写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見るそうなんです。場所は山奥でも海のそばでもなく、和歌山ICから車で5分程度の比較的町の中に「花山温泉」がございます。
開湯は遠く西暦803年平安時代までさかのぼると言われています。
ただ、ある時天変地異による地質変化により温泉が湧出しなくなったのですが、その後昭和40年に500mほど掘削したところ、温泉が湧き出し、現在に至るそうです。
500mも掘削しているにも関わらず、なんと自噴で湧き出ているという貴重な温泉でもあります。
(自噴とは自然に湧き出る現象で、掘削した多くの温泉は機械によるポンプアップをしています。)
また「花山温泉」は日帰り利用の方が多いのですが、実はお宿で宿泊も可能です。
写真は休館日に特別に取材をさせて頂きましたので、貸切状態で満喫させて頂きました。
(とても人気の温泉なので、通常営業時はお客さんが常に沢山いらっしゃいます。)
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見るご覧の通り、茶色く染まった濁り湯です。
温泉の浴槽は内湯に3ヶ所(26℃、38℃、41.5℃)と、露天風呂(40℃)に1ヶ所ございます。
泉質名は「含二酸化炭素・鉄-カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉」というとても長い名称になります。
色々な温泉へ訪れている私ですが、ここまで長い泉質名はなかなかお目にかかれません。
まず、最初に記載されている「二酸化炭素」と「鉄」。こちらはいわゆる「特殊成分」と呼ばれる泉質になり、ひとつでも記載されているだけで特徴のある泉質なのですが、それが2つも入っています!
「二酸化炭素」は、炭酸ガスにより毛細血管が拡張され、血行が良くなる効果が期待できます。
また、「鉄」は飲用することで貧血に効果が期待でき、また浴用では、良く温まると言われています。さらに空気に触れることにより茶褐色になる場合が多く、「花山温泉」のお湯が茶褐色になっているのも、この「鉄」の含有によるものです。
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見るこちら、私が入浴しているのが源泉そのままの「加温無し、加水無し、消毒無し」の温泉です。
源泉温度26℃ですので、プールのような温度です。
ひんやりとしますが、炭酸成分(二酸化炭素)が豊富なため、血行がとても良くなることでじんわり温まってまいります。
なので、じっくりと長湯をして頂きたいですね。
特に冬場は加温浴槽でじっくりと温まってから、こちらの源泉浴槽を堪能してくださいませ。
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見るこちらが、源泉の湯口。
勢い良く、シュワシュワーっとサイダーのように気泡を含む源泉が注がれています。
炭酸成分が豊富に含んでいることが明らかにわかります。
また、温泉成分が析出して湯口まわりは、こんなにもっこり?な、なんとも不思議な形状になっています!
色々な温泉を巡っている私ですが、ここまでの析出はトップクラスです。
写真:温泉ソムリエぐっち
地図を見る最後に露天風呂です。
昨夜からボイラー(加温)もかけ流しも止められていて、溜まり湯の状態でした。
じっくり見てみますと、何かがおかしい・・・。
なんと湯の表面に膜が張っています!
指で「つんっ」と突きましたら、パリッと膜が割れ、写真のような状態に。
おそらく温泉に含まれているカルシウムの成分が凝固しての現象かと思われます。
マネージャーさん曰く、宿泊客かスタッフしか見られない光景とのこと。
貴重な温泉の光景を目の当たりにしました。
本当に成分の濃い温泉だと痛感しました。
「花山温泉」でのおすすめの入浴方法は「加温された浴槽」と「源泉そのままの冷たい浴槽」を交互にお入り下さい。
そうしますと、とても血行が良くなり、Goodですよ。
はたまた、こちらの温泉、飲めるんです!
ロビーから浴室の廊下に飲泉場がございます。
「源泉を数滴淹れ、水で割って・・・」の但し書きがありますが、ツワモノの方は是非そのままで!
びっくりするほど「まずいっ!」です。
ゆえ、成分の濃さを舌でも味わって頂きたいなと思います。
春〜秋にかけて、おすすめの温泉です。
濁り湯好きな方、炭酸泉好きな方、ぬる湯好きな方、鍾乳洞好きな方?に、とってもおすすめな温泉です。
【施設名】花山温泉 (薬師の湯)
【住所】〒640-8303 和歌山県和歌山市鳴神574
【電話】073-471-3277
【営業時間】8:00〜23:00
【定休日】毎週木曜日(祝日の場合は営業)
【料金】8:00〜17:00は1000円、17:00〜23:00は600円
【泉質】含二酸化炭素・鉄-カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉
【湯の使い方】加温有りと加温無し・加水無し・消毒無し
【pH】6.4(中性)
【その他備考】宿泊可能です。
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(2025/2/15更新)
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