クルーズはガラタ橋のたもとにあるエミノニュから出発します。
船のキャビンから窓越しでも景色は楽しめますが、気候の良い時期はもちろん船室の上のデッキがおすすめ。
対岸のガラタ塔を眺めながら、いよいよクルーズの始まりです。
心地よい海風に吹かれて、船はゆっくりと進みます。
やがて見えてくるのは小さな島に立つ乙女の塔。 ボスポラス海峡の入口のシンボル的存在です。
16歳になる前にヘビに咬まれて死ぬであろうと予言されたお姫様を守るため、父王はこの塔を建て、中に姫を閉じ込めました。しかし、16歳の誕生日の前日、王が贈ったお祝いのブドウの籠の中にひそんでいたヘビに咬まれ、お姫様は予言通りに短い生涯を閉じたといいます。
船は北へ進み、ボスポラス大橋へと向かいます。
途中にあるドルマバフチェ宮殿はかつてのオスマン帝国の王宮でした。
建物の外観はヨーロッパ風ですが、内部は公的な空間と私的なハレムに分かれたオスマン風の造りになっています。絢爛豪華な装飾でも知られる宮殿の正式な入口は海峡側にあり、外国の使節は船で宮殿へ迎え入れられました。
ボスポラス大橋を過ぎてしばらくすると瀟洒な別荘が建ち並ぶ風景が続きます。
これらは「ヤル」と呼ばれる水辺に建てられた夏の別荘。
海の青、空の青、そして山の緑に白壁と明るいレンガ色の屋根が美しく映えます。
やがて現れるのは壮大な城塞ルメリ・ヒサル。
1452年にオスマン帝国のスルタン、メフメット2世が築造したものです。メフメット2世は翌年に東ローマ帝国の首都であったコンスタンティノープルを攻略、これにより東ローマ帝国は滅亡しますが、その足がかりとなったのがこの城塞でした。
ルメリ・ヒサルは海峡の最も狭い部分に築造されており、すぐ近くにボスポラス大橋とならんで海峡をまたぐファーティフ・スルタン・メフメット橋(第二ボスポラス橋)がかかっています。
ショートクルーズでは、船は2つめの大橋のあたりでUターンし、もとの埠頭へ帰ります。
ボスポラス海峡クルーズは黒海入口近くのアナドル・カヴァウまで行って一旦下船、街を散策して帰りの船に乗るフルツアーと、今回ご紹介したような海峡の中ほどのルメリ・ヒサルまで行って引き返すショートクルーズがあります。
どちらも予約なしで乗船できますが、ショートクルーズは所要時間が約2時間です。主な見どころはルメリ・ヒサルまでの間に集中しているので、旅先で時間を有効に使いたい方におすすめですよ。
今回ご紹介したのはŞEHİR HATLARI 社のショートクルーズです。 料金は一人12TL(約550円/2015年3月現在)、船の前で呼び込みをしているので、そこでお金を払って乗船します。
夏期は毎日、オフシーズンは土曜、日曜、祝日のみの運行です。出発はエミノニュ14:30、オルタキョイ14:50。情報は2015年3月現在のものであり、料金や運行スケジュールは変更の可能性があります。
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(2024/10/16更新)
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