写真:乾口 達司
地図を見る山々が連なる写真の画面右奥が高御位山(たかみくらやま)。神代、大己貴命(おおなむちのみこと)が国土開発のために降臨した山と伝承されています。事実、山頂には古代より祭祀がとりおこなわれてきた痕跡を示す巨大な磐座とそれをまつる高御位神社が鎮座しており、地元では古くから山岳信仰のメッカとして崇められてきたことがうかがえます。
低山が連なる付近一帯では最高峰の低山で、標高は304メートル。登山というと、足腰が心配でおよび腰になると心配の方でも、標高が300メートルあまりだとチャレンジしてみようという気になりますよね。普段、登山やハイキングの習慣のない方や登山の初心者にお勧めの低山です。
写真:乾口 達司
地図を見る高御位山に登るルートは複数あります。今回はもっともポピュラーなルートである鹿嶋神社〜高御位山ルートをご紹介しましょう。鹿嶋神社の境内裏手からのびる山道を登りはじめること、約5分。目の前がパッとひらけると、眼前には巨大な岩場が姿を現します。百間岩です。その名のとおり、巨大な一枚岩で、登山者はその岩の斜面を這うようにして登ります。その様子はさながらロッククライミング!難所にはロープも垂らされているので、必要に応じて、それを使いましょう。ただし、雨の日は足許が滑りやすく、非常に危険。風の強い日も風にあおられる危険があるため、要注意。百間岩を登るときは、天気のよい日を選びましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る百間岩を登りつめると、高御位山へといたる播磨アルプスの尾根筋に出ます。最初の難所をクリアし、ここで一息つく人も多いはず。気持ちに余裕が出てきたら、眼下の眺めを楽しみましょう。高御位山にいたる尾根筋は樹木の生育をさまたげる岩場が連続している上、過去の山火事のせいで高木が極端に少なく、360度の大パノラマを楽しむことができます。その眺望のよさは、播磨アルプス最大の魅力であるといえるでしょう。
登ってきた百間岩を振り返ると、百間岩の向こうにはスタート地点となった鹿嶋神社の巨大な鳥居が目に入ります。尾根筋の反対側に目をやると、はるか遠く、姫路の市街地も目に飛び込んできます。写真はその市街地を撮影した一枚ですが、画面のなかに国宝・姫路城が写り込んでいること、お気づきになりますか?
写真:乾口 達司
地図を見る尾根伝いにアップダウンが続きます。そして、途中の鷹ノ巣山までくると、高御位山がはっきりと視野に入ってきます。ここから高御位山までは尾根伝いに45分ほど。いよいよラストスパートです。気を引き締めて歩きましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る目的地である高御位山に到着したら、まずは山頂付近に位置する高御位神社に参拝してください。そして、御神体というべき巨大な磐座から、ぜひ、下界をご覧ください。天気がよければ、瀬戸内海に浮かぶ小豆島や淡路島、さらには四国まで見渡せるはず。絶景を堪能しながら、疲れた身体を癒しましょう。
写真は高御位神社の前に建つ「飛翔の碑」。大正10年、地元・志方町出身の渡辺信二氏が高御位山から関西ではじめてとなるグライダー飛行を成功させたことにちなんで建てられた記念碑です。「飛翔の碑」はご覧のように下界を一望する位置に建てられており、渡辺氏がここからグライダーで大空を羽ばたきなった気持ちが理解できるでしょう。
もちろん、高御位山に到着しても、今度は下山が待っています。ここからさらに尾根伝いにJR宝殿駅方面に向かうルートや志方町方面に向かうルートなど、下山ルートもさまざまですが、いずれも岩場の連続であるため、登り以上に細心の注意を払って下山しなければなりません。足許にはくれぐれもご注意ください。
高御位山への登山がいかに魅力的か、おわかりになったでしょうか。今回は鹿嶋神社から登りはじめるルートを紹介しましたが、ルートはそれに限りません。ご自身の都合にあわせて最適のルートを選び、高御位山登山を楽しんでください。
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(2023/12/4更新)
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