京都御苑は、光厳天皇の即位(1331年)以来東京遷都までの約500年間、御苑内の一角を占める京都御所が天皇の皇居で、その周囲には江戸時代に二百もの宮家や公家の邸宅が立ち並ぶ町でした。東西約700メートル・南北1300メートルの広い敷地です。現在は公園として整備され市民へ開放されています。
御苑内には約5万本の樹木が生育し、四季折々の訪問客の目を楽しませてくれます。広い御苑内に、京都御所、大宮御所、仙同御所、京都迎賓館、旧公家屋敷跡、庭園、歴史的遺構(「蛤御門」など)が点在し、京都の中心で特別な存在となっていて、ニューヨークのセントラルパークのような存在とも言えます。
この場所が京都3大祭のうち2つ(葵祭、時代祭)の行列の出発地点になっています。
この行列の日、約2万人の見物客がここ京都御苑を訪れます。
葵祭の日は、初夏の日差しに覆われることが多いです。京都御苑の数万本の樹木が一斉に若芽を出す時期でもあります。新緑が輝く日に、葵祭の衣装も映えます。
京都御苑には九門、五口の出入口があります。九門は、堺町御門、寺町御門、清和院御門、石薬師御門、今出川御門、乾御門、中立売御門、蛤御門、下立売御門です。
この祭の見どころの行列は路頭の儀と呼ばれ、勅使をはじめ検非違使、内蔵使、山城使、牛車、風流傘、斎王代など、平安貴族そのままの姿で列をつくり、京都御所を出発します。総勢500名、牛車2基、斎王代の乗る輿1台の雅な王朝行列が、市内を巡行します。
葵祭の行列は朝10時半に御苑内の京都御所の建礼門前を出発します。御苑内をまっすぐ南に進み、堺町御門を出て、丸太町通を東に進み、河原町交差点から河原町通を北に上がって下鴨神社に向かいます。下鴨神社で休憩した後、午後14時20分に下鴨神社を出発し、北大路通を西に向かい、賀茂川沿いに北に上がり上賀茂神社に15時半頃に到着します。その道のりは約8Kmあります。
藤の花で飾られた大きな牛車(御所車)が、鮮やかな花をゆらし、ぎしぎしと音を立てて目の前を進むさまは、迫力があります。
行列は、本列と斎王代列に大別され、本列は勅使代を中心にした列、斎王代列は女人列といわれ斎王代を中心にした列です。斎王代は、毎年市民から選ばれて、十二単(じゅうにひとえ)の大礼服装で、供奉者にかつがれた腰輿(およよ)という輿に乗って参向します。
新緑に華やかな衣装が映えます。
葵祭のきらびやかな衣装姿、風流傘、牛車などの巡行は約1時間ほどで、目の前を通り過ぎていきます。京都御苑は昼12時前には行列の余韻から、静寂が戻ります。この季節、普段の京都御苑は新緑の鮮やかさを楽しみながら昼をのんびり過ごす人が多いです。
京都御苑は誰でも四季を楽しむことができる公園として整備されています。
2月中旬頃に約200本ある梅林で梅の花が咲き、3月中旬頃にはその北側の桃林で桃の花が咲き、同じころ出水や近衞邸跡の糸桜が咲き始めます。そして春には御苑内のいたるところで桜が咲き競います。葵祭の行われる初夏には出水の小川の水辺で子供たちが遊び、明るい陽光に新緑が映えます。
夏はさるすべりが咲き、蝉の大合唱も聞こえます。8月16日の五山の送り火の時には、御苑の苑内から大文字山の右大文字の送り火が遠目にくっきり見えます。秋は、大銀杏の黄葉、桜、楓、紅葉の紅葉が目を楽しませてくれます。
葵祭の時の新緑だけでなく、一年を通じて京都御苑を散歩してみてください。
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