播磨の法隆寺・鶴林寺界隈歴史散歩と加古川名物グルメ

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播磨の法隆寺・鶴林寺界隈歴史散歩と加古川名物グルメ

播磨の法隆寺・鶴林寺界隈歴史散歩と加古川名物グルメ

更新日:2015/03/31 14:34

ナツキのプロフィール写真 ナツキ きのこの文化研究家、博物学者

加古川は、兵庫県中南部の中心地。太子信仰を今に伝える名刹・鶴林寺を中心に古い歴史を偲ばせる石造物や寺社がキラ星のようにちりばめられています。B級グルメのレストランや県下最古の味噌の老舗などに立ち寄りながら、のどかに広がる平野部を歩いてみましょう。

法然上人の孫弟子・観智上人開創の龍泉寺

法然上人の孫弟子・観智上人開創の龍泉寺

写真:ナツキ

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浄土宗の龍泉寺はJR加古川駅から東へ徒歩10分ほどのところにあります。この境内の五輪塔は、ここから300mほど西の道沿いにあったもので南北朝時代の康永3(1344)年の銘が刻まれた名品です。
しかし、この寺域の歴史を伝える石造物は、墓地の更に奥の寺僧墓地にあります。寺の許しを得て、ぜひ訪ねてみてください。

写真の山形の頂部の高さ1m余りの阿彌陀仏板碑は、蓮華座に座す阿彌陀仏と男女の供養像が刻まれており、やはり南北朝時代のもの。
右の蓮華座に立つ地蔵は貞治4(1365)年の銘が刻まれています。
そのほか、阿彌陀仏の彫られた高さ70cm余りの板碑の下部に道標の文字のあるもの。
高さ70cm弱の石柱に四方仏と如来像一体が彫られた笠塔婆。
高さ60cm余りの石棺材に阿彌陀、地蔵、供養像を彫ったもの。
・・・などが所狭しと並んでいます。

加古川は「かつめし」の町ってご存知でしたか?

加古川は「かつめし」の町ってご存知でしたか?

写真:ナツキ

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加古川のB級グルメとして名高い「かつめし」は、ご飯の上に叩いて平たくしたビーフカツをのせ、デミグラス・ソースのたれをたっぷりかけて洋皿に盛り、ゆでキャベツを添えてお箸でたべるものです。
近年は牛カツのみならず、トンカツ、チキン、エビフライめし、更にかつめしバーガー、かつめしBAR(串)までがメニューに加えられ、どんどん進化を遂げています。
また、この「かつめし」を全国にPRするために、「かっつん」と「デミーちゃん」という男女のゆるキャラが誕生。平成21年3月には駅前ベルデモール商店街にモニュメントが建てられました。ゆるキャラのぬいぐるみも各種イベントに積極的に貸し出されてPRに一役買っています。

写真は元祖かつめし店「一勝」のオリジナルかつめし(770円)。

聖徳太子ゆかりの播磨の法隆寺・鶴林寺

聖徳太子ゆかりの播磨の法隆寺・鶴林寺

写真:ナツキ

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物部守屋の迫害を避けてこの地に隠棲していた高麗僧・恵便に太子が教えを受け秦河勝に命じて一宇を建立したことにはじまる、と伝えられる鶴林寺は、刀田(とだ)の太子さんと呼ばれ里人に愛されてきました。
中世以降の太子信仰とともに隆盛、多くの寺宝を伝えてきました。
鎌倉・室町期には30以上の寺坊があったと言われる寺域には、現在も主な堂塔だけでも16棟を有する名刹です。
その上、奈良・京都の閉鎖的な寺社とは異なりとても開放的で、おのずと信仰心が培われるような温かい雰囲気が漂っています。

戦国時代には姫路の書写山が焼き討ちに遭いましたが、この寺院は信長側についたため、寺院の建造物や仏像が焼失をまぬがれ、その多くが無傷のままに今日まで伝えられたと言われています。
本堂の両脇には菩提樹と沙羅(夏椿)の木が植えられており、梅雨時には花をつけ馥郁たる芳香を放ちます。

写真は室町時代創建の三重塔。江戸時代に大修理が行なわれ、近年放火で一部損傷を受けましたが、1980年解体復元修理でよみがえりました。

鶴林寺の寺宝と秘仏いろいろ

鶴林寺の寺宝と秘仏いろいろ

写真:ナツキ

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鶴林寺の本堂(室町期)、太子堂(鎌倉期)の伽藍は、いずれも国宝。
そのほか、重要文化財18件、県指定文化財9件、市指定文化財16件があり、総計45件の指定文化財を有し、その数は、加古川市内の指定文化財のほぼ半数近い数に相当します。

本尊は薬師如来で60年に1度ご開帳の秘仏。次回ご開帳は平成69年といわれています。
とりわけこの寺院ならではと思われる仏像は、宝物館のほんのり暗い明りの中でかすかに腰をひねった立ち姿と流麗な天衣、そして慈愛に満ちた表情で思わずほろりとしてしまう金銅・聖観音像で白鳳期の古いもの。
そして、彼岸の3日間だけ公開される太子の遺髪を植え付けたと伝えられる植髪(うえはつ)の太子像。こちらは厨子(ずし)の中から鋭い眼光で見る人を釘づけにします。

この寺のおみやげはさまざまありますが、菩提樹の実の念珠と沈香の香りの線香がおすすめ。

写真は新薬師堂の薬師如来と脇侍の日光、月光菩薩。

戦国時代から続く糀・味噌の老舗

戦国時代から続く糀・味噌の老舗

写真:ナツキ

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鶴林寺からJR加古川駅方面へやや北上したところには、慶長18(1613)年姫路藩主・池田輝政公から同業者の糀製造業取締役を命ぜられて以来、古来からの秘伝の技で花糀づくりを続けてきた(有)高松清太夫味噌老舗があります。
ぜひ立ち寄り、甘味料を一切使用しない白味噌や甘酒などをおみやげにしましょう。

まとめとして

加古川西南部は、おとなりの高砂とともにメジャーの観光スポットからははずれますが、秦河勝と聖徳太子、そして菅原道真の史蹟が方々にあり、渡来系の人たちゆかりの石造物もどっさりころがっており、歴史ファンにはワクワクドキドキすることしきりの土地柄です。
こうした旅は、目的地をつなぐだけの車の旅よりも徒歩で歩き通すことをおすすめします。

鶴林寺界隈にはここで紹介した寺社以外にも備後町の福林寺、粟津の天満宮、尾上町今福の泉福寺。謡曲の舞台となった尾上神社などがひしめきあっています。JR加古川駅を起点に、鶴林寺を終点と定め、ひと筆書きの要領で神社の杜や寺院の森をランドマークに気ままに歩いてみましょう。四季を問わずさまざまな思いがけない発見が疲れを忘れさせてくれます。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/22 訪問

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