写真:藤田 聡
地図を見る長い歴史を誇る有馬温泉の宿は、温泉神社の宿坊から始まったので、老舗旅館には「坊」が付きます。「陶泉 御所坊」も、名前自体が老舗旅館である事を表しています。
しかしサービスは近代的で、宿泊者カードを利用すれば、有馬温泉に展開するグループ店舗での割引が受けられますし、系列の有馬玩具博物館も無料で見学出来ます。
またライブラリー兼ラウンジには、おつまみが用意され、ワンドリンク頂けます。
写真:藤田 聡
地図を見る有馬温泉「陶泉 御所坊」の食事は、山家料理と呼ばれます。古めかしい名前ですが、料理は近代的でスタイリッシュ。印象に残る素晴らしい料理です。
某口コミサイトでも、高級宿が多い有馬や城崎を含む兵庫県の旅館で、ベスト10に入る人気と実力を誇ります。
写真:藤田 聡
地図を見る有馬温泉「陶泉 御所坊」を一言で説明すれば、谷崎潤一郎の随筆「陰影礼賛」の精神を受け継ぐ宿。実際、谷崎潤一郎ゆかりの宿でもあります。
写真は谷崎潤一郎をテーマにしたデラックス客室の洋室部分ですが、この部屋に限らず、スーペリア客室でも、モデレート客室でも、それぞれのクラスに応じて、適度にほの暗く、大樹の木陰に居るような安心感に包まれ、本当に癒やされる客室です。
内装は美術家の手によるもので、コンセントの金具や、洗面所のタイルの色まで、客室の隅々まで美意識が行き渡っています。
デラックス客室は、宿泊棟の年季に合わせて、家具やファブリックまでアンティークが用いられており、谷崎潤一郎の初版本や色紙も飾られ、重厚な雰囲気です。
出来れば、いきなりデラックス客室に泊まるのではなく、最初はスーペリア客室に泊まって、二回目にデラックス客室に泊まると、この宿が考えるクラスの違いの考え方が良く分かり、おすすめです。
写真:藤田 聡
地図を見る有馬温泉「陶泉 御所坊」の最上級客室はデラックスですが、実は世界的な著名人が来日した際に滞在するのが、離れの茶室付き湯殿「偲豊庵(しほうあん)」。
通常は、デラックス客室専用の貸切風呂として機能します。
温泉ではありませんが照明が落とされ、ローソクしか無かった時代を彷彿とさせる、まさに「陰影礼賛」を体現した建築です。
他では味わえない雰囲気は、御所坊最大の想い出になるに違いありません。
有馬温泉を源泉かけ流しで利用する「陶泉 御所坊」の浴室は、当然素晴らしいものです。平日なら日帰り入浴も可能なので、温泉の良さを確認したい方には、おすすめです。
また食事処としても有名で、早目にチェックインすると、昼食利用者で大混雑の食堂の一角で、お茶とお茶菓子を頂き、その人気の高さに驚きます。
しかし、陶泉 御所坊の素晴らしさは陰影礼賛の客室にあるので、泊まらない限り本当の素晴らしさは分かりませんが、一度泊まれば確実に分かります。
言葉では説明が難しい「陶泉 御所坊」の素晴らしさを、私は体型に合ったスーツに例えて説明します。自分の体型に合ったスーツの着心地の良さは、それを着た人だけに分かるのです。
「陶泉 御所坊」の良さも泊まった人だけに分かり、一度泊まれば、もっと早く泊まれば良かったと後悔する程に素晴らしいのです。
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この記事を書いたナビゲーター
藤田 聡
「源泉かけ流し」にこだわる、泉質重視の温泉研究家。温泉旅行検定試験2年連続日本一で、温泉旅行博士の称号を獲得。日々、温泉や周辺観光地の取材・撮影を行い、国内旅行の奥深い魅力を各種メディアで発信中!温泉…
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