写真:もんT
地図を見る「ななつ星in九州」は、JR九州が2013年10月より運行を開始したクルーズトレイン。DF200型ディーゼル機関車が7両の豪華客車を牽引し、九州各地の自然・食・温泉を巡ります。2014年には、鉄道関連の国際デザインコンペティションであるブルネル賞の優秀賞を獲得。チケットを申し込んでも、抽選結果待ち…というほど、今、超人気の豪華列車です。
観光ツアー客向けの列車であるため、市販の時刻表には運転日や時刻の記載がありません。しかし、公式ウェブサイトなどから、情報の入手は可能。列車が走る日は、平日でも見物客で沿線はちょっとした賑わいに…。列車に乗れなくても、列車を見ること自体が、今や“観光”になっています。
運転ルートは、1泊2日コースが土曜日出発、3泊4日コースが火曜日出発と固定されているので、毎週決まった時刻と場所で、必ず「ななつ星」に出会えることになります。特に注目なのは、火曜日の久大本線(久留米〜大分)の区間。中でも大分県内の山間部は沿線風景がすばらしく、光線状態も良好な時間帯・コースを走行するので、撮影には一番おススメ。途中駅での長時間停車もあり…、よって、列車利用でも追いかけて何度も撮影や観察が可能です♪「ななつ星」を撮るなら、ぜひ火曜日の久大本線へどうぞ!(車両整備の関係で運転されない場合もあるので、必ず「ななつ星」の公式サイトを確認して出かけましょう)
博多駅を火曜日の11:18に出発した「ななつ星」は、鹿児島本線を南下し、久留米から久大本線へと入っていきます。「ななつ星」の久留米発車は11:54。それよりも前、久留米発11:12の普通列車に乗って先回りします。
久留米からしばらくは筑紫平野をひた走りますが、夜明(よあけ)駅に近づくと、列車は大分県へと入り、山間区間に入ります。日田(ひた)駅で乗り継いで、さらに由布院方面へ…。玖珠川に沿って、鉄橋やトンネルの連続する山間部を軽快に駆け抜けます。
この山深い風景や風情を撮るのにおススメなのは、日田市の豊後中川駅周辺。まずはここで途中下車してみましょう。12:45に到着です。
駅周辺は春の時期は桜や菜の花が咲き誇り、ローカル駅の風情にあふれます…。駅から2分ほど歩いた線路沿いからは、前の段落のような絵が撮れるでしょう。
健脚の方は、駅前の国道210号線を由布院方面へ1.9kmほど歩いてみましょう。歩道が整備されているので、玖珠川の流れも見ながらのちょっとしたハイキングです。
30分弱で、玖珠川を渡る久大本線の鉄橋をのぞめる俯瞰ポイントに到着。ここからは写真のように、川と沈下橋を入れた構図と、アングルを変えての別構図と、あわせて2カットの作品が撮れるでしょう(写真は特急「ゆふ」号)。山間の風景を広範囲に俯瞰できるので、ビデオ撮影にもおススメのポイントです。
「ななつ星」の豊後中川駅通過は13:13頃。のんびり歩いていると間に合わないのでご注意を!「ななつ星」が通過した後は、普通列車や特急列車の撮影も楽しめます♪
この後は、豊後中川駅14:24発の由布院行き普通列車に乗って、「ななつ星」のあとを追います…。
写真:もんT
地図を見る写真:もんT
地図を見る玖珠川の渓谷を見ながらのローカル線の旅を楽しみ、列車は15:26に温泉地として有名な由布院に到着。隣のホームには、停車中の「ななつ星」が…。じっくりとホームにて車両の観察ができます。
由布院駅のホームには足湯(大人¥160・小人¥80。タオルと絵葉書付き)もあり♪
歩き疲れた足をここで休めながら、「ななつ星」と共に一休み…。ちょっとした贅沢ですね。
「ななつ星」の先頭機関車はホームからはみ出していますので、機関車を観察したいのであれば、駅を出て駅裏に行って見ましょう。写真のようなカットが撮れます。DF200型ディーゼル機関車のエンジン音を録りたい人にもおススメのポイントです。
「ななつ星」はツアー客が由布院観光を楽しんでいる間、由布院駅のホームにしばらく停車しています。しかし、列車の本数が増える夕方になると、ホームを空けるために15kmほど離れた庄内駅へと回送運行し、一時退避します。この退避する作業を夜の2往復行うので、その時刻をおさえておくと、何度もいろいろな撮影が楽しめます。
1往復目の回送運行は、由布院駅を16:18に発車。一息ついたら、ぜひ、この回送運行を見に、由布岳をのぞめる絶景ポイントへ出かけましょう。駅のレンタサイクルで、あるいは徒歩で、高原の心地良い空気を満喫しながら、南由布駅方面へと散策です。
写真:もんT
地図を見る由布院駅から大分方面へ、線路になるべく沿って20分ほど歩くと、由布院の町並みや由布岳がのぞめるポイントに到着。線路わき、あるいは少し先の跨線橋から、湯煙上る由布院の町や由布岳と共に、「ななつ星」を撮れるでしょう。
もっと良い構図で撮りたいのであれば、さらに20分ほど頑張って歩きましょう!田園の中に、線路を大きく跨ぐ陸橋が見えてきます。その上からは、写真のような構図で、由布岳を背に走る「ななつ星」の絵が撮れます。1回目の回送運行は、この場所を16:22頃に通過します。晴れていれば光線状態は最高です!
一度通過した後も、しばらくこの場所で、由布高原の清涼な空気に浸りながら、カラフルな普通列車の撮影を楽しみましょう。そうしているうちに、大分方面へと向かった「ななつ星」は庄内駅で折り返して、再び由布院駅へ17:17に戻ってきます(この場所の通過は17:12頃)。つまりこの場所では、撮影チャンスが2回あるということ…。光線の変化に合わせて、趣の異なる写真や映像を撮れるでしょう。
ここまで来ると、南由布駅はすぐそこ…、歩いて12分ほどです。歩きで来た場合は、南由布駅から列車に乗って帰れます。
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地図を見る由布院駅へ戻ってきた「ななつ星」は、20:09に再び回送運行で隣町の庄内駅へと向かいます。寝台列車ならではの、夜のカットを撮りたいのであれば、庄内駅がおススメ。写真のように、停車中の「ななつ星」の編成全体を入れての夜景撮影ができます。「ななつ星」は庄内駅に20:31に到着し、折り返し発車は20:44です。
庄内駅のホームは、わずかに蛍光灯の明かりがあるだけの漆黒の闇の中…。感度ISO800であれば、シャッタースピード4秒、絞り4.0がおよその適正露出の目安になるでしょう。フラッシュを焚くのは、運行を妨げる行為になるので厳禁です。停車時間がかなりあるので、じっくりと撮りましょう。
九州を東西に横断する久大本線。今回は、大分県内陸部で「ななつ星」を撮るのにおススメの、“火曜日限定”のプランを紹介しました。「ななつ星」のほかにも久大本線には、特急「ゆふいんの森」など、カラフルで魅力的な列車が走っています。季節ごとに表情を変える沿線風景…、魅力的な撮影ポイントや心惹かれる点景が、他にもきっと見つかることでしょう…。久大本線のローカル線に揺られて、「ななつ星」ウォッチングの旅をぜひ楽しんできてください。
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(2024/12/14更新)
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