観光地・江ノ島の「足元」に注目! 磯の生きものを探そう

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観光地・江ノ島の「足元」に注目! 磯の生きものを探そう

観光地・江ノ島の「足元」に注目! 磯の生きものを探そう

更新日:2015/04/21 15:21

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

江ノ島といえば、言わずと知れた神奈川県指折りの観光地。水族館に生シラス、展望台、トンビ(!)など、江ノ島といえばこれ!というキーワードはたくさんありますよね。そんな中でお勧めしたいポイントは、海岸線。島の南側は断崖絶壁となっており、波の打ち付ける岩場景観は圧巻です。さらに足元に目を向ければ、カニやヤドカリなど、子供達に人気の生きものがたくさん。江ノ島の海岸は、実は関東有数の自然豊かな環境なのです。

「江ノ島の磯めぐり」をおススメする4つのポイント

「江ノ島の磯めぐり」をおススメする4つのポイント

写真:鷹野 圭

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磯場は、昔から子どもたちにとっては格好の遊び場。岩の隙間を覗き込んで、カニやウニなどを探すのに夢中になった方も多いことでしょう。とはいえ最近は「安全」を重視するためか護岸が進み、首都圏ではゴツゴツした岩場の海岸線は大分減ってしまいました。仮に魅力的なスポットがあっても、徒歩では立ち入れないような危険な場所やアクセスの良くない僻地にあることも多く、磯というものを身近に感じる機会が少ないことは否めません。

そうした中でこの江ノ島南側の海岸線は、手軽に充実した磯めぐりを楽しめる神奈川県内でも貴重なスポットなのです。おススメしたい理由としては、大きく分けて次の4つが挙げられます。

1.最寄駅(片瀬江ノ島)からのアクセスが良い。
2.島内に飲食店やお土産物屋、史跡など「+アルファ」のお楽しみが多い。
3.平らな岩場が多く、余程の無理をしなければ怪我をする可能性は低い。
4.水がきれいで、人が多い割に生きものの生息密度が高い。

写真を見てもわかります通り、決して険しくない平たい岩場の随所に海水の水たまり(タイドプール)ができており、満潮時に流されてきて定着した生きものがあちこちに潜んでいます。ちなみにこの写真は、島の中を通って神社等を経由していく南西側の磯。この他に、ヨットハーバーや波止場などを横目に島の東側海岸を通って行ける南東側の磯もあり、どちらも生きものの豊富なエリアとなっています。どちらかというと南西側の方がなだらかなので、小さなお子さん連れの方などはまずこちらを訪れてみるといいでしょう。

いつの時代でも、カニは子どもたちの人気者!

いつの時代でも、カニは子どもたちの人気者!

写真:鷹野 圭

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写真のカニはイワガニといい、江ノ島では恐らく最もよく見かけるカニです。大きさは、大人の個体で殻の直径が3〜4センチくらい。黒緑色に黄色い横縞模様が入った、よく見るとなかなかお洒落なカニ。岩の隙間などを棲み家にしつつも、浅い水たまりや岩の上、時には写真のような砂浜など結構目立つところに出てくることが多いので、かなり簡単に見られます。

これだけ目立つと簡単に捕まえられそうですが、警戒心が強くすばしっこいので、危ないと感じたらすぐに巣穴に隠れてしまいます。そのため、ありふれた生きものの割に観察や撮影は難しいですが、そんな時は隠れた場所の前でしばらくジーッと待機してみましょう。5分くらいすると、結構な確率で外に出てきてくれますよ。焦って探し回るのではなく、時には「待ち」も大切なのです。

カニ・ヤドカリとは一味違う、不思議な生きものも……?

カニ・ヤドカリとは一味違う、不思議な生きものも……?

写真:鷹野 圭

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活発に動き回るカニなどの甲殻類とは違い、岩場にくっついたまま植物のように動かない「動物」もたくさんいます。カイメンやフジツボ、イソギンチャクなどがこれに該当し(イソギンチャクは少しだけ移動できるようですが……)、こうした生きものはタイドプールを覗き込めばいくらでも見つかります。

そんな生物多様性に恵まれた岩場には、時に写真のような異色な生きものが現れることも。2本の触覚のようなものを生やしたこの生きものは、アメフラシ。驚くと紫色の液体を出して威嚇することで有名な磯の生きもので、名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね。江ノ島では、海水温の上がる春先くらいからタイドプールに時折現れるようになります。10〜30センチと大型で存在感があり、見た目に反して水中では割と活発に動き回るので、かなり目立ちやすく印象に残るはずです。少々グロテスクなのでさすがに好みが分かれるでしょうが、こうした生きものがイソギンチャクや海藻の隙間を縫って移動する様子は、まさに「磯」という雰囲気を醸し出してくれます。海水もなかなか澄んでいますので、この辺りのタイドプールはちょっとしたアクアリウムのよう。水族館が好きな方ならきっと楽しめることでしょう。

ちなみに春先などに、タイドプール内の岩にほぐす前のラーメンや焼きそばのような黄色い物体が貼り付いていることがあります。これがアメフラシの卵。運が良ければ、産卵シーンを見かけることがあるかもしれません。

トビとは一味違う、貴重な猛禽も……?

トビとは一味違う、貴重な猛禽も……?

写真:鷹野 圭

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グライダーのように優雅に滑空しつつ、時折人のお弁当を狙って(!)急降下してくるトビは、厄介な存在ではありますが飛ぶ姿はなかなか優雅。江ノ島の一つの風物詩となっています。

そんなトビと同様、鋭いクチバシと爪を持つ勇ましい猛禽類がもう一種、ここ江ノ島には頻繁に飛来します。それが写真の鳥。一度は名前を耳にしたことがあるかと思いますが、絶滅の心配されるハヤブサです。間近でお目にかかれる機会はあまりありませんが、溢れんばかりに観光客の集まる賑やかな島に貴重な鳥が現れる……これだけでも結構驚かされます。江ノ島では春になると毎年のように目撃報告があがり、そのたびに多くのバードウォッチャーが集まります。春場、三脚やカメラをぶら下げた人を海岸線で見かけたら、ほぼお目当てはハヤブサだと思っていいでしょう。

ハヤブサといえば、急降下して飛ぶ鳥を襲う猛禽として有名。ここ江ノ島でも、運が良ければダイナミックな狩りのシーンを目にできるかもしれません。ただし、貴重な鳥だけに近付き過ぎたりするのは禁物。せっかく巣を作ってヒナを育てようとしているのに、脅かしてしまえば営巣を放棄し、そのまま二度と見られなくなってしまうかもしれません(地元のバードウォッチャーの皆さんはその辺りを弁え、ある一線を越えて近づかないように気を配っています)。

断崖絶壁を好む鳥なので、江ノ島では南側の磯辺でよく目撃されます。あまり刺激しないように最低限気配りしつつ、岩場や上空を探してみましょう。そう近くには来てくれませんので、双眼鏡があるとベターです。江ノ島の岸壁では、他にもイソヒヨドリなどが有名。こちらは赤と青のコントラストが美しい小鳥(ただしメスは褐色で地味な色)で、ハヤブサとは違い四季を問わずとても高い確率で見かけます。

足元から上に目を向けることで、江ノ島に息づくまた別の「命」を探してみましょう。

展望の美しいお食事処で、海の幸を楽しみましょう!

展望の美しいお食事処で、海の幸を楽しみましょう!

写真:鷹野 圭

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海辺の観光地とくれば、魚介類のお食事処・レストランがつきものです。江ノ島でも、島に渡って目の前のメインストリートである弁財天仲見世通りでは、食事処や土産物屋が軒を連ねるほか、ハマグリ・ツブ貝の串焼きの店頭販売(トビには気を付けましょう)や和菓子屋さんなどがあり、年間通じて最も観光客が集中します。賑やかで活気がありますが、もっと落ち着いたところで食事を楽しみたいという方は、島の奥に向かいましょう。

写真は、高い崖の上に位置する「魚見亭(うおみてい)」のテラス席。ご覧の通り、眼下には波の打ち付ける岩場が広がり、その奥には相模湾の大パノラマが! 高所恐怖症の方には厳しいかもしれませんが(汗)、江ノ島ならではの景観美を楽しみたいならおススメです。ちなみにこの高さですと、眼下をトビが飛ぶ姿を見られることもあります。お食事時は基本的に脅威となりがちなトビですが、険しい岩場の上を舞う姿は結構絵になるハズです。

お食事はもちろん海の幸が中心。しらすもありますが、ぜひ一度ご賞味いただきたいのが江の島丼(写真)ですね。焼いたサザエを卵でとじ、アツアツのご飯と一緒に頂く、まさに地元の香りに満ちた逸品!お値段もリーズナブルですよ。

食や風景と共に楽しむ、江ノ島の生きものめぐり

単純に磯の生きものを目にしたいだけなら、多少足を延ばせば他にも魅力的なスポットはあることでしょう。そうした中で江ノ島をイチオシする一番の理由は、やはり楽しみのコンテンツが一つに留まらないことでしょう。生きものの暮らす環境が整っていながら、これほどまでに観光地としての人気が高い臨海スポットは、首都圏ではかなり稀といえます。岩場の広さや歩きやすさも魅力で、タイドプールの数も多く、一つひとつ中を覗いていると時間が経つのを忘れてしまうほどです。

江ノ島神社やサムエル・コッキング苑など、重要な史跡や、家族や恋人と一緒に楽しめるスポットも多い江ノ島。まずはその「ついで」にでも、海岸線に足を運び、タイドプールを覗き込んでみてください。新しい江ノ島の魅力がきっと見つかるはずです。

【江ノ島本島へのアクセス】
小田急線「片瀬江ノ島駅」より徒歩5分
江ノ島電鉄「江ノ島駅」より徒歩10分
湘南モノレール「湘南江の島駅」より徒歩11分

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/13 訪問

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