時間的に可能ならば、平日の午前中のお出かけがオススメ。土日の午後ともなると、あまりの人の多さに今年の花を探す余裕は、ちょっとありません。

またお帰りの際には、来た道を戻るというルートだけではなく、造幣局北側の最寄り駅の『南森町』でまで歩いて帰るというプランが、少しでも人の混雑を回避するコツとなっています。

関西の桜の見納めに、造幣局の桜の通り抜け。いかがですか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/02−2017/04/14 訪問

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