写真:bow
地図を見る「京都御苑」は京都市内中心部にありながらも自然が豊かで市民の憩いの場になっています。「京都御苑」はもともとが皇室の苑地に当たる国民公園という珍しい公園。国民公園は環境省が管理していて、「京都御苑」「皇居外苑」「新宿御苑」と日本で3つしかないという公園なのです。
そんな「京都御苑」内には、過去にたくさんの屋敷が立ち並んでいましたが、明治時代以降は御所など一部の建物を残して屋敷を撤去し、樹木植栽が行われました。そのおかげで多種多様な自然に出会える豊かな自然が現在も残されています。
そんな「京都御苑」の一角にあるのが『母と子の森』と呼ばれる森です。
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地図を見る「京都御苑」には鳥類約100種、蝶類約50種、トンボ約20種、セミ類約8種、菌類は400種以上が確認されています。「京都御苑」はこのような多種多様な生物に四季を通じてふれあうことができる、まさに”森の博物館”のようなもの。
そんな豊かな自然と親子でふれあえる場を提供するために『母と子の森』が昭和61年、当時の環境省長官・石本茂氏により提唱され、整備されました。
その『母と子の森』の中心にある小屋。この小屋は『森の文庫』と名付けられた、小さな森の図書館なのです。
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地図を見るこの『森の文庫』には四面に本棚があり、自由に読むことができるたくさんの本が収蔵されています。用意されている本は子供向けの図鑑など自然に関する本がメイン。森の中で生き物の観察をし、図鑑で調べたりしてより深く自然とふれあうことができるのです。
この『森の文庫』は利用料金もかかりませんし、管理人が常駐しているわけでもありません。しかしながら誰でも自由に利用できるという、善意だけを信じて運営されているというものなのです。
普通だったら考えられないようなおとぎの世界のような図書館なのですが、今日に至るまでずっとここにあり続けています。歴史を感じる本たちを見れば、この『森の文庫』が大事にされてきたことがひしひしと伝わって来ることでしょう。
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地図を見る『森の文庫』には図鑑ばかりでなく、絵本やファーブル昆虫記やシートン動物記などのちょっとした読書向けの本、さらには紙芝居のキットまで用意されています。
『森の文庫』の周囲にはベンチやテーブルがありますので、森で見つけた鳥や植物などをその場で図鑑で調べたり、ゆっくりと読書を楽しむことができます。
また、『母と子の森』には野鳥の為の水場も用意されていて、水を求めて沢山の野鳥も飛来しています。他にも森の中にはポイントごとに自然の解説が書かれた標識もあり、大都市京都の中心にありながら、『母と子の森』は親子で自然に親しみながらふれあえる場所なのです。
「京都御苑」の『母と子の森』は京都御苑の北東、京都迎賓館の北側に広がっています。そして『森の文庫』が利用できる期間は4月〜11月。生き物たちの数が減る冬場は閉館となっています。また、利用できる時間は朝9時〜16時まで。なお、雨の日は本が傷むので閉館となっていますのでご注意を!
京都の地元企業により多額の寄付金を出資し作られたという『母と子の森』、そして誰もが自由に利用できる『森の文庫』。善意を胸に、後の世代までいつまでも使えるように心がけたいですね。
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この記事を書いたナビゲーター
bow
京都生まれ、京都育ちの生粋の京都人です。仕事で全国を飛び回り、京都の良さを再認識したため、京都の観光に携わる仕事をしています。全国を旅した経験と、観光業界に生きる人間としての視点、更には京都人ならでは…
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(2025/1/17更新)
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