日本最古のクラッシックホテル「日光金谷ホテル」!140余年の歴史と文化を巡る「時間旅行」へ出発!

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日本最古のクラッシックホテル「日光金谷ホテル」!140余年の歴史と文化を巡る「時間旅行」へ出発!

日本最古のクラッシックホテル「日光金谷ホテル」!140余年の歴史と文化を巡る「時間旅行」へ出発!

更新日:2016/01/07 17:00

フルリーナ YOCのプロフィール写真 フルリーナ YOC 絶景・感動探究家、旅する音楽講師

栃木県日光は、明治時代から外国人に愛されてきた国際的リゾート。その歴史は「日光金谷ホテル」なしには語れません。創業以来、外国と日本・外国文化と日本文化の懸け橋となり、常に最良のものを提供してきたホスピタリティーは、金谷ホテルを日本を代表する国際的リゾートホテルへと進化させてきました。その「日光金谷ホテル」の注目すべき見どころ、また文化の発信地としてのホテルの魅力に迫ります。

日本三大クラッシクホテルの知られざる逸話!「金谷」「万平」「富士屋」にはこんな繋がりがあった!

日本三大クラッシクホテルの知られざる逸話!「金谷」「万平」「富士屋」にはこんな繋がりがあった!

提供元:金谷ホテル

http://www.kanayahotel.co.jp/地図を見る

金谷ホテルの歴史は、明治4年頃、外国人を泊めてくれる宿がなく困っていたヘボン博士を、若き金谷善一郎が自宅に招き入れたことが始まりです。その後、善一郎はヘボン博士の勧めで、外国人専用の民宿「カッテージ・イン」をはじめました。カッテージ・インは評判を呼び更に発展、明治26年には「金谷ホテル」が誕生。さらに、明治34年には新館、昭和10年には、別館が竣工・完成(写真右の建物)。リンドバーグやチャップリン、ヘレンケラーやガンジーなど、多くの著名人も宿泊しました。

別館の設計者は久米権九郎。彼はシュトゥットガルト州立工科大学で建築を学び数々の名設計を残した建築家です。そして彼は、金谷ホテル別館設計の1年後には、軽井沢万平ホテルも設計しています。「万平ホテル」と「金谷ホテル」、内装の雰囲気が何となく似ているな、と思ったことはありませんか。それもそのはず設計者が同じなのですね。

またここ別館は、箱根宮の下の「富士屋ホテル・花御殿」と、兄弟の建物と言われています。実は花御殿の設計者は、金谷ホテル別館を建てた金谷眞一の弟正造。正造は富士屋ホテルに婿入りし山口正造となり、富士屋ホテルの3代目社長になった人物です。「富士屋ホテル・花御殿」と「金谷ホテル」も何となく雰囲気が似てるな、と思った方がおられると思いますが、こちらもまた、それもそのはず!設計者が金谷善一郎の息子だったのですから。

日本のクラッシックホテルを代表する、「日光金谷ホテル」・「富士屋ホテル」・「万平ホテル」には、こんな繋がりがあったのです。ぜひ、それぞれのホテルに泊まる時や訪れる時、そんな歴史の一コマを思い浮かべてみてくださいね。

開業当初は、現在のホテルの2階「ダイニングルーム」がロビーだった!

開業当初は、現在のホテルの2階「ダイニングルーム」がロビーだった!

写真:フルリーナ YOC

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現在の金谷ホテル本館は3階建ての建物ですが、「金谷ホテル」開業当初から昭和11年までの本館は、2階建て。古い写真を見ると、ベランダと車寄せを持つコロニアル風な建物でした。1階ロビーには鉢植えが飾られ、階段の手すりには赤いランプがあります。この赤いランプが現在の2階にあるダイニングルーム前にあるものです。つまり現在の2階のダイニングルームに当たる部分が、当時の1階ロビーになっていました。

実は、当時の金谷ホテルは別館を建てたのち、更にホテルを広げるため地下を掘り下げて、現在の1階部分を増築。そのため、それまでベランダに面した旧玄関にあった回転扉は、現在の玄関に移されました。この増改築により本館は、当時一世を風靡した旧帝国ホテルライト館(ライト設計)を模した重厚なイメージに一新され、現在に至っています。

現在のメインダイニングルームには、当時の面影が随所に残されています。ダイニングの飾り棚(サイドボード)も、細かい彫刻の施された素晴らしいもので、明治時代の金谷ホテル食堂の写真にも写っています。40年ほど前までは、今の小食堂の一角でお酒の瓶を並べ、バーとして使っていました。多くの外国人が、このバーで異国情緒に浸りながらお酒を楽しんでいた情景が目に浮かぶようですね。

また、金谷ホテルには多くの彫刻がありますが、その中でも目を引くのが、暖炉の上に飾られている作品「迦陵頻伽(かりょうびが)」。会津小荒井の「吉田仙十良」による彫刻で、岩絵の具の彩色が施された作品です(材質はケヤキ)。迦陵頻伽は、上半身が美しい女性で下半身は鳥の姿の生き物で、極楽浄土で妙なる声で鳴くと言われています。ぜひ注目してみてください。

小食堂の格子天井と美しい柱頭彫刻を見てみよう!

小食堂の格子天井と美しい柱頭彫刻を見てみよう!

写真:フルリーナ YOC

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ホテルの2階には小食堂と呼ばれている部屋があります。現在では小さなパーティーなどの会場や、日光ロータリークラブの例会場として使われていますが、実はここは増築前にはメインダイニングとして使われていた、ホテルで一番古い食堂です。

この小食堂の格子天井(写真)には、さまざまな花鳥風月が描かれています。ここも注目していただきたいポイント。格子天井は、最も格式の高い天井と言われ、神社仏閣や書院造りの部屋などによく使われています。二条城二の丸御殿や、日光東照宮外陣などの天井も格子天井です。

壁には十二支の彫刻が飾られています。また、丸い柱に施された、牡丹の花の柱頭彫刻の美しさにも目を見張ります。この彫刻は、金谷ホテル初期の写真にも見られ、同様の柱がメインダイニングにも見られます。作者は初代・二代目・三代目の彫恒という名であることがわかっています。

また、ホテルの外の高台には屋外スケートリンクとプール、それを観覧するための観覧亭と、日光山内を見渡せる展望閣があります。スケート場は大正5年頃、観覧亭と展望閣は大正10年にオープン。当時は毎年内外からスケート愛好家が訪れ、スケートを楽しみ温かい観覧亭で優雅な時間を楽しみました。この展望亭・展望閣は水の上に浮かんでるように見えるので「竜宮」と呼ばれています。まだスケートが珍しかった時代にあって、金谷ホテルは日光のスケート文化をも牽引してきました。

ホテルの夜を演出してきた、本館バー「デイサイト」

ホテルの夜を演出してきた、本館バー「デイサイト」

写真:フルリーナ YOC

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昭和11年、現在の1階部分が増築された時、この落ち着いた美しいバーも作られました。世界各国のお客様をもてなすために、ウイスキーやスコッチなどの種類も、当時から大変豊富に用意されていました。

そしてバーに、優しい深い落ち着きを与えているのが、この暖炉。これは一説によると、明治38年に金谷ホテルを訪れたフランク・ロイド・ライトの設計とも伝えられています。ニューヨーク・グッゲンハイム美術館や帝国ホテルの設計家としても知られるライトは、近代建築の三大巨匠のひとりとして知られています。この暖炉の作者がロイドだと断言することはできませんが、その作者を暖炉を眺めながら推理してみるのも、胸ときめくひと時です。

暖炉脇の美しい彫刻を持つ長椅子は、二代目社長・金谷眞一が大正14年に世界一周旅行に出た際、持ち帰ったものと言われています。歴史を経た長椅子の美しい艶は、このバーを訪れた数々の外国人や著名人、人々がこのホテルで過ごした美しい「時」を感じさせてくれます。

また、このバーでは真空管アンプでジャズのレコードを聴くことができます。お客さんの中には自分のLPレコードを持参して、リクエストする人もいるとか。懐かしいレトロな音でジャズを楽しみながらのお酒、特別な時間になりそうですね。

日光の文化を牽引してきた、金谷ホテル。そして今も!文化の発信地として。

日光の文化を牽引してきた、金谷ホテル。そして今も!文化の発信地として。

写真:フルリーナ YOC

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金谷ホテルの本館・新館・別館・竜宮・バー デイライト、そしてそこに集まる世界中の人々。そのそれぞれが、文化の創造・発信基地としての大きな役割を果たしてきました。こうして「金谷ホテル」のホスピタリティーと伝統は時代を超えて受け継がれ、日光という地にあって今も大きな役割を果たしています。

その一例としてあげると「金谷ホテル音楽祭」。15年以上にわたり毎年、コンサートが行われています。音楽監督・監修の鈴木 寛一氏をはじめ、日本を代表する著名な音楽家を招き行われる音楽祭は、金谷ホテルの妥協を許さない文化への思いが表れています。

コンサート会場として使われるバンケットルームは、明治34年に造られ、当初はダイニングルームとして使用されていました。天井は「吊り天井」工法。そのおかげで柱の無い広い空間が広がっています。ここは明治期から幾度となく、ダンスパーティーも行われてきました。床の木組みも当時からのものです。

また、四方の欄間は、バンケットルームが造られた時にあつらえた、三十六歌仙の画が飾られています。牡丹と虎が表裏に描かれた、ついたてや格天井などもあり、これらは東照宮拝殿のイメージを意識したものとみられています。

終わりに

いかがでしたでしょうか。現存する日本最古のリゾートクラシックホテル「日光金谷ホテル」。金谷ホテルが歩んできた140年の歴史とその文化的価値は広く認められ、国の登録有形文化財、近代化産業遺産に指定されています。

宿泊やランチはもちろんですが、それだけで終わってしまうのはもったいない!ぜひ、文化財としての金谷ホテルの魅力も十分に感じてみてください。また金谷ホテルの歴史について興味がある方は、展示室「金谷の時間」や「蔵出し写真館」「金谷ホテル歴史館」巡りもお勧めです。

今回はご紹介できませんでしたが、金谷ホテルの庭園も、四季折々に美しく魅力に満ちています。特に紅葉の季節の大谷川までの散歩道は素晴らしいです!また、レストランの食事・長年人々に愛され続けている100年カレーや、金谷ホテルベーカリーのパンやケーキの美味しさも絶品です。

そして最後にひとつクイズを!実は東照宮のみならず、日光金谷ホテルも「眠り猫」がいるのです。さて、どこに何匹いるでしょう?ぜひ金谷ホテルに宿泊して見つけてみてくださいね。それでは、歴史と文化を感じながらの「日光金谷ホテル」の時間旅行が、素晴らしいものとなりますように!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/04/08 訪問

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