ソメイヨシノ発祥地!豊島区駒込でルーツを愉しむお花見散歩

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ソメイヨシノ発祥地!豊島区駒込でルーツを愉しむお花見散歩

ソメイヨシノ発祥地!豊島区駒込でルーツを愉しむお花見散歩

更新日:2016/02/14 17:21

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 武蔵国ナビゲーター、歴史探索ブロガー

春を告げる日本の風物詩の一つが桜の花見。
現在、約600種以上あると云われる桜の中で、全国各地で見られ桜の代名詞である品種のソメイヨシノが何と東京産まれで、しかも人工的に作られた品種であるのをご存じでしょうか。
日本人が愛して止まないソメイヨシノが、いつ、どこで、どのように産まれたのか、ソメイヨシノ発祥地である豊島区駒込で、そのルーツを知る絶景花見スポットをご紹介します。

ソメイヨシノは品種改良

ソメイヨシノは品種改良

写真:Naoyuki 金井

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約600種ある桜を分類するとヤマザクラやエドヒガンなどの9系統に辿り着くのですが、この9系統にソメイヨシノはありません。
ソメイヨシノ誕生の有力説は江戸時代末期の園芸品種で、エドヒガン系統の桜とオオシマザクラの交配によって産みだされたと云われています。これは自然交配ではなく人工的な品種改良によるものと考えられ、しかも種子ではなく接ぎ木によって作られた、まさに人智による傑作品種を意味しているのです。

その生産地が現在の豊島区駒込一帯で、JR駒込駅北口横には平成9年に開園した『染井吉野記念公園』があり、“染井吉野桜発祥之里”の記念碑とソメイヨシノの両親であるエドヒガンとオオシマザクラが植栽され、親品種同士の比較ができる花見の名所となっています。

ソメイヨシノは染井吉野

ソメイヨシノは染井吉野

写真:Naoyuki 金井

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江戸時代、当時の駒込には藤堂家や柳沢家などの大名庭園があり、その手入れのために集まった植木屋の一大園芸地が当時の駒込染井村でした。ここには多くの園芸植物の庭園が造られ、四季折々江戸庶民が楽しむ花見の地となったのです。
そしてこの地で産まれたソメイヨシノは、当時、桜の名所として名高い大和の吉野山にちなんで“吉野桜”として販売されたのですが、この名称では吉野山産と混同されるので、駒込染井村の名を取り“染井吉野”と命名されたのです。

当時の一大園芸地であった現在の『駒込小学校』から『染井よしの桜の里公園』の一帯は桜並木の名所で、特に駒込小学校正門にある2本の桜の木は、正真正銘の江戸時代に染井村で作られたソメイヨシノで、染井よしの桜の里公園では、現在でも全国に贈呈されている、接ぎ木されたソメイヨシノの植栽が見られます。

ソメイヨシノの植木屋

ソメイヨシノの植木屋

写真:Naoyuki 金井

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江戸時代、染井村が園芸の一大生産地であったことは、意外なことに海外で紹介されています。
『公園のような景色に来たとき、随行の役人が染井村にやっと着いたと報せた。そこの村全体が多くの苗樹園で網羅され、それらを連絡する一直線の道が1マイル以上も続いている。私は世界のどこへ行ってもこんなに大規模に売り物の植物を栽培しているのを見たことがない』と、1860年に来日したイギリスの植物学者ロバート・フォーチュンが紹介しています。

この染井の植木屋を代表するのが、1780年代から明治後期まで活躍した丹羽家で、津藩藤堂家や尾張藩などの大名屋敷にも出入りするほど武家にも信用の篤い名家でした。
この名家の跡地が現在『門と蔵のある広場』となって整備された花見スポットで、蔵は国の登録有形文化財、藤堂家下屋敷の裏門を移築したと云われる腕木門は豊島区指定有形文化財となっています。

ソメイヨシノの菩提寺

ソメイヨシノの菩提寺

写真:Naoyuki 金井

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当時、染井村第一の園芸師が、種苗目録“地錦抄”を始め、“草花絵前集”などを著し全国的に知られる存在となった四代目伊藤伊兵衛政武です。その名声により八代将軍吉宗にも寵愛され、将軍自ら染井村まで来て樹木を選んだり、江戸城内の名木の育成も任せられたほどでした。

この伊藤伊兵衛政武を始め多くの園芸師が眠る植木屋達の菩提寺が『西福寺』で、当時、大名藤堂家下屋敷家中の祈願所でもあったことから広大な規模を誇っていたそうです。
現在は規模も縮小した西福寺ですが、ソメイヨシノに彩られた境内には、東京都史跡である“伊藤伊兵衛政武の墓所”や豊島区内では1655年に造られた最古の“六地蔵”がある花見スポットなのです。

ソメイヨシノと文学者

ソメイヨシノと文学者

写真:Naoyuki 金井

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江戸時代、染井村にあった大名建部家下屋敷の西側の長池は、春には100本近くのソメイヨシノが咲き乱れる花見の名所であり、明治期にこの建部家下屋敷が、雑司ヶ谷、青山と共に開設された公営の共同墓地『染井霊園』となったのです。

この染井霊園は、今、多くの著名人が眠る霊園として沢山の参拝者が訪れています。
彫刻家である高村光雲、その長男である詩人の光太郎、そしてその妻智恵子の眠る高村家墓所を始めとして、日本美術界に貢献した思想家の岡倉天心、“浮雲”で名高い小説家二葉亭四迷など50名以上の著名人の墓所があります。
現在、霊園に長池はありませんが、長池跡の長池堤は今も花見の名所で、文学散歩を同時に楽しめる花見スポットなのです。
※写真は高村家墓所とソメイヨシノ

最後に。。。

ソメイヨシノ発祥の故郷、駒込の魅力を感じていただけたでしょうか。
日本全国著名な花見の名所と比べるべくもないですが、ソメイヨシノに関連する史跡を辿りながら花見ができるのは全国ではここだけです。
JR駒込駅横の『染井吉野記念公園』から『染井霊園』まで凡そ1kmの距離。
春を告げるソメイヨシノの美しさだけではなく、ブラブラと史跡歩きも楽しみながらの格別なお花見はいかがですか!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/04/02 訪問

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