南門から一の鳥居をくぐると下境内。左手に手水舎があります。鳥居の前で一礼し、手水舎で手を洗い、口をすすぎましょう。
そこで気になるのが、手水舎の彫刻です。軒下には亀や獅子、卍をベースにデザインされた紗綾(さや)形模様に、躍動感あふれる波が描かれており、その豪華な彫刻は柱にも及びます。全ての柱の4面に亀甲を3つ組み合わせた毘沙門亀甲模様が丁寧に彫られており、日本古来の美的感覚が凝縮されているかのような手水舎となっています。
下境内と本境内を分ける神門です。華やかな朱塗りで、小さいながらも美しい門になっています。ここを通って社殿へ参りましょう。
本境内を進むと、お守りの授与や各種祈願の申込受付を行う授与所や、女性の乳房のような形に育ったことから「乳銀杏」とも呼ばれる秩父宮妃殿下お手植えの銀杏などがあり、前方に本殿が現れます。
いよいよ、こちらが社殿になります。
社殿は、拝殿・幣殿・本殿が連続する権現造りの形式で、天正20(1592)年に徳川家康によって寄進された建物です。名工・左甚五郎によるものを含めた数多くの彫刻が施されており豪華絢爛です。
拝殿正面の彫刻には虎が多くあり、左方に左甚五郎作の「子宝 子育ての虎」も見られます。これは家康が寅年・寅の日・寅の刻生まれであることが由来しており、徳川の威光を示し、祭神を守護する神の使いとして彫られたとされています。
社殿注目の彫刻は「子宝 子育ての虎」以外に3つあります。それが本殿東の「つなぎの龍」、北の「北辰の梟(ふくろう)」、西の「お元気三猿」です。
「つなぎの龍」は秩父観音霊場札所15番・少林寺の近くの天ヶ池に棲みついた龍が暴れると彫刻の下に水溜りができていたことから、この彫刻の龍を鎖でつなぎ留めたところ、龍が現れなくなった不思議な伝説が語られています。作者はこちらも左甚五郎。名工の精緻な技をとくとご覧下さい。
体は本殿を向き、頭を真北に向けて昼夜問わず祭神を守る「北辰の梟」、よく見て・よく聞いて・よく話す…現代らしい教訓を示す「お元気三猿」も見逃せません。
現代らしい教訓を示す「お元気三猿」もさることながら、絵馬を見てみると現代を生きる秩父神社の姿も垣間見えます。
秩父はアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の舞台となり、秩父の様々な場所がアニメーションで描かれました。アニメの内容は、1人の死によって疎遠になってしまった幼馴染たちが、死んだはずの少女の出現によって再び集まりはじめる、というもの。
そして、ここ秩父神社も舞台のひとつ。リアルな心理描写に感銘を受け、秩父にも興味を持った視聴者が訪れています。絵馬を見るとアニメキャラクターを描いた絵馬が見られ、人気の程が分かります。
古来よりこの地に鎮座する秩父神社は、存在そのものが秩父の歴史の長さを伝え、祭神から平氏や皇室との関連を知り、建築から徳川氏との結びつきを知ることができます。そして、絵馬からアニメとの関係も。
昔ながらの建物も残る秩父の町歩きを楽しみながら、秩父神社の魅力をぜひ、ご自身で見て感じてみてはいかがでしょうか。
※営業時間、料金など詳細はMEMOのリンク「秩父神社」よりご参照ください。
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