源氏物語で、京を追われた光源氏が居を構えたのが、ここ須磨の地です。物語では、光源氏が、須磨で若木の桜を植えたという記述がありますが、その若木の桜跡が残るのが、須磨寺。現在でも桜の名所として有名で、本堂に通じる桜並木は必見!JR「須磨駅」や山陽電車「須磨寺駅」からは、徒歩10分程度という便利な立地も手伝って、いつも多くの参拝客で賑わっています。
一方で、時代は下って源平合戦の時には、ここ須磨が一ノ谷の戦いの舞台となりました。その戦いで討たれた若武者、平敦盛ゆかりの品々や遺構も須磨寺に残されています。
平敦盛の首を洗った池、平敦盛の首塚、更には遺品となる笛もあります。
(本文下MEMOに「須磨寺」へのリンクがあります)
多くの高齢者で賑わう東京巣鴨の「地蔵通り商店街」は全国的に有名ですが、それに対抗してか、「西の巣鴨」と呼ばれているのが、須磨寺の参道となる須磨寺前商店街です。毎月のように開かれる市は人で溢れかえり、門前町としての風情を今に伝えています。
商店街の賑わいには、須磨寺も一役買っています。写経会や落語会、琴の演奏会や、境内を舞台にしたマウンテンバイクのダウンヒル大会まで、若者から高齢者まで幅広い年代に注目されるイベントを開催!
地域に開かれた寺となっているのです。
(本文下MEMOに「須磨寺前商店街」へのリンクがあります)
須磨海岸から須磨寺のある山の方向に歩くと、住宅街の中に、ひょっこり小さな森が現れます。ここが、かつて関所が置かれていたという関守稲荷神社です。
春は桜、秋はモミジが美しく、夏になれば蝉の声に包まれます。建物に囲まれた中にあって、ここだけ別世界のようにいつも静か。かつて、光源氏が厄払いをしたという話にも頷けます。今は猫が住み着いていて、時折、鳥居の上で寛ぐ姿を見かけることも。
須磨寺から網敷天満宮に向かって続く道は、通称「智慧の道」と呼ばれています。須磨寺が弘法大師を祀り、網敷天満宮が菅原道真を祀っていることから、共に学業に御利益があるとのことでつけられた名前だそうです。
実は、須磨は菅原道真ともゆかりが深い場所。菅原道真が九州に左遷される際に、須磨に立ち寄っているからです。
須磨海岸を臨む網敷天満宮は、その道真を祀る神社。ここの見どころは、なんといっても境内に点在する個性的なオブジェ。願いが叶うといわれる「なすの腰掛け」、波に乗るという意図からつくられた波乗り坂(よくみれば、石畳がサーフボードの形!)、極めつけば、サーフィンを片手にもつ菅原道真像。なんでも、須磨海岸がサーフィンの名所であることから、このようなデザインになったとか・・・・・・。
(本文下MEMOに「網敷天満宮」へのリンクがあります)
関西を代表する海水浴場、須磨海水浴場を有するのが、2kmにわたって続く須磨海岸です。
夏ともなれば、多数の海の家が立ち並び、若者たちで大いににぎわいます。しかし、オススメなのは須磨海岸が静けさを取り戻す秋から春にかけて。人もまばらなこの季節、海岸にそって続く松原を仰ぎ見ながら砂浜を静かに歩くと、波の音だけが辺りにこだまし、まるで源氏物語の時代に迷い込んだかのような錯覚に陥ります。
(本文下MEMOに「須磨海岸オフィシャルサイト」へのリンクがあります)
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した場所は、いずれもJR「須磨駅」や山陽電車「須磨寺駅」から徒歩圏。気軽に訪れて歩いて回ることが可能です。特に、JR須磨駅は、駅の改札をでたらすぐに須磨海岸という抜群の立地。海岸へ続く駅のテラスから眺める瀬戸内海の美しさは格別で、通勤時間帯には、電車待ちのサラリーマン達の憩いの場所となっています。
歴史に興味がある方、和風な寺社巡りで、ほっ、と和みたい方、ぜひ、古を今に伝える須磨においでください。癒しの休日をお約束いたします。
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