写真:阿部 吾郎
地図を見る骨波田の藤がある長泉寺は、室町時代に建立された曹洞宗のお寺で、正式名称は、大用山骨波田龍洞院長泉寺といいます。入口の総門をくぐると参道の奥に見事な山門が見えます。藤の開花時期にはつつじも美しく咲き誇り色を添えています。
骨波田とはこのあたりの古い地名ですが、坂上田村麻呂が退治した大蛇の骨にまつわる伝説に由来しています。沼の底に沈む大蛇の骨が祟り村に疫病や天災をもたらしました。ある高僧が祈ると大蛇の骨が波を立てて沼の底から浮かびあがり、これを供養したところ疫病や天災はおさまりました。この高僧が長泉寺を開いたと言われています。
写真:阿部 吾郎
地図を見る樹齢650年と推定される埼玉県指定の天然記念物「骨波田の藤」です。幹が7本に分かれて広がり、主幹の太さは3.6メートルあります。花の房は1メートル〜1.5メートルにもなります。この広く張り出した枝、無数の花々が1本の木から出ていることに驚かされます。
写真:阿部 吾郎
地図を見る長泉寺は、室町時代にはたくさんの建物を有する広大な寺院だったのですが江戸時代の大火でそのほとんどが焼失してしまいました。その中で山門は焼失を免れ現在に至っています。藤の花越しに山門を望む風景は、まさに絶景です。
写真:阿部 吾郎
地図を見る山門の櫓の上に自由にのぼることができます。ここから骨波田の藤を見下ろすと、その大きさを改めて認識させられます。上の写真で、左すみに隣の木の白い花が見えますが、ここから一番奥までがすべて1本の木です。室町時代から江戸、明治、大正、昭和を経て650年かけてここまで成長したと思うと感動させられます。
写真:阿部 吾郎
地図を見る境内には、骨波田の藤を含め8つの藤棚があります。骨波田の藤の横には、推定樹齢270年の白い花が咲く藤の木があります。紫の藤とは、また違った清楚な美しさです。
上の写真では、白い花の藤の向こうに骨波田の藤が見えています。山の上に見えるピンク色は山つつじです。
藤の花の開花期間は、桜と同じようにあまり長くはありません。骨波田の藤の見ごろは、例年ゴールデンウィーク前後ですが、年によってズレがありますので、開花情報をチェックしてチャンスを逃さないようにしてください。
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この記事を書いたナビゲーター
阿部 吾郎
「見た人がそこに行きたくなる写真」をテーマに写真を撮っています。私の写真を見て「わー、ここ行ってみたい!」と思っていただければ望外の幸せです。好きなものは、旅・歴史・古い町並み・猫・花・おいしい食べ物…
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