写真:SHIZUKO
地図を見る日本を象徴する花といえば『桜』ですが、実は日本は、その種類でも本数でも群を抜く世界に冠たるツツジ王国なんです。ツツジには、いろんな種類があり、常緑樹で大きな派手な花を咲かせるシャクナゲもツツジなんです。また全国的に、公園や生け垣用に栽培され、5月から6月にこぶし大の赤紫の花を咲かせるヒラドツツジも有名です。
今回ご紹介する葛城山には、コバノミツバツツジ・ミヤコツツジ・ヤマツツジ・レンゲツツジ・モチツツジなどが群生しています。開花時期ピッタリに登ることが出来れば、それはそれは、びっくりする美しい風景に出会えます。
葛城山のツツジは、自生のものです。
かつて山頂付近を覆っていた笹が花を咲かせて一斉に枯れてしまい、その後にツツジが成長し、美しい風景を作っているとのこと。現在は、笹が再び成長しないように毎年2回、笹狩りが行なわれ、ツツジの群生を維持されているそうです。
写真:SHIZUKO
地図を見る山頂の標高は959メートル。登山口が標高300メートルなので、650メートルの標高差を2時間かけてゆっくりと登りましょう。山頂までは、あまり眺望もなく、急な階段が続く道なのでどっちかというと退屈な登山です。でも、これも美しい風景に出会う準備だと思えば、平気で歩けることでしょう。
登り始めて15分くらいで櫛羅の滝(くじらのたき)に出ます。大きくはないけど、美しい姿。役行者が修業した滝として有名です。
写真:SHIZUKO
地図を見る一歩ずつ確実に登って、登り切ったところにあるのが『葛城天神社』。とてもパワーを感じる素敵な古神社。境内から古墳時代以前の石器や土師器が発見されていて、古代祭祀遺跡とみられています。
天神社から山頂まであと少し。ロープウエイで上がってきた人たちも歩く緩やかな坂道を10分ほどで山頂に到着。山頂はなだらかな高原になっていて、360度の素晴らしい眺望。苦労して登ったかいがあります。大阪平野も奈良盆地もくっきりと見渡すことができます。
えっ、ツツジは? …そうなんです。満開のツツジが見られるのは山頂からもう少し歩いた緩やかな南斜面です。さあ、進んでいきましたょう。
写真:SHIZUKO
地図を見るピークを少し下ると、お待ちかねのツツジです。山頂から続くなだらかな南斜面に見事なツツジの群生。見渡す限りの山肌が、美しいオレンジがかった赤に染まっています。噂にたがわぬ美しさ。花には、朝露がまだ残り、太陽に照らされキラキラ輝き、一層の美しさを見せてくれます。
木によって少しずつ色が違い、柔らかなグラデーションはいつまで見ていても見飽きません。散策道があちこちにありますから、ツツジのトンネルをくぐったり、下から見上げたり、上から見下ろしたり、存分にツツジをご堪能下さい。
写真:SHIZUKO
地図を見る山頂にあるのが国民宿舎『かつらぎ高原ロッジ』。名物の鴨鍋料理(予約制)が人気の宿。春のツツジだけではなく、夏には緑の絨毯に爽やかな風が吹き抜け、秋はススキの大草原。冬は樹氷と四季を通じて楽しめる葛城山に宿を取れば、早朝ならではの美しい風景はあなたのもの。また、360度の大展望が自慢の葛城山。夜景の素晴らしさもピカイチなんです。
特にツツジの時期は、ロープウエイが2時間待ちなんてこともありますから、一泊する価値は充分にあります。
アクセスの良さも人気の葛城山。登山というよりは、ハイキング気分で気楽にお出かけ下さい。満開のツツジに、圧倒されること間違いなし。垣根などで見るツツジは背が低いのですが、自生の山のツツジは2メートル以上の大きな背の高い木。小さな花から、大きな花まで、近づいて見れば個性豊かな花々。春の陽気に誘われて、ぜひ、一度お出かけ下さい。
この記事を書いたナビゲーター
SHIZUKO
中学生のころから、一人でウロウロ。大学生になってからもあちこちをウロウロ。仕事が忙しくても、暇を見つけてはウロウロ。旅で出会った人、モノ、風景が、自分を育ててくれたと感謝しています。そんな瞬間や経験を…
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