六甲全山縦走路は、全長56kmのロングコース。アップダウンも激しく、登る高さを合計すると約3,000mにもなります。1日で踏破するコツは、スタート地点の山陽電車須磨海浜公園駅を早朝に出発すること。自分の身体に無理をかけないよう、マイペースに歩いていくのがポイントです。
事前の準備も大切。地図は「六甲全山縦走マップ」という専用の地図を神戸市が販売しています。迷いやすい場所の詳細な地図が別掲されていたり、高低図がついていたりと、つくりは本格的。価格は400円とリーズナブルで、郵送もしてくれます。
当日は、水、カロリーメイトなどの携帯食料、雨具は必携。夜間の歩行に備えてヘッドライトがあると安心です。
(本文下MEMOに「六甲全山縦走マップのご案内(神戸市)」へのリンクがあります)
六甲全山縦走路は、その名の通り標高931mの六甲山がハイライト。しかし、その他に15ものも山や峰を繋いでおり、魅力的な山も多くあります。例えば、スタートしてひとつめの山にして瀬戸内海を一望できる鉢伏山、100万ドルの夜景を満喫できる摩耶山の掬星台、「孤高の人」のモデル、加藤文太郎が毎日のように登っていた高取山などです。
写真は、横尾山と東山の間にまたがる須磨アルプスという岩場。
一見、「ここ登れるの?」と思わせるような急な斜面ですが、ご安心を。階段や鎖によって、安全に歩けるよう整備されているのです。
六甲全山縦走路のもうひとつの魅力となっているのは、目の前に立ちふさがる野性的な坂の数々。坂にはひとつひとつ名前がついていて、立て札で案内がされています。中でも登り応えがあるのが、摩耶山に登る際に越えていく稲妻坂と天狗道。どちらも急な岩場を両手をつかって登っていくもので、後者は「胸突き八丁」の異名すらもっています。
六甲全山縦走路に必要な時間は、14〜15時間が平均と言われています。急いで歩けば8時間程度で踏破することも可能ですが、はじめての縦走では道迷いがつきもの。ゆっくりと景色を楽しみながら歩くと、どうしても途中で夜を迎えることになります。そこで役立つのがヘッドライト。できるだけ広い範囲を照らし、足元に十分注意をしながら歩いてください。静かな夜の森も気持がよく、また、ゴールの宝塚へ向かって降りていく際に目の前に広がる大阪湾を臨む広大な夜景は、思わず声が漏れるほど美しいものです。
このように、距離も長く、アップダウンも少なくない六甲全山縦走路ですが、他の縦走路にはない安心感がこのコースにはあります。
それは、山々のすぐ南に神戸の市街地が六甲山地に沿うように広がっており、いつでもそこにエスケープすることができるということ。市街地を通ることも多く、コンビニや自動販売機などで、食料や水の確保も容易です。神戸市民にとって、六甲全山縦走路は日々の散歩コース。隔絶された奥深い山ではなく、人々の営みが感じられる里山、というのが六甲山地の特徴なのです。
いかがでしたでしょうか?六甲全山縦走路は、数字だけみれば、大層なロングトレイルのように見えますが、実際に歩いてみると、思った以上にサクサク進む事ができます。そして、無事にゴールの宝塚に到着した時は、適度な疲労感と共に、何とも言えない充実感に包まれるのです。
ひとりで歩くのが不安という方は、神戸市が主催する「KOBE六甲全山縦走大会」に参加するのがおすすめ。皆で励ましあって歩くこのウォーキングイベントは、毎年11月の開催です。
関西で最もメジャーなトレイルのひとつ、六甲全山縦走路。1年を通して、多くの人で賑わっています。貴方もぜひ、挑戦してみてください!忘れられない思い出になるはずです。
(本文下MEMOに「KOBE六甲全山縦走大会(神戸市)」へのリンクがあります)
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(2024/10/5更新)
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