イスラム教国家を訪れる前に知っておきたいマナーとルール

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イスラム教国家を訪れる前に知っておきたいマナーとルール

イスラム教国家を訪れる前に知っておきたいマナーとルール

更新日:2017/06/02 15:26

南 ちあきのプロフィール写真 南 ちあき トラベルライター

サウジアラビア、マレーシア、インドネシア…どこも世界的に有名な国々ですが、共通点は何でしょう?正解は、国民の大多数が「イスラム教」を信仰しているということです!

昨今の情勢からまるで“怖い宗教“のように思われがちなイスラム教ですが、本当は他者に寛容な宗教。これさえ知ればもう怖くない?!アラブに住んで8年目の筆者が、知られざるイスラム教と、その関連施設を訪れる際の注意点を皆さんに伝授します。

知らなかった!本当は他者に優しいイスラム教。

知らなかった!本当は他者に優しいイスラム教。

写真:南 ちあき

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イスラム教は7世紀に、現在のサウジアラビアのメッカで誕生しました。キリスト教でいうところの聖書に当たるのはクルアーン(コーランともいう)です。

現在では中東、北アフリカ、アジアなどで広く信仰され、世界で2番目に信者が多いとされていますが、近い将来には、現在信者数が一番多いキリスト教を抜くだろうと予想されています。つまり、イスラム教を知ることで、皆さんの旅への理解がより深まることになるのです。

イスラム教徒は五行と呼ばれる信仰行為を行う必要があります。
1.信仰告白(シャハーダ)アッラーを唯一の神として信仰すること
2.礼拝(サラート)一日5回お祈りをすること
3.喜捨(ザカート)貧しい者に施しをすること
4.断食(サウム)ラマダン月の日中の飲食をしないこと
5.巡礼(ハッジ)聖地メッカに巡礼をすること

イスラム暦の12月は、世界で16億人いると言われているイスラム教徒が巡礼の旅に出る聖なる月!世界中のイスラム教徒がサウジアラビアのメッカを目指します。毎年圧死者が何十人も出、また様々な伝染病で巡礼後はほとんどの者が体調を崩すとも。富める者も貧しい者も、元気な若者から病気でほとんど立てないような老人まで、皆二枚の白い布のみをまといます。この巡礼を行なって初めて、立派なムスリムになるとされ、非常な名誉となるため、イスラム教徒は全財産をはたいてでも、メッカの地を目指すのです。

実はこの巡礼で旅に出る者が多いためか、クルアーンには“旅行者には親切にせよ“と書かれており、実際にイスラム教が主流の国々に行くと、私たち旅行者は非常に親切にされることが多いのです。

ラマダンとは?

ラマダンとは?

写真:南 ちあき

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日本でも最近よく聞くようになった“ラマダン“ですが、これはイスラム教の断食月。上記の巡礼と同じく、イスラム教徒にとっては非常に大切な意味を持っています。

イスラム教では月の満ち欠けで判断する太陰暦を採用しているので時期は毎年ずれていきます。(2017年は5/27〜6/25までの予定。)健康で断食を行なえるイスラム教徒は、文字通り日の出から日の入りまで、飲食はもちろんのこと、喫煙や性的なことも禁じられます。敬虔なムスリムになると、自分の唾でさえ飲まないという人も。この時期のアラブでは旅行者も人前での飲食は出来ず、多くの店が閉まり、イライラした人で溢れるため、制限が多くなります。そのため旅行者にとっても大きな影響があるので、この期間にイスラム圏への旅行を考えておられる方は理解が必要です。

飲食を控えることは覚えていても、つい忘れがちになってしまうのが、水を飲んだりガムや飴を噛んだり、男女が手や腕を組んで歩くこと。これもイスラムの戒律を厳しく守っている国では“ハラーム“(厳しく禁じられていること)ですので、気をつけたいところです。観光客の多いところでは、外から人が見えないように目隠しした店があり、そこでの飲食は可能ですので、そういったお店を選ぶようにしてください。

でも、なぜここまでして断食を行うの?答えは、貧しく、飢えているものの気持ちを理解するため。またこの時期には喜捨(ザカート)をすることも奨励されています。

他の宗教にも理解を示し、共存していくことが歴史的にも多かったイスラム教。本当はとても寛容な宗教なのです。

女性が気をつけるべきことは?

女性が気をつけるべきことは?

写真:南 ちあき

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皆さんがご存知のように、イスラム教徒の女性はヒジャブとアバヤと呼ばれる布で髪や顔、身体のラインを隠しています。イスラムの世界では男女が一緒に行動することは大変少ないのです。

時には欧米諸国から“女性の人権を無視している“と非難されることも多いイスラム教の規定。ですが女性専用車両は敬虔なイスラム教国ではよく見かけるものですし、男性は女性を守ることとされているのでなんでも助けてくれます。一見不便にも見えるヒジャブは男性からの視線や砂漠での暑さや砂嵐も避けられるということでも非常に便利なのです。

市内では、私たち観光客はアバヤを着ずに過ごすことが出来る国がほとんどですが、モスクに入る際にはアバヤ着用が義務づけられています。観光客の多いモスクでは大抵アバヤの貸し出しをしており、料金はかからないことが多いですが、IDを預けなければならないところが多いです。

IDはパスポートでも可能なところは多いですが、万が一の場合を考え、他の英文で書かれたIDを預ける方が安心です。また今回写真で使った、アラブ首長国連邦のアブダビにあるシェイクザイードモスクのように、パスポートをIDとして預けることは不可となっている場所もありますので、パスポート以外の英文IDを忘れず携帯した方が無難です。

またアバヤを着る上での注意点は、髪の毛が外から見えないように隠すこと。怒られることはありませんが、意外とこれが出来ていないことが多いようです。

また、例え市内を観光している時でも、露出の多い格好はご法度。過度に気を付ける必要はありませんが、現地の習慣に倣うようにしてくださいね。

日本人はモスクに入ってもいいの?

日本人はモスクに入ってもいいの?

写真:南 ちあき

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答えは、「非イスラム教徒を見学のために受け入れると表明しているモスクはオーケー」です。

1日に5回お祈りをする必要があるイスラム教徒。もちろん街中に響き渡る“アザーン“(お祈りを始める際に流れる呼びかけのこと。)に沿ってお祈りを捧げることが多いですが、そうもいかない現代社会。いつでもモスクにはお祈りに訪れている信者がいます。

観光施設である前に、信者にとっては聖なる場所であるモスク。入れるか否か不明な時には入るのは控えておく方が良いでしょう。

主要な観光地では、イスラム教に対する理解を深めるため、非イスラム教徒のために時間を決めて公開していることもあります。いずれにせよ、事前のリサーチが必要です。

写真は、その日のお祈りの時間を表した時計。観光客に公開しているモスクでも、お祈りの時間が来たらモスクを出るか、静かに過ごすようにしましょう。

モスク外での観光の注意点は?

モスク外での観光の注意点は?

写真:南 ちあき

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モスクでの注意事項以外にも気を付けるべき点があります。それは、イスラム教徒の中には写真を撮られることを非常に嫌がる方がいるということです。

これはイスラム教では偶像崇拝が禁止されており、自分の姿形が写真という形で後に残ることを嫌うためです。また特に男性がイスラム教徒の女性の写真を撮影した場合、その旦那さんとトラブルになることも。

街中やショッピングモールで民族衣装を歩いている人々を見ると、つい写真に残したくなってしまうものですが、イスラム教国家ではこれは厳禁。アラブ首長国連邦では、許可なく写真やビデオ撮影をすると犯罪となる法律まで存在します。

イスラム教徒と写真を撮りたければ、必ず事前に許可を求めるようにしましょう。

スマートフォンが普及した現代では、写真撮影のマナーがより厳しく求められるようになっています。イスラム教国家を訪れる際には、日本での撮影マナー以上に注意するようにしてくださいね。

終わりに

いかがでしたか?まだまだ日本にはイスラム教徒が少ないこともあって、日本人には馴染みの浅いイスラム教の世界。アラブの世界に住んで長い筆者でも驚かされることはまだまだあります。

また、広範囲で信仰されている宗教のため、それぞれの国や人々の信仰度合いにもかなりの差が見受けられるのも特徴的。お酒を飲むこと、顔や身体を隠すことも、それぞれ個人に任せられている場合がよくあります。違いを見つけられると、旅がより一層楽しいものになりますよ!

日本の文化からは掛け離れているからこそ、旅に出た時に新鮮に感じられるはず。イスラム教を怖いものと感じるのではなく、是非積極的に理解してみてくださいね!

掲載内容は執筆時点のものです。

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