東京・渋谷で気軽に富士登山?富士塚がある「鳩森八幡神社」

東京・渋谷で気軽に富士登山?富士塚がある「鳩森八幡神社」

更新日:2015/03/31 14:36

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
世界遺産の富士山に一度は登ってみたいと思いつつ、なかなか叶えられないでいる方にオススメのスポットがある。さらに、たった一分で登ることができるのも忙しい現代人にとって嬉しい。しかも、場所はなんと東京のど真ん中・渋谷区!

鳩森八幡神社「千駄ヶ谷の富士塚」に登ることで、富士山に登るのと同じご利益があると、昔から多くの人々が訪れている。山頂征服し富士登山記念をゲットすれば、輝く明日がくることだろう。

千駄ヶ谷にある「鳩森八幡神社」

千駄ヶ谷にある「鳩森八幡神社」

写真:井伊 たびを

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かつて、この神社のあたりは林だった。そして、その天空に「吉祥の瑞雲」がたびたび現れた。ある日この地に白雲が降りてきたので、居合わせた村人が林の中に、その様子を見に行くと、たくさんの「白鳩」が西の空へ向かって飛び立ったという。これは縁起が良いということになって、この地に祠を建て「はとのもり」と名付けたのが、「鳩森八幡神社」の始まりとされている。

貞観2年(860年)、慈覚大師(円仁)が関東巡錫の途中、「鳩森のご神体」を求める村人たちの強い願いにより、山城国石清水(男山ともいう)八幡宮に宇佐八幡宮を遷座し給うた故事にのっとり、神功皇后・応神天皇の御尊像を作り添えて、正八幡宮とし尊敬し奉ったと伝えられている。

また、オカルトに興味のある方ならご存じだろうが、日月神示(ひつきしんじ、ひつくしんじ)で有名な神典研究家で画家でもあった岡本天明は、こちらの留守神主をしていた時期がある。

社殿前で二拝、二拍手、一拝すれば、神功皇后の生命力や行動力を感じることだろう。

都の指定有形民族文化財「千駄ヶ谷の富士塚」

都の指定有形民族文化財「千駄ヶ谷の富士塚」

写真:井伊 たびを

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「鳩森八幡神社」の境内にある富士塚は、「江戸七富士」のひとつで、当初のままで現存している最古のものである。ところで「富士塚」とは、富士山信仰に基づき、富士山に模して造営された人工の山や塚のことである。江戸時代には一般的に「お富士さん」と呼ばれ親しまれていた。一方、現代では「ミニチュア富士」(ミニ富士)とも呼ばれている。

この富士塚は寛政元年(1789年)に造られたとされ、円墳形に土を盛り上げ、黒ぼく(富士山の溶岩)は、頂上近くのみ配されている。山腹には要所要所に丸石を配置し、土の露出している部分には熊笹が植えられている。頂上には奥宮を安置し、山裾の向かって左側に木造の里宮の建物がある。

頂上に至る登山道は正面に「く」の字形に設けられ、自然石を用いた階段になっている。七合目には洞窟がつくられ、その中には身禄像が安置されている。塚の前面には池があるが、この池は塚築造のため土を採掘した跡を利用したもので、円墳状の盛り土、前方の池という形は江戸築造の富士塚の基本様式を示している。

富士塚山頂にある奥宮

富士塚山頂にある奥宮

写真:井伊 たびを

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富士塚の頂上には、木花咲耶姫が祀られている奥宮がある。この神様の美しさ、女性としての見目麗しい様をイメージしながら、また本当の富士山に登っているようなつもりで登れば、そのご利益も倍増するだろう。そして、女性にとって「女子力アップ」は間違いない。

富士登山記念と可愛い「鳩みくじ」

富士登山記念と可愛い「鳩みくじ」

写真:井伊 たびを

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このあたり一帯は、「龍脈」の入っている場所で大地の気が上がってきている。気持ちいい感じが体感できるところでもある。ところで「龍脈」とは、占い用語で地中を流れるルートのこと。山の尾根づたいに龍のように流れることからそう呼ばれている。

新しい仕事にチャレンジしたいときや、いいアイデアが欲しいとき、疲れたときなどに「富士塚」に登りゆっくりと過ごし心を洗えばよい。勝負運も向上することだろう。都内にあり、ちょっとした時間でもあれば、気軽に立ち寄れるパワースポットである。

登頂後、社務所に寄って、富士登山記念(有料)をゲットするのをお忘れなく。さらに、鳩森の鳩にちなんだ可愛い「鳩みくじ」に思わず手が伸びる。恋愛、結婚、願望、仕事、金運、健康、学業、などあなたの将来の運勢を「鳩さんの言葉」で聞いてみてはいかがだろう?

末社のひとつ「甲賀稲荷社」

末社のひとつ「甲賀稲荷社」

写真:井伊 たびを

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御祭神が宇迦之御魂神の「甲賀稲荷社」は、かつて青山権田原の御鉄砲場付近に鎮座していて、甲賀組組屋敷の武士等が崇敬していた。明治18年に、青山練兵場設置のため、当社境内に遷座、合祀されている。

まとめとして

境内には、日本将棋連盟から奉納された「将棋堂」や、「能楽殿」などがある。この「能楽殿」では「鳩森薪能」が催される。今年(平成27年)は、5月8日(金)午後6時半開演(午後5時半開場)の予定だ。

JR総武線「千駄ヶ谷」下車・徒歩5分、都営大江戸線「国立競技場」下車・徒歩5分、東京メトロ副都心線「北参道」下車・徒歩5分と、アクセスがとにかくいい。気軽に念願の富士登山を敢行されてはいかがだろう?

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/14 訪問

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