写真:安藤 美紀
地図を見る「水戸藩らーめん」は、黄門様が食べたというラーメンを文献に基づき再現した、言わば“黄門様気分”になれるラーメンです。
このラーメンは、茨城県水戸市の町おこしとして、水戸市の製麺業者と水戸藩料理研究所、そして水戸市内のラーメン店の協力により作られました。
日本人で初めてラーメンを食べた黄門様は、その当時のレシピを残していたため、「水戸藩らーめん」を蘇らせることができたのです。
現在では、茨城県内の8店舗の中華料理店で「水戸藩らーめん」の味を楽しむことができますが、昭和22年創業の石田屋は、「水戸藩らーめん」を提供する店舗の中でも歴史あるパイオニアの一つ。県外から食べに来る人がいるほどの有名店で、毎日でも食べられるあっさりしたラーメンや定食が評判です。
ご主人の石田さんはとっても気さくな方で、初めて「水戸藩らーめん」を食べよう!という時にもオススメですよ。
石田屋の場所は、JR水戸駅から徒歩15分。住宅地の一角にお店があります。店の前には、なかなか年季の入った暖簾がかかっていて、レトロな雰囲気。扉を開けると、濃厚な出汁とお醤油の香りが漂い、のんびりした世界が広がっています。
写真:安藤 美紀
地図を見る子どもからお年寄りまで、黄門様の名前で親しまれてきた水戸藩二代目藩主の徳川光圀公。実は、かなり好奇心旺盛でグルメな方だったようです。
水戸藩に中国から儒教者 朱舜水(しゅしゅんすい)を招き、そのとき日本で一番最初にラーメンを振る舞われたのが黄門様。
ラーメンだけでなく、餃子や牛乳を口にしたのも、黄門様が日本人では初めて。なんとチーズ作りにもチャレンジしたとか!黄門様は、やんちゃな面を持ち合わせた、グルメなお殿様だったようですね。
写真:安藤 美紀
地図を見るこちらは、石田屋の看板メニュー「水戸藩らーめん」。
スープは鶏ガラベースの醤油味。非常に丁寧に出汁をとっている感じがします。具は、しいたけ・チンゲンサイ・鶏肉のチャーシュー。石田家では、昭和22年創業当初から、豚ではなく鶏のチャーシューを使っているそう。「水戸藩らーめん」を提供している8店舗の中で、唯一豚ではなく鶏を使っているという特徴があります。
「水戸藩らーめん」と呼ばれるラーメンは、五辛(ニラ・らっきょう・ネギ・ニンニク・生姜)が必ずついてきます。
五辛とは、漢方に由来する五種類の薬味という意味。「水戸藩らーめん」の上にのせて食べるので、中華料理というより薬膳料理に近いとも言えます。薬味はどれも体を温めてくれる効果があり、ラーメンを食べているだけで体はポカポカに。薬味の効果もあって、食欲を刺激する香りに包まれます!
写真:安藤 美紀
地図を見る「水戸藩らーめん」の特徴は、何と言っても麺にあります。
茨城県はレンコンの生産量日本一。そのレンコンを粉にして、小麦粉と一緒に練り込み「水戸藩らーめん」の麺にしているのです。
普通のラーメンに比べると、やや茶色く日本蕎麦のような色合い。「水戸藩らーめん」に加盟していないお店では、この麺を使うことができないんだそう。
レンコンが練りこまれた麺は、もちもちしているのが特徴。スープもよく絡み、水分を含むとさらにもちっとした食感になります。
写真:安藤 美紀
地図を見る「水戸藩らーめん」をご紹介してきましたが、茨城にはもう一つ、ラーメン通が絶賛するご当地ラーメンがあります。それが、水戸市やひたちなか市を中心に作られる「スタミナラーメン」。
このラーメンには、通称“あたま”と呼ばれる熱々のあんがたっぷりかかっています。具は、レバーやかぼちゃ、ホルモン、緑黄色野菜などがあり、お店ごとに少し違いがあります。
石田屋の「スタミナラーメン」は、レバーを使ったピリ辛系。他のお店だと、かぼちゃが入っていることが多いのですが、石田屋の「スタミナラーメン」には入っていません。かぼちゃの甘さが控えめな分、食べやすいと人気だとか。こちらも「水戸藩らーめん」同様人気のメニューで、インターネットや雑誌を見た人が県外から食べにくることもあるそう。
また「スタミナラーメン」には、麺が温かいものと冷たいものがあります。石田家では、冷たい「スタミナ冷やし」の方がオススメ。冷やしという名前がついたラーメンですが、熱々のあんと絡めると麺がちょうどいい温かさになります。麺はツルシコで、歯応えたっぷり。夏だけでなく、冬でも美味しく食べられますよ!
体に優しい「水戸藩らーめん」やボリューム満点の「スタミナラーメン」は、ラーメン通が注目する茨城のご当地麺です。ラーメン好きの方なら、そのルーツを辿ってみるのも楽しい旅になることでしょう。
首都圏からのアクセスが便利で、気軽に出かけやすい茨城。郷土愛がたっぷりつまった美味しいラーメンを味わってみませんか?
〈石田家〉
■営業時間 11時00分〜19時30分
■定休日 毎週水曜日
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この記事を書いたナビゲーター
安藤 美紀
1975年愛知県生まれ。東京や埼玉に移り住み、エンジニアと二足のわらじで「新しいトキメキと癒し」を求めて飛び回っていました。現在は、フリーライターとして独立。まったりした静岡に移住しています。非日常感…
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