写真:ふるかわ かずみ
地図を見る阿智神社へは主に西参道と東参道がありますが、せっかくなら東参道からをおススメします。東参道はひたすら階段で登りますが、その数約180段・・。でも大丈夫!3段階仕立てになっていて、一息つきながら登れるので自分のペースで無理なく登りましょう。
最初の鳥居をくぐると、まずは88段の「米寿坂」。次に61段の「還暦坂」。そして隋神門をくぐって33段の「厄除坂」を上ると正面に拝殿がお出迎え。登りきると達成感とともに、長寿のご利益にあやかれた感覚になります。
通常神社の造りとしてはまず手前に拝殿があり、その後ろに本殿がありますが、阿智神社の後ろにも、飴色をしたとっても味わい深い、入母屋流造の檜皮葺の本殿があります。
では、ご挨拶の参拝が終わったら境内を散策してみましょう。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る阿智神社のご祭神は宗像三女神。このあたり一帯は16世紀ごろまでは「阿知潟(あちがた)」と呼ばれる海で、そのためこの阿智神社がある鶴形山は独立した島でした。陸になったのは江戸初期になってから。
かつて三韓征伐のため神功皇后がこの付近にさしかかり、暗夜に航路を見失った際、宗像三女神に祈ったところ、三降りの剣が降って航路を照らし難を逃れた・・といういい伝えがあります。そのため明剣宮とか妙見宮と呼ばれていましたが、明治の神仏分離で今の名前になったのだとか。
そしてこの阿智使主(あちのおみ)一族(漢の皇帝、高祖の子孫)が大陸から渡来し、この辺りに住み着くようになったことから、地名や社号は阿智一族からの由来といわれています。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る拝殿で参拝が終わったら、境内をぐるりと一周してみましょう。
まず右手を歩くと本殿裏にいくつかの末社があります。そしてその一角に木々に囲まれたこじんまりとした広場があります。
「日本の国の象徴である太陽並びに伊勢神宮・皇居を遥拝します」との文面が掲げられた、ここは東方遥拝所。
日の丸の国旗にも象徴される太陽は、日出づる国、日の元の国といわれる日本に住むご先祖様たちにとっても、特別な存在として昔から崇め尊ばれてたのでしょう。
この広場に入ると一段と清々しい気に触れる感覚を感じられることと思います。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る本殿裏を西側に向かうと左手にぐるりと石で囲まれた磐境があります。
その垣根の中には鶴石、亀石と呼ばれる磐座も。
※磐座(いわくら):神の依代/磐境(いわさか):石で囲んだ神域
写真は鶴石と呼ばれるほう。あたかも鶴が羽を広げた形に見えることからそう呼ばれており、北側には亀石と呼ばれる同様2個の石があります。
もともと日本古来のこうした磐座や磐境に、大陸文化であった鶴亀石をはじめとする神仙蓬莱思想や陰陽思想といった様式を取り入れられたとも考えられています。
こうした様式は、日本庭園の石組の起源を探る貴重な存在ともいわれていて、貴重な文化財としても注目されてます。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るぐるりと一周まわって最後は右手の絵馬殿でひと休憩しましょう。
高台にあるこの絵馬殿からは街を一望できます。
そして天井を見上げてみてみましょう。
カラフルに装飾された干支の恵方盤がありますが、その干支ひとつひとつよく見ると立体になっています。
よく神社では見かける干支の恵方盤で通常は描かれたものが多いですが、こんな立体仕様はなかなかお目にかかれません。
そのほか、境内には珍しい「筆塚」という、書道で使った古い筆を納める祠もあります。筆への感謝に加え、書道の上達もあわせて祈願できるようです。
また、自動車参道沿いにある斉館の裏手にも陰陽の磐座も見ることができます。お時間があれば散策がてらぜひ。
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この記事を書いたナビゲーター
ふるかわ かずみ
新鮮な発見と新しい体験ができる旅行が好きです。以前は海外旅行も好きでしたが、最近は日本にもたくさん素晴らしい場所があることを再認識。特に神社仏閣、パワスポ、温泉地を巡ることが多く、気づけば年齢と共に自…
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