写真:SHIZUKO
地図を見る花街各地で開催される『春のをどり』は、日本文化の伝統を継承する舞・芸妓さんの美しい舞いを、一般の人が見られる数少ないチャンス! 5月末まで、上七軒・祇園甲部・宮川町・先斗町の順に4つの花街それぞれのをどりを楽しむことが出来ます。
そのなかでも『北野をどり』の特徴は、1幕目の舞踊劇。
2012年は「愛してはならぬ人」という、カッパの女の子と若者の恋物語。2013年は「雲の架け橋」という、天狗の青年と少女の恋物語という、意外なストーリー展開。お堅い古典ものではなく、奇想天外だけどわかりやすいストーリーなので、どなたでも楽しめます。しかも下駄を使ったタップダンスという、しっとりゆったりイメージの日本舞踊にしては、大胆な演出も見ものです。誰でもググッと舞台に引き込まれること請け合い。
10分休憩後の2幕目は、純舞踊。日本舞踊の真骨頂。そして、フィナーレ。「上七軒夜曲」という名曲で、揃いの黒裾引姿の芸妓さんと、色とりどりの華やかな衣装の舞妓さんの揃い踏み。豪華で艶っぽい舞台に、最後まで舞台に釘付けになることでしょう。
上七軒の踊りは、花柳流。全国に2万人ほど門徒がいる日本最大の舞踊会派。確かな技量で古典を守りながらも、新しい踊りにもどんどんチャレンジする若々しい会派です。そのため、舞台を見ていてもリズミカルに感じることが多いかもしれません。
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地図を見る『北野をどり』が開催されるのは『北野天満宮』のお膝元にある『上七軒歌舞練場(かみしちけんかぶれんじょう)』。
『上七軒歌舞練場』は、金閣寺の南あたりに位置し、今出川通沿いの北野天満宮前、上七軒のいずれかの市バス停留所から徒歩3分のところにあります。京福電鉄(嵐電)北野線 北野白梅町駅からも徒歩7〜8分です。
上七軒は、その名前から想像出来るように、7軒のお店から始まった日本最古の花街です。
上七軒のお茶屋の歴史は、室町時代にさかのぼります。
『北野天満宮』が火事で消失し、再建する時に使われた資材の余剰分を使って、参詣客のために7軒の茶屋が幕府公認で建てられたことがスタートです。
歌舞練場の建物は明治の名建築。庭も見事なんです。
入り口を入ったら、池に架けられた渡り廊下を通って、奥へ進みます。趣向を凝らした見事な庭は、京都の庭の中でも珍しい寝殿造り。平安時代の貴族の屋敷を模しています。渡り廊下で繋がった建物の一角がレトロな喫茶店になっています。そこはまるで、明治時代にタイムスリップしたような風景。美しい着物姿の綺麗どころと、セレブな旦那衆が目の前で食事をしているんです。まるで映画の世界のような風雅な様子にワクワク。しばし見惚れてしまいました。
ちなみに夏には、この見事な庭が、一見さんも入れる素敵なビアガーデンになります。これは、本当にお勧め。浴衣姿の芸・舞妓さんの涼しげな色っぽさ。誰が行っても、気楽の接待してくださいますから、ぜひ、夏にも行ってくださいね。
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地図を見る『上七軒歌舞練場』のそばには、学業成就祈願と梅で有名な『北野天満宮』と桜の名所『平野神社』があります。
「北野の天神さん」と、親しみをこめて愛されている『北野天満宮』は、全国の天満宮の中心地。学業の神様・菅原道真にあやかろうと、各地から合格祈願に訪れる人が絶えない神社です。菅原道真といえば、切っても切れないのは梅。平安時代、政争に破れ、大宰府に流される道真を追って、彼が丹精こめて育てていた庭の梅の木が追いかけていったという伝説にちなみ、天満宮に見事な梅林があります。
北野天満宮を抜けてしばらく歩くと、桜の名所『平野神社』に到着。目の前には鳥居の朱色と桜色、まさに日本の彩り、これぞ日本! って感じ。
境内には50種類のさまざまな桜の木があります。早咲きで有名な河津桜がまず咲いて、そのあと魁(さきがけ)桜が咲き、ソメイヨシノへと続ます。ソメイヨシノが満開になると、桜の花の天井が出来ます。空も見えないほど花の天井の下で、ゆっくりお花見するのは最高ですね。
『花見茶屋』も多数準備されていて、外国人が思う日本の春の風景そのものなんじゃないでしょうか。境内にこれだけの『花見茶屋』がある神社ってかなり珍しいと思います。所狭しと広がる紅白幕に緋もうせん(赤い敷物)、見ているだけでおめでたい気分になれます。席や食事の予約も出来るようなので、飲み物や食べ物の重い荷物を持たずに、みんなで手ぶらで繰り出すのもいいですね。
市内の繁華街から離れているので、落ち着いた雰囲気の北野界隈。でも、お花見時期だけはとても賑やかです。
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地図を見るでは、お楽しみのランチ場所のお勧めをご紹介。
歌舞練場のそばには、京町屋の風情あるお店がたくさんあります。ブラブラ歩いているとどこに入ろうって迷うんですが、一軒、ちょっと判りにくい場所にありますが、お勧めのお店があります。
歌舞練場の裏手にある『小きみ』というお店。元芸妓さんが経営されています。どんなお店でも初めて入るときには、それなりに緊張しますね。特に京都の間口の狭いお店は「一見さんお断り!」と言われるんじゃないかなんて心配になるものです。でも、このお店は、勇気を振り絞って入る価値は充分です。
暖簾をくぐると、10人くらいが座ればいっぱいのカウンター。カウンターの上には、鉢が並べてあって「食べられへんもんおへんか?」とおかあさんが聞いてくれます。「大丈夫です」と答えて、おでんか魚のメインを決めます。後はおかあさん任せ。
京都らしく小鉢4つにちょこちょことおかず、それに焼き魚(この鯖、絶品!)とお造り、ご飯・味噌汁がついて890円。すごく安いし美味しくて、大満足。お昼の営業は14時まで。迷わずお店に到着できますように。
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地図を見る歌舞練場からちょっと歩くとがま口の『まつひろ商店』があります。
土間から靴を脱いで店内に上がると、大小さまざまな形と色とりどりの布で作られたがま口たちが迎えてくれます。ちりめんの手触りがとても優しい、京都らしい小物がいっぱい。
三条に本店がある『まつひろ商店』は、元々はバッグや財布などの袋物金具=がま口を取り扱う卸売業。今は数百種類にも及ぶ完成品をも扱っているお店です。
一歩お店に足を踏み込むと、あれも欲しい、これも欲しい。お土産用にお手軽値段のものもあれば、かなり高価なものもあります。あれこれ迷ってると30分くらいあっという間に時間が過ぎます。
お祝い返しなどにも重宝する豆財布も大人気。
桜の花に誘われて、じっくり楽しむ京都の1日。お1人で過ごすもよし、グループで過ごすもよし。この季節だけの風景をご自分のものにしてくださいね。
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(2024/9/9更新)
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