提供元:遠藤隆尚
地図を見る長さ約70キロメートル、幅約25キロメートルと狭く細長い半島に、海抜0〜1,600メートルを超える高低差と連なる山々、そして湖や湿原、河川に滝に森林と凝縮されたかのような複雑な自然環境と多様な生物が暮らす自然の宝庫、知床半島は北海道でも雄大な大自然を満喫できる道東エリアにあります。
知床といえば流氷にクリオネ、知床五湖が有名ですが、自然遺産を満喫するならば、知床連山のトレッキングがお薦めです。特に最高峰の羅臼岳は標高1,661メートルと小さいながらも、日本百名山や花の名山として全国的にも有名で人気な山の1つです。
登山口は太平洋側の羅臼町の羅臼温泉付近から登る羅臼温泉コースと、オホーツク海側の斜里町の岩尾別温泉付近から登る岩尾別コースがあり、それぞれ登山道が整備されています。羅臼温泉コースの方が距離も長く夏でも雪渓が残るため上級者向きで、岩尾別コースの方が一般的なルートとなっています。
*硫黄山登山口(カムイワッカ湯)側から縦走するコースもあります。
*ルートの詳細はMEMOの「知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンター」を参照してください。
本州では標高2,000メートルを超える山に登らないと、お目にかかれない高山植物。知床半島は北緯が高いため、標高1,661メートルの羅臼岳でも高山植物が楽しめます。
夏ともなると様々な高山植物が咲き乱れ、冬の真っ白な世界からは想像できないほど色鮮やかで小さな花があちらこちらで見られます。すずらんのように丸くうつむき加減なアオノツガザクラやイワヒゲ、山吹色が目に眩しいエゾキンバイソウ、ピンク色がかわいらしいエゾツツジなど、トレッキングをしながら足元にも目を向けて高山植物を探してみましょう。
面白いのは残雪の残るあたりの植物はまだまだ蕾、少し離れた所は花盛り、そしていちばん日が当たる場所は花は枯れ実がついているなど、同じ花なのに咲く場所によって春〜秋までの花の一生がみられ、ついつい足を止めて探してしまいます。
慣れていれば日帰りも可能ですが、ここは是非8合目付近の羅臼平で1泊してみてください。テント場周辺では、メアカンフスマやメアカンキンバイなどの貴重な高山植物の群生も楽しめます。夜にはもちろん満点の星空がお待ちかね。山の中のロマンチックな星空鑑賞だなんて、格別な一夜になりそうですね。
*羅臼温泉コース、岩尾別コース共に羅臼平に合流します。
*テント場から少し離れた位置にフードロッカーがあります。
約500年前まで火山活動を続けていた羅臼岳。知床富士とも呼ばれる山の山頂付近は、かつて活火山であったその面影が残る荒涼とした世界が広がっています。
羅臼平からハイマツ林の間にできた少し急な登山道を登り、岩清水で雪解けの美味しい水で喉を潤したその先の9合目付近からは、何メートルもある大きな岩場をよじ登ります。たくさん咲いていた高山植物も次第に少なくなり、岩と空だけの静かな世界で手と足を使って慎重に1つ1つ岩を攻略し、猫の額ほどの羅臼岳山頂を目指しましょう。
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地図を見る羅臼岳山頂から知床半島を眺めてみましょう。狭く細長い半島の様子が非常によく見て取れるはずです。天気が良ければ北東に千島列島が見えるかもしれません。
太平洋側は降水量が多く、雲のような海霧が発生し海を包み込んでいます。湿った空気が知床連山にぶつかるためフェーン現象が発生し、オホーツク海側は高温で降水量も非常に少なくなります。見た目でもはっきりとわかるほどに、知床連山を挟んで太平洋側とオホーツク海側で異なる気候を1度に目にできるのも、羅臼岳山頂ならではの景色なのです。
*写真右手が太平洋側で、左手がオホーツク海側です。
下山後には名湯で汗を流せば、トレッキングの疲れもすっかり癒えるはず。北海道の短い夏、日本百名山そして自然遺産の雄大さを、羅臼岳トレッキングで存分に感じてみてください。
*登山計画はしっかりと立て、現地でも情報収集を心がけましょう。
*基本的に登山道沿いにトイレはありませんので、携帯トイレを持参してください。
*夏も雪渓が残ります。アイゼン、ピッケル等を持参しましょう。
*知床はヒグマの生息地です。
*その他、詳しくはMEMOの「知床世界自然遺産・知床国立公園 羅臼ビジターセンター」を参照してください。
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(2024/9/18更新)
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