写真:フルリーナ YOC
地図を見るミラノの北、スイスとの国境地帯に広がるイタリア湖水地方は、アルプスの山々と湖の美しい歴史あるリゾートです。ガルダ湖やマジョーレ湖、コモ湖などを有するこの地方は、古くからヨーロッパの王侯貴族や芸術家たちに愛されてきました。その湖水地方の中で一番小さな湖がオルタ湖です。
しかし、小さくてもその美しさは湖水地方の中でもひときわ輝きを放っています。ことに、山々を映す碧き湖に幻想的に浮かぶサン・ジューリオ島の美しさは抜群!「緑に包まれた小さな宝石」と呼ばれるその眺めは感動的でさえあります。
湖に浮かぶジュリオ島には、15分ごとに出る小さな船で10分もせずに到着。この島のサン・ジュリオ教会は、4世紀後半にローマ帝国による迫害を逃れてこの島にたどり着いた聖ジュリオによって建てられたと言われています。現存する教会は12世紀の建物ですが、内部には見事なフレスコ画が壁一面に描かれています。ジュリオ島には現在修道院のシスターたちが住んでいて、島に一軒の土産物屋などでシスターたちの作ったレースや石鹸などが売られています。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るオルタ・サン・ジュリオの駅から、町の中心部のモッタ広場やサクロ・モンテからは歩いて20分ほど。でもご心配なく。駅から徒歩5分の観光局前からこんなかわいい汽車型のバスが出ています。この汽車バスは観光局からサクロ・モンテとモッタ広場を往復しますが、行き先を必ず運転手さんに告げましょう。降りる人がいないと停車せず通過してしまうことがあります。
サクロ・モンテはイタリア語で聖なる山という意味。サクロ・モンテはイタリア北部にある巡礼のための複数の礼拝堂を持つ聖地。15世紀ごろから、ピエモンテ州とロンバルディア州のアルプスの山々や森と湖が広がる地域の山や丘の上に、次々と建てられました。
当時困難だったエルサレム巡礼の代わりに、たくさんの信者がイタリア北部のサクロ・モンテに巡礼したのです。建物の中にはキリストの生涯や聖書の物語などが絵や彫刻で順に再現してあり、巡礼者は祈りながら巡ります。
美しい自然と礼拝堂群が見事に融合する聖地・ピエモンテ州とロンバルディア州の9つのサクロ・モンテは、多くの巡礼者が訪れ、2003年に世界遺産に登録されました。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るオルタ・サン・ジュリオの「サクロ・モンテ」は1590年から18世紀末までに建てられた礼拝堂群。サクロ・モンテの多くはキリストの生涯や聖母マリアにまつわるもの。でも、オルタ・サン・ジュリオのサクロ・モンテはイタリアの守護聖人・アッシジの聖フランチェスコに奉げられたもので、聖フランチェスコの生涯をたどります。
この丘の上のサクラモンテには美しい緑の小道が作られ、その小道を辿ると20の礼拝堂を巡れるようになっています。それぞれの礼拝堂には、聖フランチェスコの誕生や逸話を描いたフレスコ画やテラコッタの彫像が置かれています。
礼拝堂やテラコッタの彫像・フレスコ画も素晴らしいのですが、ここの魅力はそれだけに留まりません。自然と建物の見事な調和がまた素晴らしいのです。礼拝堂を彩る緑の木々、木陰から差し込む太陽の光、霧の中に幻想的に浮かび上がる礼拝堂・・・。訪れた日々のそれぞれの時の中で、それぞれ違った自然の美しさを感じさせてくれます。
小鳥のさえずる声や木々の葉が風に揺れる音を聞き、自然に抱かれ歩く時、心の中に深い安らぎを覚えるのは、やはりこの場所が祈りに包まれた特別な聖地だからなのかもしれませんね。
写真:フルリーナ YOC
地図を見るオルタ・サン・ジュリオの「サクロ・モンテ」のもう一つの魅力、それはオルタ湖に浮かぶジュリオ島の絶景!丘の上に位置するので、湖に浮かぶサン・ジュリオ島と背景の山々のパノラマを堪能できるのです。一番の絶景ポイントは1番礼拝堂の前の展望台!全部の礼拝堂を回る時間がない方でも、この1番礼拝堂前の展望台までは、ぜひ足を運んでみてください。必ずや、心に深く刻まれる美しいオルタ湖を目にすることができるでしょう。
町の中心のモッタ広場からからサクロ・モンテまでは歩いて10分ほど。美しいヴィラが建ち並び、様々な表情のジュリオ島を楽しめる素敵な道です。高低差は400メートル程のなだらかな坂道なので歩くのが苦手な方でもお散歩気分で歩けます。登り坂が苦手な方は汽車型バスで登り、帰りに歩いて町に降りるといいでしょう。
オルタ湖には、世界中の美食家たちが注目するイタリア料理界を担う若手シェフ、アントニーノ・カンナヴァッチュオーロが腕をふるう、レストランがあるホテル「ヴィラ・クレスピ」があります。ホテル「ヴィラ・クレスピ」は、1879年に綿花商人の富豪クレスピ氏が建てたムーア様の邸宅を、後にホテルとした豪華絢爛なホテル!ホテルの美しさと共に、世界中の美食家たちを虜にしているレストランも、この町の大きな魅力のひとつです。
「ヴィラ・クレスピ」は現在ミシュランの二つ星レストランですが、イタリアで次にミシュラン3つ星を獲得するのはここ!との呼び声の高いレストラン。イタリアのメディアにも多数出演の若きカリスマシェフ、アントニーノ氏の作る美味しくて彩り豊かな料理はまさに芸術品!ぜひランチかディナーに訪れてほしいレストランです。美しい風景や街並み建物と共に、忘れられない思い出の味となるはずです。
いかがでしたか。「緑に包まれた小さな宝石」オルタ湖。日本ではまだまだ知られていない観光地ですが、その美しさは一度目にしたら心に深く刻まれることでしょう。ヴィラ・クレスピからは湖に続く庭園を、また町の中心部のホテル・サンロッコやホテル・レオンドーロからは湖に浮かぶジュリオ島の展望を楽しめます。
オルタ湖はミラノ中央駅またはトリノからノヴァラ(Novara)で乗り換えオルタ・ミアジーノ(Orta-Miasino)へ。電車で行く方はオルタ・ミアジーノは無人駅なので往復の切符を買っておくことをお勧めします。
駅を降りたら、駅から歩いて5分の観光局前から汽車型バス、またはタクシーでオルタ・サン・ジュリオの町中へ。ホテルヴィラ・クレスピは観光局と道を挟んで目の前です。人数がまとまればミラノの飛行場からタクシーを使うのもいいでしょう。また、シーズンによってストレーザから直通バスも出ています。バスが運行している季節は、ストレーザに滞在して日帰りでオルタ湖観光も可能です。
個人で訪れるのは不安だと思う方はオルタ湖が組み込まれたツアーもあります。ツアーですとイタリア湖水地方の見どころを効率的に回れるという魅力がありますね。
MEMOにイタリア国鉄のサイト、その他の交通機関のリンクを入れておきますので必要な方はお使いください。それでは、良い旅を!
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(2024/10/15更新)
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