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地図を見る創建は平安時代にまで遡る醍醐寺。山全体が寺であるほど広大な敷地を誇り、醍醐天皇の勅願寺になって以来隆盛を極めていましたが度重なる戦乱に巻き込まれ、伽藍は一時壊滅的な状態になったそうです。
そんな醍醐寺は関係の深かった豊臣秀吉により復興。そして秀吉が「ここで花見がしたい!」と言い出したことから、数か月をかけて近隣諸国から約700本もの桜を移植したという派手好きな秀吉らしい逸話が残っています。
今では花の醍醐と呼ばれますが、秀吉による醍醐の花見以降についた呼称。つまり醍醐の花見までは現在のような桜の名所ではなかったのです。
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地図を見る日本人は古来から桜を愛でてきました。古くは『万葉集』の中にも、桜を詠んだ歌が数十首あるほどです。しかしその頃の花見とは、貴族たちなどの特権階級の伝統行事の意味合いが強く、現在のような花見ではなかったとされています。
「北野大茶会」と並んで秀吉が行った一世一代の大イベントとされる「醍醐の花見」はそれまでの花見観を覆すような、桜を肴に酒を飲んで騒いで愉しむ、簡単に言えばドンチャン騒ぎだったのです。これが民衆に広がり、現在のようなお花見文化になったとも言われているのです。
そんな秀吉の「醍醐の花見」にならい、毎年4月の第2日曜日には「豊太閣花見行列」が開催されます。なんと昭和27年から毎年行われているこの行列は、秀吉が多くの側室や家来を伴って行った超豪華な花見の雰囲気を再現すべく、地元の経済人や文化人の重鎮から秀吉役が選ばれています。
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地図を見るしだれ桜、ソメイヨシノ、八重桜、山桜など約1000本の桜が次々と咲き、約3週間にわたり多種多様な桜を楽しむことができる醍醐寺。そんな桜の見どころポイントをご案内していきます。
まずは三宝院。秀吉が醍醐の花見の際に復興させ、醍醐の花見は三宝院(醍醐の花見開催当時の名称は金剛輪院で、のちに座主の居住する「三宝院」の名を受け継ぎます)を中心として執り行われました。そんな三宝院の玄関脇には必ず足が止まってしまうほどに見事な大紅しだれ桜があります。
そして桃山文化の象徴的な庭園として三宝院庭園へ。庭園には桜の木がないのですが、「醍醐の花見」の後に秀吉自らが設計したという三宝院庭園。秀吉の思い入れがいっぱい詰まった庭園をぜひお楽しみ下さい。
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地図を見る国宝・重要文化財だけでなんと4万点を所蔵するという霊宝館。未指定の文化財を含めると、10万点にも及ぶ寺宝を収蔵するというとんでもない規模を誇ります。
その霊宝館の奥にどっしりと構え、樹齢約200年と言われるしだれ桜が圧巻の存在感!恐らく京都の桜でもこれほどインパクトを与える桜はこの霊宝館のしだれ桜が一番ではないかと思います。枝の幅は25mを超えるというとてつもない大きさのしだれ桜。これを見たいがために醍醐寺を訪れる人も少なくない、まさに大名物なのです。
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地図を見る醍醐天皇の冥福を祈るために天暦5年(951年)に完成したという歴史を持つ五重塔。応仁の乱など、度重なる戦火や火災から奇跡的に難を逃れた五重塔は、なんと京都府下で最古の建造物!この塔は俗に法隆寺五重塔、瑠璃光寺五重塔と並ぶ日本三名塔の一つとされています。
そんな歴史を持つ五重塔としだれ桜のコラボレーションは、これこそ京都の春!と言ったところでしょうか。しばらく時を忘れて見入ってしまいたい光景がそこにあるのです・・・。
桜の名所だけに混雑は必至ですが、秀吉が愛でたという醍醐の桜はやはり京都でも格別というべきもの。京都の桜めぐりをするならば一度は足を運んで欲しいスポットなのです。
住所:京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
電話番号:075-571-0002
豊太閤花見行列:2019年4月14日(日)
拝観時間:9:00〜17:00
拝観料:三宝院・霊宝館・伽藍共通1500円(春季期間3月20日〜5月15日の拝観料)
アクセス:地下鉄東西線「醍醐」下車徒歩10分
2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください
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(2023/12/1更新)
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