ヨーロッパ旅行を計画中の方なら、「シェンゲン協定」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。これは、ヨーロッパの国々を自由に移動できる画期的な取り決めですが、そのルールを理解していないと、思わぬトラブルに繋がることも。
この記事では、シェンゲン協定が「一体何なのか？」をわかりやすく解説し、特に日本人旅行者が知っておくべき重要なポイントをまとめました。
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https://unsplash.com/photos/TrhLCn1abMUシェンゲン協定は、加盟国間の国境管理を撤廃し、人やモノの自由な移動を可能にするために結ばれた国際的な取り決めです。1985年6月に調印され、2025年9月現在、フランス、イタリア、ドイツなど29ヶ国が加盟しています。
簡単に言うと……
シェンゲン協定に加盟している国同士であれば、一度入国審査を済ませてしまえば、国境を越えるたびに出入国審査を受ける必要がなくなります。まるで一つの国内を移動するような感覚で、複数の国を周遊できる画期的なシステムなのです。
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https://unsplash.com/photos/rFKBUwLg_WQシェンゲン協定は旅行者にとって非常に便利ですが、滞在期間やパスポートの扱いに関して、いくつか注意すべき点があります。
入国審査の仕組み
シェンゲン協定加盟国へ入国する際の審査は、最初に上陸した加盟国で行われます。 例えば、ヘルシンキ（フィンランド）経由でベルリン（ドイツ）へ向かう場合、どちらもシェンゲン協定加盟国なので、入国審査は経由地のヘルシンキで行われ、ベルリン到着時には原則として審査はありません。
一度シェンゲン圏内に入ってしまえば、原則として域内を移動する際にパスポートチェックは行われません。
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https://unsplash.com/photos/POqJeWrVfnU最重要！「あらゆる180日間における最長90日まで」ルール
観光目的でシェンゲン協定加盟国に滞在できる期間は、「あらゆる180日間における最長90日まで」と定められています。
この「あらゆる180日間」とは、入国日を起算日として過去180日間を指します。つまり、過去180日間のうち、シェンゲン圏内に滞在した日数の合計が90日を超えないように注意が必要です。
具体例でわかりやすく！
例1：初めてシェンゲン圏内へ行く場合
4月1日にシェンゲン圏に入国した場合、そこから90日間（同年6月29日まで）滞在可能です。
例2：過去にシェンゲン圏へ滞在歴がある場合
1月にイタリア（加盟国）に1週間滞在し、同年4月に再びシェンゲン圏へ入国するとします。この場合、過去180日間に該当する1月の1週間分が差し引かれるため、4月からの旅行では83日間しか滞在できません。
ポイント：非加盟国への移動ではリセットされない
シェンゲン圏から一度非加盟国へ出て、再びシェンゲン圏に戻ったとしても、180日間以内の場合は90日間の滞在期間はリセットされません。頻繁にヨーロッパを訪れる方は、必ず滞在可能な日数を計算し、超過しないよう注意しましょう。「Short-stay calculator」のようなツールも活用できます。（関連MEMOのリンクをご確認ください）
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パスポートは常に携帯を！
域内の移動でパスポートチェックが原則不要とはいえ、身分証明のため、パスポートは常に携帯しましょう。テロ対策などで稀にチェックが行われる可能性や、搭乗時の身分証明などで必要になることがあります。
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シェンゲン協定とよく混同されるのが「EU（欧州連合）」です。どちらもヨーロッパの統合に関わるものですが、目的と範囲が異なります。
EU（欧州連合）
第二次世界大戦の反省から、経済的・政治的な統合を目指す組織です。共通通貨（ユーロ）の導入や関税の撤廃など、より広範な目的を持っています。EU加盟国の国民は、EU域内での移動がパスポート不要になるなど、多くの恩恵を受けます。
シェンゲン協定
EUとは異なり、あくまで「国境管理」に特化した取り決めです。EU加盟国の一部はシェンゲン協定に加盟していなかったり、逆にEU非加盟国でもシェンゲン協定に加盟していたり、ということもあります。
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https://unsplash.com/photos/eZJRTSjfJek日本人旅行者にとっての違い
EUは経済・政治連合であり、シェンゲン協定は国境管理の取り決めです。日本国籍の旅行者の場合、EU加盟国であってもシェンゲン協定に加盟していなければ入国審査が必要です。例えば、EU加盟国であるアイルランドはシェンゲン協定には加盟していないため、日本人がアイルランドに入国する際には入国審査が必要になります。
シェンゲン協定は、ヨーロッパ旅行の自由度を格段に高めてくれる素晴らしいシステムです。しかし、「90/180日ルール」など、滞在期間に関する注意点も存在します。
安心してヨーロッパ旅行を楽しむためには、渡航前に必ず外務省の海外安全情報や、渡航予定国の大使館・領事館のウェブサイトで最新の情報を確認することが大切です。ルールをしっかり理解して、安心・安全で思い出に残るヨーロッパ旅行を楽しんでくださいね！
2025年9月現在の情報です。国によって規定が異なる場合があるため、渡航先の大使館HPなどで詳細をご確認下さい。また、最新情報は外務省HPなどを参照してください。
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