一生に一度は行きたい!中国の世界遺産「万里の長城」で龍の背中を歩こう!

一生に一度は行きたい!中国の世界遺産「万里の長城」で龍の背中を歩こう!

更新日:2018/08/14 09:10

渡部 洋一のプロフィール写真 渡部 洋一 フリーライター、カメラマン
中国は、世界遺産の宝庫。世界第2位に当たる47件もの世界遺産を保持しています(2014年)。そんな世界遺産天国の中国で、その代表格といえるのが、今回ご紹介する「万里の長城」です。世界一有名な世界遺産と言っても過言ではない万里の長城。その中で、今回は北京から日帰り可能で観光客に親しまれている「八達嶺長城」の歴史と魅力をご紹介します。「龍の背中」と呼ばれる道を、あなたも歩いてみませんか?

どこまでも続く長城

どこまでも続く長城

写真:渡部 洋一

地図を見る

世界第一位の人口を誇る超大国中国。その首都北京は、歴史の舞台として大きな役割を果たしてきた巨大都市です。多くの王朝が繁栄と衰退を繰り返してきたこの地には、「ここを見ずして北京に来たとは言えない」と言われる名所があります。
誰もがその名を知る「万里の長城」。総延長2万キロを超える世界最長の建造物であり、世界遺産にも登録されている中国を代表する観光名所です。
その中で今回ご紹介するのは、北京市街地から車で約1時間の位置にある「八達嶺(はったつれい)長城」。中国北部を東西に伸びる長い長い万里の長城の中でも、特に城壁の保存状態が良いとされ観光客に人気のスポットです。

万里の長城は、1987年に中国で初めての世界遺産に登録されました。かつてその長さは8851.8キロとされていましたが、2012年の調査で総延長は従来の2倍以上の21,196.18キロと発表されました。日本列島の長さを約3000キロとすれば、なんとその7倍。世界最長にして、最古の防御壁と言われています。

写真は、八達嶺長城入口付近から北側の山に伸びる北城(通称「女坂」)を撮影したものです。大地を這ってどこまでも伸びるその姿は、しばしば「龍の背中」に例えられます。そのスケールは、壮大の一言。超大国の数千年という歴史が生み出した唯一無二の絶景です。万里の長城は、今も昔も多くの人々の心を揺さぶる中国のシンボルとなっています。

守りのための城壁

守りのための城壁

写真:渡部 洋一

地図を見る

万里の長城が築かれ始めたのは、今からおよそ2200年前、秦の始皇帝の時代であったと言われています。以来増築、修繕が繰り返され、八達嶺で現在目にすることの出来る長城は後の明の時代に造営されたもの。
この世界最長の巨大な建造物が造られた大きな目的は、北方の騎馬民族の襲撃に備えるためでした。北から攻めて来る騎馬民族は、中国の歴代皇帝にとってその覇権を脅かす強大な敵だったのです。
万里の長城建造の理由は、長城の北側と南側の造りの違いから視覚的にもはっきりとわかります。自国の領土であった南側の壁はすっきりとしているのに対し、騎馬民族の驚異にさらされていた北側の壁には、「矢狭間(やざま)」と呼ばれる切り込みが等間隔で設けられています。切り込みの凸の部分に身を隠しながら、凹の部分から矢を放ち敵の侵攻を阻んでいました。現在は世界を代表する観光名所として知られる万里の長城ですが、かつては「防御壁」としての役割を担っていたのです。

うねる龍の背中

うねる龍の背中

写真:渡部 洋一

地図を見る

悠久の歴史の中で築かれた人類の偉大な遺産の上を、現在は誰でも歩くことができます。
写真は、八達嶺入口から南の山の上を這うように伸びる南城(通称「男坂」)。地形に合わせてうねるように築かれたその長城は、まさに「龍の背中」です。防御壁として造られた北側の壁の切れ込みが、龍のうろこのようにも見えます。
今にも動き出しそうな石造の長城の上を歩く体験は、北京観光のハイライトになること請け合いです。

最大40度の急斜面

最大40度の急斜面

写真:渡部 洋一

地図を見る

誰でも歩くことのできる八達嶺長城ですが、ところどころに急斜面が待っています。急峻な山に造られているため、その最大斜度はなんと約40度。整備された道ではあるもののその角度はかなりキツいので、手すりをしっかりと握り履き慣れた靴で歩きましょう。急斜度の階段は、他の場所とは視点が変わる絶景ポイントでもあります。

敵を監視するための砦「敵楼」

敵を監視するための砦「敵楼」

写真:渡部 洋一

地図を見る

城壁と城壁の間には、要所要所に砦が設けられています。「敵楼(てきろう)」と呼ばれる、兵士が常駐し外を監視するための場所でした。雨風を防ぐ作用もあり、武器や食料の保管や兵士の休息場所でもあったと言われています。

万里の長城がかつて防御施設であった名残である敵楼は、長い長い長城に視覚的なアクセントを加え、美しさを演出する点でも一役買っています。写真撮影の際にも、敵楼の位置を把握し構図を意識すると、バランスの良い写真が撮れるでしょう。

その存在を表す言葉

いかがでしたか?
世界遺産天国中国で最初に登録された世界遺産である万里の長城の歴史と魅力をご紹介しました。中国のみならず世界で最も有名な世界遺産の一つと言っても過言ではなく、誰もが知る観光名所である万里の長城ですが、どれほどの予備知識を持っていたとしても、実際に訪れ自分の目で眺めると、言葉を失うほど圧倒される存在感を放っています。

中国における万里の長城の存在の大きさを表す、毛沢東が残した有名な言葉があります。

「不到長城、非好漢」

長城に至らずば、好漢にあらず。「万里の長城に至らなければ、立派な男にはなれない」といった意味です。4000年の歴史を持つ超大国中国のシンボルとして、万里の長城は特別な存在であり続けているのです。

中国を訪れる機会があるのなら、あなたも龍の背中を歩いてみませんか?この国の圧倒的なスケールを感じられる、忘れられない旅の記憶となるはずです。

今回ご紹介した八達嶺長城は、北京から車で約1時間とお手軽に万里の長城を体験できる人気のスポットです。その全長は約3700メートル。最高地点では標高1015メートルと高地にあり風も強いので、平地よりも暖かい服装で臨むことをおすすめします。

八達嶺長城へのアクセス等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/15 訪問

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -