写真:渡部 洋一
地図を見るJR仙山線の山寺駅。寺社造りの駅舎を有し、東北の駅百選にも選定されているその駅の改札を出ると、すぐ目の前にある山の上に寺が見えます。
正式名称・宝珠山阿所川院立石寺(ほうじゅさんあそかわいんりっしゃくじ)、通称「山寺」。
貞観2年(860年)、慈覚大師(円仁)によって創建されたと伝わる、天台宗の名刹です。
山の上に建ち、東北の豊かな新緑に囲まれる山寺は、下から見上げても大変絵になります。山に登る前に、まずはその勇姿を下から見上げ、写真に収めておきましょう。
写真:渡部 洋一
地図を見る日本史上最高の俳諧師とも称される、俳聖松尾芭蕉。
全国各地を旅した芭蕉が、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という後世の誰もが知る名句を詠んだのが、ここ山寺であったと伝えられています。有名な紀行文「おくのほそ道」にも芭蕉が山寺を訪れた記録があり、松尾芭蕉ゆかりの地として今も彼を慕う多くのファンがここ山寺を訪れています。
登山口に入り、本堂の前を左に折れるとすぐに、松尾芭蕉と弟子の曽良(そら)の像が旅人を待っています。写真左が芭蕉、右が曽良。ここは確かに、日本の文学史に燦然と輝く傑作が生み出された場所なのです。
写真:渡部 洋一
地図を見る頂上まで1000を超える石段の道は、なかなかハード。自分のペースで休み休み登りましょう。周囲を覆い尽くす美しい新緑の放つマイナスイオンが、疲れを癒してくれます。
道の途中、柔らかな新緑の中にぽつんと赤が見える場所があります。
仁王門の前に立つ、「ノムラモミジ」です。梅雨の前、5月末〜6月に色づく、春紅葉。山寺は圧巻の秋の紅葉の名所としても知られていますが、春の紅葉もまた一見の価値があります。若草色に包まれた風景の中に、紅一点もみじの赤が輝く様は、この時期にしか見られない風景。
新緑の中に見る紅葉の赤は、この時期の山寺観光のハイライトの一つと言えます。
写真:渡部 洋一
地図を見る約1000の石段を登って辿り着いた、山寺の頂上付近。
写真右の建物が、立石寺を開いた慈覚大師を祀る開山堂。堂内には、木造の大師尊像が安置されています。
写真中央の岩の上に立つ小さな建物が納経堂です。山内で最も古い建物で、山形県の指定文化財となっています。
岩々の切り立つ山の上に建つ、山寺。新緑の淡い緑に包まれるその姿は、日本人の心を揺さぶる美しさを持っています。自然の美しさと人工の美しさが見事に調和した風景は、長い階段を登ってきた旅人の疲れを吹き飛ばしてくれるでしょう。
写真:渡部 洋一
地図を見る開山堂のすぐ隣、五大堂から望む風景。
五大明王を祭り天下太平を祈って崖の上に建てられたこの五大堂は、山寺随一の展望台でもあります。山肌からせり出す五大堂から見下ろす景色は、邪魔するもののない絶景です。
眼下には人々の暮らす集落があり、それを東北の山々が囲んでいる光景は、まさに日本の原風景。懐かしい気持ちを掻き立てられます。特に、緑の美しいこの時期の風景は格別。山寺は、梅雨がやってくる前に是非訪れてみたい、歴史と絶景を満喫できる東北を代表する観光名所と言えます。
いかがでしたか?
俳聖松尾芭蕉ゆかりの地として、また新緑の美しい風景を堪能できるスポットとして、山寺の魅力をご紹介しました。風光明媚な山寺は一年中美しい景色を見せてくれますが、優しい緑に包まれる新緑の時期は特におすすめです。気候も登山に適し、この時期にしか見られない春紅葉も観光に色を添えてくれます。
山寺(立石寺)へのアクセス、入場料等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
渡部 洋一
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(2025/1/19更新)
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