世界が注目の理想のローカル駅…土佐くろしお鉄道中村駅に行ってみよう!

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世界が注目の理想のローカル駅…土佐くろしお鉄道中村駅に行ってみよう!

世界が注目の理想のローカル駅…土佐くろしお鉄道中村駅に行ってみよう!

更新日:2015/04/06 17:30

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター

高知県南西部を走る土佐くろしお鉄道中村・宿毛線。この路線の中心駅で、四万十川や足摺岬観光の拠点でもある中村駅は、今、世界が注目!2014年10月、鉄道関連の国際デザインコンペティションで、栄えあるブルネル賞優秀賞を獲得したのです。他にも、グッドデザイン賞など、国内でも数々の賞を受賞…。ローカル駅がなぜそこまで評価されるのか?これはぜひとも必見です!今回は、土佐くろしお鉄道の中村駅をご案内します。

一時は廃止の危機に…中村駅の歴史について

一時は廃止の危機に…中村駅の歴史について

写真:もんT

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中村駅の開業は1970(昭和45)年。当時は国鉄中村線の終着駅でした。
この中村線、一時は赤字ローカル線として存亡の危機に瀕しましたが、国鉄が分割民営化された後、1988(昭和63)年からは、第3セクターの土佐くろしお鉄道が経営を承継。中村駅には、鉄道会社の本社が置かれます。

1997(平成9)年には、中村駅からさらに西、宿毛駅までの宿毛線が開業。地域交通の中心駅および観光拠点としての発展が期待されますが、モータリゼーションや過疎化で鉄道利用客は伸び悩み…。鉄道会社としては厳しい経営が続きます。

そのような状況で中村駅は、ローカル駅ならではの空間創りを目指して、2009(平成21)年11月から、限られた予算で駅舎のリノベーションに着手。工事は2010(平成22)年に完了しました。

外観はリノベーション前と比べて大きな変化はないようですが、中に入ってみると…??

中村駅には改札口がない?…ホームとの境をなくしたコンコース

中村駅には改札口がない?…ホームとの境をなくしたコンコース

写真:もんT

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駅舎に入ってまず直感するのは、やわらかな木の温もり…。床や柱などにふんだんに四万十産のヒノキが使われています。切符売り場と観光案内所もコンパクトにまとまっていて、とても機能的。そして列車の時刻表も、ヒノキで統一された空間の中に一体化しています。

何よりも注目なのは、改札がないこと! コンコースとホームとを隔てる境がありません。そのまま、ぷらっとホームに出てしまいます。この中村駅、駅の営業時間内であれば、ホームへの立ち入りは原則自由。有人駅でこのように自由にホームに出入りできる駅は、全国的にも珍しいですね。まるでヨーロッパの鉄道駅のようです。

待合室もヒノキ造り…中村駅での待ち時間は上質のひととき♪

待合室もヒノキ造り…中村駅での待ち時間は上質のひととき♪

写真:もんT

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左手の待合室にも入ってみましょう。他の駅にはほとんど見られない特徴として、ここ中村駅の待合室には椅子に加えて、机も!! もちろん、これらもすべてヒノキ造りです。

机があるので、学生は列車の待ち時間も有効に活用して勉強できますね♪ 観光客はここでちょっとお弁当やおやつを広げて食べられるでしょうか…。この落ち着いた雰囲気は、図書館か美術館のギャラリーのよう…。列車の待ち時間が上質のひとときになります。

売店は?というと、この待合室の中の、壁で隔てられたスペースにあります。商品陳列の棚や照明もギャラリー風…。四万十市やその周辺のお土産品が、芸術品のように並んでいます♪
このショップのおススメは、きびなごケンピ(¥430)。四万十市からさらに西に位置する幡多郡大月町の物産で、酒の肴として絶品です。

ホームも集いと憩いの場…南国の明るく開放的な空間を演出

ホームも集いと憩いの場…南国の明るく開放的な空間を演出

写真:もんT

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中村駅のホームにも出てみましょう。先ほど述べたように、出入り自由!列車に乗らない人も遠慮なく入場できます。

国鉄時代の名残を残すホームは、ローカル駅にしてはちょっと広すぎ…。しかし、その広々としたスペースを活かして、ホーム上にもヒノキ材を使ったベンチが設けられています。これなら列車に乗る人だけでなく、見送りや出迎えの人たちも、みんな集うことができますね。ホーム屋根には一部、採光窓が…。やわらかな陽射しのもと、南国らしい、明るく開放的な空間が創出されています。

ホームの向こうには、四万十川の支流、後川の土手と桜並木があり、春はここからお花見が楽しめます♪ 夏は川面を渡ってくる涼風が心地良いでしょう…。人々が憩う公共スペースとして、ここ中村駅はもはや「駅」以上の存在価値を纏っていますね。ローカル駅の理想的な姿がここにあります…。

こんな素敵な中村駅への行き方は…ブルネル賞受賞記念きっぷにも注目!

こんな素敵な中村駅への行き方は…ブルネル賞受賞記念きっぷにも注目!

写真:もんT

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中村駅には現在、JRと直通運転する特急列車が、上下合わせて18本発着。高知駅からは特急ならば2時間弱でアクセスが可能です。列車の時刻や運賃・お得な切符は、土佐くろしお鉄道のウェブページで確認できます。

期間限定のお得な切符は「土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション ブルネル賞優秀賞受賞記念きっぷ」。2015年1月20日から発売されています。大人用のみ1枚2000円で、宿毛線と中村線が特急列車の自由席も含め、1日乗り放題♪ しかもこの切符、ヒノキの間伐材でできています! 旅の記念になること、間違いなしです。
1000枚の限定発売なので、売り切れが心配な方は早めに中村駅、あるいは宿毛駅へお問い合わせを! 郵送購入も可能です。2015年12月31日までの間の任意の1日、日付スタンプを入れてもらうことで利用できます。

おわりに

見事にリノベーションされた中村駅。ローカル駅ならではの、「駅」以上の公共空間が創出されています。これからも集いと憩いの場として、大勢の利用客に愛されていくことでしょう。世界に誇れる、ローカル駅の理想型がここにあり…。観光や商用で四万十を訪れる際には、土佐くろしお鉄道に乗って、ぜひ中村駅に立ち寄ってみてください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/25 訪問

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