写真:沢木 慎太郎
地図を見るここ曽根崎村にある露天神(現・露天神社)の森の中で、追いつめられた若い男女があの世で結ばれようとした心中事件が発生しました。
男女の名前は、遊女の「お初(21歳)」と、醤油屋の「徳兵衛(25歳)」。
この出来事を題材にしたのが、近松門左衛門が書いた人形浄瑠璃『曽根崎心中』で、二人の悲恋物語は広く知られることになり、露天神社はヒロインの「お初」にちなんで“お初天神”と呼ばれるようになりました。
心中事件から300年以上が過ぎた今でも、露のように儚く消えたふたりを偲び、参拝に訪れる人がたえません。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る『曽根崎心中』は、江戸時代に上演され、広く民衆の涙を誘いました。
お金のトラブルを巡り、死んで身の潔白を証明しようと決心した「徳兵衛」。
好きでもない男に抱かれる「お初」。
ふたりは夜、手を取りあって露天神の森へと向かいます。
当時、借金の肩代わりとして遊郭に売られた娘を連れて逃げることは死を意味していました。
どこにも逃げ場のないふたりは、この世の「外」へと逃げてゆきます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る『曽根崎心中』は江戸時代に大評判となり、舞台となったお初天神に大勢の人々が押しかけたそうです。
お初天神の境内には、「徳兵衛」「お初」のふたりのブロンズ像が手を取りあい、仲よさそうに並んでいます。
儚く消えたふたりの300回忌の後に、「お初さんのために」と寄付があり、これをきっかけに地元の商店街などからも寄付金が寄せられ、2004年にブロンズ像を建立。露と消えた姿が目に見える形で現れ、ふたりは喜んでいるようにも見えます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る悲しい恋物語の舞台となったお初天神ですが、現在では“恋愛成就のパワースポット”として雑誌などで紹介され、女性の参拝者が増加。恋愛成就などを願う「美人祈願絵馬」が人気を集めています。
バレンタインデーの時期には「彼ができますように」「ご縁がありますように」と願いを込めた絵馬が並び、ひそかなブームとなっています。
絵馬は日本髪を結った女性の顔の輪郭が描かれており、目や鼻を書き加えて、より美しくなりますようにと祈願します。ご覧の通り、たくさんの絵馬が境内に奉納されています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るお初天神に参拝されたら、是非とも立ち寄っていただきたいのが、曽根崎お初天神通り商店街。
境内に沿うように延びた商店街で、約100店舗が軒を並べています。入り口にはお初さんの顔が描かれ、なんともユニークな商店街。
終戦直後からお初天神の境内に飲食店が集まり、30店舗ほどがお初天神食道街として栄えたことが、曽根崎お初天神通り商店街の始まり。
大阪らしい気さくな店主が多いこともあり、親しみやすい商店街として人気の曽根崎お初天神通り商店街。平日の昼間にもなると、梅田界隈に勤めるビジネスマンやOLの食事処としてたいへんな賑わいを見せています。
“恋愛成就のパワースポット”のお初天神。大阪の味を堪能している合間に、恋愛成就のパワースポット“お初天神”で、みずからの恋に誠実であり続けたふたりに思いを馳せるのはいかがでしょうか?
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(2024/12/13更新)
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