写真:塚本 隆司
地図を見る築城当時の様式を、ほぼ完全に残している姫路城。平成の修理を終えた後、白く壮麗な姿が注目を浴びている。内部は、案内板や城内展示物を極力排除。築城当時の姿に近づけることで建築構造や機能が見やすく、城めぐりファンを喜ばせている。
ただ、天守内部は展示物が陳列されているものと思っている人には、物足りなく感じてしまうようだ。
そこで注目して欲しいのがAR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった技術を使ったアプリケーション(以下、アプリ)「姫路城大発見アプリ」。スマートフォン(以下、スマホ)やタブレットに映し出されるカメラ画像に、コンピュータグラフィック画像などを重ね合わせ、実際には見えないものを映し出す仕組みだ。
利用するには、事前にダウンロード(無料)が必要。ダウンロード方法については、文末の関連MEMO「世界文化遺産国宝姫路城大入実況」を参考にして欲しい。城内は無料Wi-Fiサービスもあるが、通信環境がよい状態で準備しておこう。
写真は「姫路城大発見アプリ」のスポットがある三の丸広場。市民憩いの広場だが、かつては下屋敷や御殿があったところ。アプリを起動したスマホのカメラをARマーカー(案内板のARと書かれたマーク)にかざすと、往時の風景がCGで映し出される。
ここでは、そのまま振り返ると、そこにはない門まで現れる。姫路城に訪れ、最初にくぐる桜門(大手門)は、古いように見えて、実は1938年(昭和13年)に建てられたもの。本当の門の位置や姿が、アプリを利用することでわかるのだ。
「姫路城大発見アプリ」のARマーカーは、城内外に24カ所。アプリ内にマップがあるので、見落とさないようにチェックしておこう。
「姫路城大発見アプリ」での動画解説の一例を紹介しよう。
「はの門」下の坂は、姫路城のなかでもドラマロケ地としておなじみ「将軍坂」。ドラマの時代劇「暴れん坊将軍」のエンディングに使われていたため通称「将軍坂」と呼ばれている。ここにもARマーカーがある。
狭間とよばれる○△□の穴は。攻め寄せてきた敵を鉄砲や弓で狙い討つ場所。想像することしかできなかった光景が動画で見られる。(動画には、音声が含まれています。)
写真:塚本 隆司
地図を見る姫路城内は、数々の伝説が残っているのをご存じだろうか。これも説明板を読むだけではなく紙芝居風に解説してくれるので、子どもたちにも伝わりやすくなった。
伝説のひとつに、播州皿屋敷がある。陰謀に巻き込まれたあげく、井戸に投げ込まれて亡くなったお菊の幽霊が「いちま〜い、にま〜い・・・」と夜な夜な皿を数える怪談話。
上山里(かみのやまさと)曲輪のお菊井戸跡のARスポットでは、「ヒュ〜ドロドロドロ〜」の音とともに、お菊さんが現れる。本来は夜にでる幽霊も、アプリの中では昼間でも現れてくれる。
他には、宮本武蔵の妖怪退治や千姫物語など計5本。小さな子どもでも楽しめる映像になっている。
写真:塚本 隆司
地図を見る博物館のように展示物が並んでいない姫路城天守内部。シンプルに建築物としての機能や美しさを楽しんでもらいたい。城や城下町にまつわる展示が見たい人は、城の北東に兵庫県立歴史博物館にも足を運ぶといいだろう。常設展示が充実しているので、おすすめしたい。
城内は、照明も行灯をイメージしたLED照明にかわり、より往時の風情が感じられる。説明板も最小限に抑えられ、かわりにQRコードを採用。スマホやタブレットが必要だが、これまで以上に充実した内容になっている。英語表記にも対応しているので、海外からの観光客にも喜んでもらえるはずだ。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真は、「姫路城大発見アプリ」の画像をキャプチャしたもの。大柱を中心とした柱組の様子が見られる。肉眼では、決して見られない光景だ。
写真:塚本 隆司
地図を見る姫路西の丸は、徳川家康の孫・千姫が暮らした御殿があった場所。ここも今は長局(百間廊下)だけを残し御殿の姿はない。長局に設置されたARマーカーでは、窓からの風景に御殿があった頃の様子を伝えてくれる。通り過ぎてしまいがちなスポットだが、姫路城の華やかな時を垣間見られるのだ。
天守最上階で楽しめる眺望にも仕掛けがある。殿様が見た風景が、どんなものだったのか、誰もが想像するところだろう。それを実現してくれるのも「姫路城大発見アプリ」だ。全方位がCG化され往時の町並みを見せてくれる。
天守最上階は広いとはいえないため、混雑時は利用しづらいかも知れない。
写真:塚本 隆司
地図を見る写真:塚本 隆司
地図を見る「姫路城大発見アプリ」はスマホやタブレット専用のアプリだが、持っていない人でも見られる場所がある。
姫路城入城口の左手にある姫路城見学資料室だ。入城口の手前なので無料で入れる。アプリの内容はビデオで繰り返し上映されているので、入場前に見ておこう。アプリの利用前にどんな映像が見たい人にもオススメだ。
ここには姫路城の大きな模型もあるので、順路や建物の配置などが確認できる。アプリに関係なく、登城前に立ち寄ることをオススメしたいスポット。
シルバー観光ガイドの申込所にもなっている。有料だが、アプリとは違ったアナログな楽しさや発見があるので、こちらもオススメだ。
「姫路城大発見アプリ」を活用した姫路城の楽しみ方を紹介した。
他にも、鎧を着た武将になれたり、姫路城のキャラクターしろまるひめと一緒に写真が撮れたりと、来城記念の写真を撮る機能もある。
姫路城のオススメスポット紹介や古写真のライブラリもあり、まさにガイドブック。事前にダウンロードして旅の計画を練るのも良し。当日はもちろん現地で取得した動画などは、思い出として残せる優れものだ。
姫路城観光に便利で役立つ「姫路城大発見アプリ」。歩きスマホやバッテリー切れには、ご注意を。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索