門司港で楽しむ!異国情緒や源平の歴史〜港町風情満載の旅♪

門司港で楽しむ!異国情緒や源平の歴史〜港町風情満載の旅♪

更新日:2015/08/21 18:24

村井 マヤのプロフィール写真 村井 マヤ 中国・九州文化的街並探検家
北九州市の異国情緒あふれる町門司港。レトロな町を歩いていると、思わず外国の港町に迷い込んだかも・・と思うような、歩くだけでワクワクする素敵な観光地です。楽しみ方は、雑貨屋巡りや史跡・近代建築巡りなど、様々。門司港と言えば門司港駅のレトロな駅舎が有名ですが、それ以外にも是非記念写真の撮影や訪れてほしいスポットをご紹介します。つい見過ごしてしまいそうな面白スポットもありますよ。

「恋人の聖地」にも選定されている“ブルーウィングもじ”

「恋人の聖地」にも選定されている“ブルーウィングもじ”

写真:村井 マヤ

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明治から昭和にかけて、海外との貿易港として栄えた門司港は、現在、門司港レトロという、新しい観光地として復活しています。レトロな外観が魅力の門司港駅(平成30年3月まで保存修理工事予定)から徒歩で「旧大阪商船」や「門司港ホテル」を目指すと、見えてくるのが写真の“ブルーウイングもじ”や31階に「門司港レトロ展望室」のある高層マンション「レトロハイマート」など。
跳ね橋越しの明治・大正時代の洋館が居並ぶ美しい町並みは、まるでヨーロッパに迷い込んだかのよう・・。

また、門司港のシンボルと言っても良い“ブルーウィングもじ”のある風景も見事!この橋は、「門司港第一船だまり」に平成5年10月に架けられた全国でも最大級の歩行者専用の跳ね橋です。毎日、10時から16時の間(12時は除く)、1時間に1回約24mの親橋と約14mの子橋が水面と60度の角度へ跳ね上がります。橋のたもとから見上げると、美しい門司港の空と異国情緒豊かな景観が広がります。

「門司港第一船だまり」は明治23年に完成し、石炭や飼料などの荷役として使用された「はしけ」もしくは「バージ」の係留場所として、昭和50年くらいまで賑わっていました。現在では、親水広場があり市民の憩いの場へ。
この場所は、「恋人の聖地」に選定されており、跳ね橋が跳ね上がり、その後閉じて渡ることができるようになった時に、一番に橋を渡ったカップルは一生結ばれるというジンクスもあるそうです。

門司港レトロ展望室から絶景とビールも味わえる

門司港レトロ展望室から絶景とビールも味わえる

写真:村井 マヤ

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写真は、「門司港レトロ展望室」からの眺め。こちらにはカフェがあり、ビールや軽食、コーヒーなどが味わえます。この素晴らしい景観で頂く「門司港驛ビール」はまた絶品です♪お近くの「門司港地ビール工房」でも味わうことができます。

展望室は、高層マンション「レトロハイマート」の31階にあります。「レトロハイマート」は、日本を代表する建築家黒川紀章氏設計のマンションです。先ほどご紹介した「ブルーウイングもじ」からのこのビルの眺めも美しいですが、やはり31階の高所から眺める門司港の鳥瞰図は見事!
31階の展望室から、門司港レトロ地区や関門海峡・関門橋を眺めてみませんか?

こんな面白い発祥の地が・・ご当地キャラ「○○○マン」も?!

こんな面白い発祥の地が・・ご当地キャラ「○○○マン」も?!

写真:村井 マヤ

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門司港は、今ではあまりお目にかかれない「バナナの叩き売り」の発祥地なのですよ。門司港では、その存在を知らなかった若い人に逆にうけているのだそうです。独特の口上や歌などを交えながら露店商人たちがバナナを売りました。写真は、「バナナの叩き売り発祥の地」碑です。

バナナが日本に初めて輸入されたのは、明治36年頃のこと。台湾の商人より神戸にもたらされました。その後、大量輸入されるようになったのは、明治41年以降のこと。門司港は、バナナの産地台湾と地理的にも近く、大量荷揚げされ市場も設けられました。バナナは、まず青いまま入荷され、室を持つ問屋である仲買人によって競りにかけられ、各々の室で蒸されて黄色のバナナになったところで、市場に出されます。ところが、たまに輸送中に蒸されたものや、加工中に一部不良品がでたバナナなどを、早く換金するため露天商の手を経て販売されました。それが、「バナナの叩き売り」の始まりなのです。

門司港のグルメと言えば「焼きカレー」ですが、実はバナナの土産やスィーツも有名なのです。写真の碑のお隣には、「純喫茶 とらや」があり、こちらではバナナのフリッター(天ぷら)も頂けますよ。場所は、門司港駅から数分、「北九州銀行レトロライン」の「九州鉄道記念館駅」のすぐ側です。
また、このバナナにちなんでご当地キャラ「バナナマン」も誕生。その像が「海峡プラザ」前にあり、記念撮影に最適ですよ。

*純喫茶とらやについては、下記メモを参照のこと。

日本三大急潮、玄海・早鞆ノ瀬戸の潮流を見る!

日本三大急潮、玄海・早鞆ノ瀬戸の潮流を見る!

写真:村井 マヤ

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写真は、関門橋のたもと付近、門司埼灯台付近にある「句塚」を撮影したもの。「句塚」の向こう側の関門海峡の潮の流れがお分かりになりますか?ここの潮の流れは有名で、「和布刈(めかり)観潮公園」という公園から、この海流を眺められるようになっています。ここまでは、先ほどご紹介した「北九州銀行レトロライン」の観光列車「潮風号」に乗車し「関門海峡めかり駅」で下車し、徒歩で約5分。ゆっくり海を眺めながら歩けばすぐです。

この海峡は、源平合戦最後の戦い、寿永4(1185)年の壇ノ浦の戦いで、平家一門が滅亡した場所であり、1864年に馬関戦争(下関戦争とも。幕末長州藩と列強四国の戦争)の主戦場にもなった場所です。「句塚」は、門司俳人協会が壇ノ浦で散った、平家の二位尼やその女官、官吏たちの供養と平家の方々の悲しい歴史を語り継ぐために設けたものです。

玄海灘の激流と供養のための句塚を眺めながら歩くと、感慨も一入です。

美しい夕景に映える鳥居と関門橋

美しい夕景に映える鳥居と関門橋

写真:村井 マヤ

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この関門海峡に面した鳥居の下には海に続く階段があり、すぐそこに急流が望めます。海中灯篭などは、写真撮影のポイントですが、カメラに気を取られて足を踏み外さないように注意して下さいね。

さて、この関門橋を仰ぎみる鳥居は、「和布刈神社」のもの。神社は、「関門トンネル人道入口」の向かいにあり、先ほどご紹介した「門司埼灯台」の目と鼻の先です。ここは、夕陽の絶景ポイントですので夕暮れ時に来られると美しい夕景をご覧になれます。また、歴史深い和布刈神社では、毎年旧暦元旦未明に行われる「和布刈神事」が有名です。

ところで、「和布刈」ってどういう意味かご存知ですか?「和布刈」とは「ワカメを刈る」という意味で、その神事も神職3人が神社前の写真の鳥居から下に降りて、関門海峡に入り、各々松明、手桶、鎌を持ち、海岸でワカメを刈って神前に供えるというもの。和銅3(710)年に神事で供えられたワカメが、朝廷に献上されたとの記録もあります。歴史ある神事なのですね。この和布刈神社からの関門海峡の眺めはなんとも神秘的です。是非、九州最北端の神社に出かけてみませんか?

門司港の魅力は、その風景と素晴らしい建築群

門司港駅の素晴らしい駅舎はあまりに有名ですが、門司港の魅力はそれだけではなく、町そのものが博物館であり史跡そのものということ。そんな門司港の歴史ある建築物の合間の新しい高層ビルや跳ね橋などが、ヨーロッパを彷彿とさせる景観を生むのでしょう。レトロモダンな雰囲気が旅人の心をとらえ、門司港の魅力となっているのです。

門司港自体そんなに大きな町ではありませんので、朝から日没まで様々な変化を見せる風景と一緒に心に残る旅をしてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/23 訪問

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